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今と過去が混ざり合う

大学受験で東京へ

 台湾のホテルで一人、のんびりしながら32年前?大学受験で東京に行った時のことを思い出しました。1日目の午前中が筆記試験で、2日目は実技試験でした。1日目が終わってホッとした私は、オリーブという雑誌を見て、一人で渋谷へ繰り出しました。

 私がよく分かっていなかっただけかもしれませんが、その頃の渋谷は特に怖い人もいなくて、おしゃれで可愛いお店がいっぱいありました。101、パルコ、雑誌の中のお店がたくさんありました。路地裏にある可愛い雑貨屋さんも探して行きました。知らない街を一人で歩く楽しさを満喫していました。

 子どもの頃から自転車で近所をブラブラすることが好きだったし、中高校生の時は、名古屋の地下街をよく一人でブラブラしていました。
 高校を卒業して、東京の街を一人で歩いた時はすっごく開放感を感じ、一人の幸せに浸っていました。

 長女だし、親が口やかましいタイプだったので、一人になりたがるところがありました。もともと自由を求める性格で、「大学に入ったら親元を離れたい」と思っていました。どうしても一人暮らしをしたかったので、それを許してもらえるような大学に合格できるように勉強をがんばりました。
 高校生まではあまり友達もいなかったので、「もう地元を離れたい」という気持ちもありました。(結局、今は生まれ育った場所の近くで暮らしていますが)

 渋谷ショッピングを満喫した後、ホテルの前のコンビニでお菓子などを買い、テレビを見ながら食べました。私の住んでいる地域にはまだコンビニもあまりなく、初めてのファミリーマートでした。そして初めてのリモコン付きのテレビでした。何もかもが新鮮で、大人になった感じ、新しい世界に足を一歩踏み入れた喜びを味わっていました。

自分を生きる

 道にも迷ったし、この先人生に迷わない自信もないけれど…。それでも
「私は大丈夫」
「自分を生きられる」
「前へ進める」と確信をしていました。

 そんな感覚はなぜか田舎にいる時よりも、都会のごちゃごちゃした中での方が感じられます。人がいっぱいいて、雑然としていて、色々な思いを抱えた色々な人がすれ違い、人々の人生が交錯していることを感じます。
 「あー私の人生を生きよう」と心に誓いました。

 あの時が私にとって、1つのスタート地点だったということを思い出しました。その頃の私と今の私、途切れることなく繋がっていることを感じました。

あれは夢だったのか? 

 そして、細部を覚えているのに、どうやって一人で東京に行ったかを覚えていません。何だか夢のように感じました。
 10代の私が1人で渋谷を歩いていたのは、本当のことだったのかな?私が読んだと思っていたオリーブは本当に存在したのかな?

 どんどん信じられなくなってきました。

 帰ってから、ネットで検索し、1987年に発行されたオリーブの中からそれらしき物を探してみました。そうしたら、なんとこれだ!と思うものが見つかり、購入しました。
 タイムマシンのようです。

 夢かと思ったら本当のことでした。今の私の中に色々な時代の私が存在していることを感じました。そして今の私も色々な時代の私の中に、誰かの中に色々な形で存在しているんだと確信しました。

 台湾のホテルで、帰ってから家で、そんなことを心に思い浮かべながら、思い出が熟成され、時や空間の垣根がなくなり、溶け合い、カオスとなり、私の胸を甘酸っぱくキューンとさせていきました。

最後に

 結局東京の大学は落ちました。地元から近い県外の大学に入り、親元を離れました。たくさんの人に出会い、たくさんの経験をし、そして今があります。

 届いたオリーブを読んだ時のことは別の記事にします。

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