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完全リモートで完結する、オンラインリサーチのメリット・デメリットについて考える 〜デザインリサーチプロジェクトに参加して Part2〜

こんにちは。ANKR DESIGNでUXデザイナーをしている大倉です。
今回は、前回の記事の第2弾となります。

前回の記事を読んでいない方のためにご説明をしますと、
ANKR DESIGNでは4月〜5月にかけて、
完全リモートで、リモートワークに関するデザインリサーチを行う
というプロジェクトを実施していました。

そして私も、デザインリサーチプロジェクトにリサーチャーとして参加しました。

今回は、デザインリサーチプロジェクトに
チームメンバーとして参加した大倉が、
オンラインリサーチを実施して感じたメリット、デメリットを伝える
という目的で、
オンラインリサーチ(完全リモート)に興味がある皆様に向けてプロジェクトに参加した所感をシェアしたいと思います。

オンラインリサーチって実際やってみてどうなの?良いの悪いの?

オンラインリサーチ、リサーチ内容にもよりますが、
やってみたら意外とできる!
オンラインならではのメリットも多くある!

というのが率直な所感です。

なぜそう思うのか?

私たちのチームでは、海外在住メンバーを含むチームで
初めから終わりまで、完全オンラインのみリサーチを実施しましたが、
特に問題なくリサーチを実施できたからです。
(ちなみにどのメンバーも今回初めましての方々で、一回もお会いしていません

通常のリサーチはどういうものか

通常のリサーチの場合、以下の作業を実際に顔を合わせて行います。

◆ユーザーへのリサーチ◆
 - ユーザーへのインタビュー
 - 観察
→ユーザーの実際の行動を観察できる現場へ行く、もしくは、ユーザーと直接会い、インタビューをする
◆チームで行う作業◆
 - ダウンロード
 - クラスタリング
 - インサイト、HMW抽出
→チームで集まり、付箋などを用いて、インサイト・HMWの抽出を行う。

オンラインリサーチでは、これらを全てリモート環境で行います。

オンラインリサーチとはレアなものなのか

オンラインリサーチは、リモートのツールが発展してきている今、注目されはじめている手法です。
オンラインリサーチについての記事もいくつか出ています。

シリコンバレーで導入されている 「リモートリサーチ」とは? | UX TIMES
https://uxdaystokyo.com/articles/what-is-remote-research/
リモートユーザーテストの実例から学ぶ5つの教訓と手法 | UX MILK
https://uxmilk.jp/68936

リサーチ内容によっては、リモート実施よりも現場で行う方が良いものもありますが、
ユーザーインタビューは、オンラインでも十分に実施できると言えるでしょう。また、オンラインでリサーチを実施するメリットも多くあります。

ウィズコロナ/アフターコロナ時代と言われる今後は
オンラインと通常のリサーチをうまく組み合わせて行なっていくのではないか?と思われます。

デザインリサーチプロジェクトの場合

ANKR DESIGNで行なった完全オンラインのデザインリサーチプロジェクトでは、集まったメンバーをグループ分けをし、
それぞれのチームでリサーチを行なってもらうというものでした。

私もチームeというチームに所属をし、チームの一員として以下のようなツール・手法を用いてリサーチを行いました。

◆メンバー◆
- 海外在住メンバーを含む4人
◆チーム内でのコミュニケーション◆
- 時差を考慮し、夕方〜夜のミーティングがメイン
- スタートから終わりまで完全リモートで完結
- ズームやGoogle Hangoutでミーティング
- 上記ツールにMuralを組み合わせて、グループワーク(ダウンロード、クラスタリング、HMW抽出)を実施


プロジェクトを行なっていたのはコロナ状況下だったこともあり、
一度も誰とも直接会っていませんが、ミーティングを何度も重ね、共にチームとして働いたからなのか、
チームメンバーには何度も会ったかのような親近感がありました。

ただし、Slackでのコミュニケーションが多いので
意識してMTGを多く設定するなどしないと、コミュニケーションが取りにくい部分はあったかもしれません。

オンラインリサーチのメリットとデメリット

あくまで私の所感ですが、実際にオンラインリサーチをやってみてのメリット・デメリットは以下だと思います。

◆メリット◆

1. 時間の自由がある
- オンライン実施なので、移動時間を節約でき、隙間時間でミーティングやグループワークを実施可能
2. 場所の自由がある
- インターネット環境があればできるので、海外にいる人に対してもリサーチが可能。チームメンバーが海外にいても実施可能。
- インタビューを受ける側も会場に行かなくて良く、好きな場所でインタビューを受けることができる。
3. グループワークの際の準備や片付けが不要
- グループワークの付箋などをオンライン上にそのまま残しておける

◆デメリット◆

1. リサーチ方法によっては情報が得にくいものもある
- リアルと比べると、インタビューや観察の際の空気感やちょっとしたことを察知しにくいことがある
2. 画面が小さいとグループワークが少しやりにくい
- チームでのグループワークの際は画面が小さいと少しやりにくい
3. 意識しないとコミュニケーション機会が減りやすい
- 対面ではない分、コミュニケーションをとる機会が少なくなりやすい

まとめ

オンラインリサーチもリモートワークの一種であり、
前回の記事と同様のメリット・デメリットが浮かび上がったと思いました。

(前回の記事では、アフターコロナ/ウィズコロナの働き方についての考察をまとめています)


オンラインでの実施により移動・準備時間の節約や、働く場所の自由といったメリットがある一方で、
画面越しであるために、現場の観察などを伴うリサーチ等を実施したい場合は、細かい情報を得難いこともあると感じました。

オンラインリサーチにおいても、状況に応じて、
オンラインとリアルの「選択の自由」があることで、
それぞれのメリット・デメリットを組み合わせることができ、リサーチの可能性を拡張することができると感じました。

また、オンラインやSlackがメインのコミュニケーションとなってしまうと、偶発的なコミュニケーションが生まれにくいという部分があります。
これはより多くミーティングの機会を設定する等の工夫があると良いと思いました。

今回のプロジェクトを通して、十分にリサーチの実施は可能であるとわかったことは大きな学びでした。
また、プロジェクト自体もインサイトやHMW抽出を通して、メンバーと様々なディスカッションをすることができ、哲学的な話まで派生したりと、非常に楽しいリサーチプロジェクトでした!

今後、オンラインリサーチも、
新しく革新的なリサーチ方法の一種として世の中に普及していくと思われます。

そして最後に、この記事がオンラインリサーチやデザインリサーチに興味を持った方にとってお役に立てば幸いです。


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