本番までの…日記。最終日。
本番までの日記のようなnoteを書き始めたのはどこかでこの予感があったからかもしれません。
この、貴重な本番までの日々を書き留めておきたかった。
数ヶ月前までは当たり前に集中稽古をして、
稽古時間長いよーー眠いよーーーなんて言いながらも皆で稽古頑張って
稽古終わったら安い居酒屋に行っていろんな話しして交流深めて一緒のご飯食べて笑って
小屋入りしたら全てお客様に喜んでもらえるように準備を一斉に進めて
本当だったら今日は朝から、場当たり・ゲネ・お客様を迎え入れて受付して、本番でした。
自粛期間明けで初めての舞台がサンフラワーでした。
自粛期間中、ほんとに家から出ないで深夜の犬の散歩の50分で人と会わないように過ごして
2ヶ月人と9割減の接触で、役者として芸事での仕事は全部飛び無収入(noteのサポートや記事の購入で助けていただいた皆さまありがとうございました)
それでも必ず舞台ができると信じて過ごしてきました。
顔合わせができたのも奇跡
稽古が開始できたのも奇跡
毎日のように大好きな皆と芝居ができて、どんどん本番へ向かっていく心と身体が本当に嬉しかった。。
本当に公演が出来るんだって実感がわいてきて、ワクワクしました
舞台でクラスター発生とTwitterで見たときすぐにどんな状況か調べて
毎日、毎時間Twitterで検索を続けていました。
公式アカウントに来るお客様からのお問い合わせに対応しながらいろんな事を常に調べ続けて、フリーエスのメンバーと話し合いを毎日毎日して何がお客様にとって最善なのか
何が我々役者にとって大切なことなのか
日々変化する状況に苦しくなりながらも
公演できる事を信じて、夢見て…あらゆる対応を考えて準備をしていました。
本当はやりたかったです。
勿論、やりたかったです。
めちゃくちゃ芝居したかったです。
お客様の目の前で、この作品を
このメンバーでこのスタッフ陣でお届けしたかったです。
今回の作品、紆余曲折あったからこそとてもとても大切で。。
私がお預かりしていた雄吾という役。
同じ役を二度演じさせていただくのは10何年になる役者経験の中でも本当に稀で、更には同じ役の『その後』を演じさせてもらえるのは貴重な経験です。
この作品を必ずこのメンバーでやりたいと思っているので大きく本作のネタバレになる事は言えないのですが、
雄吾は本作で苦しく悩む日々を送る状態でしたのでこの稽古期間中、いくらご飯を食べても食べても通しや抜き稽古をすると体重が減っていてびっくりしました。
また必ず雄吾として舞台に立てるよう、色々勉強を重ねておきます。
初日を迎えることなくバラしになったセット達や
お客様を綺麗な顔でお迎えする予定だったお花たち。
全てに色んな方の想いが詰まっています。
本当にたくさんの方のたっくさんの想いが。
昨夜から感情がどこかへ行ってしまったようで
気が付けばため息が出てしまう。
初舞台の子もいたんです。
初めてやる役どころで悩みながらも毎日成長していく子や、ニコニコで稽古場に来てくれる子や
早い時間から来てアップしてる子や
後輩たちに色々アドバイスしてくれる兄さん達や
たくさん技術面でも協力してくれる子や
本当にあらゆる良い人達が集結してる座組でした。
力を貸してくださるスタッフ陣も本当に優しくてあったかくて、この一大事に一緒に考えてくださって…。
フリーエス主催の下出丞一さんは本作では脚本担当、ほぼ出ずっぱりで台詞もめちゃくちゃ多い中いろんな業務もずっとずっとやって下さってて大変なはずなのにいつも笑顔で皆を見守ってくれました。
本作演出の小川陽平さんは普段は役者もダンスもやるプレイヤーですが、演出部としてもとても素敵な感性を持っていて私達を鼓舞して良い方向へ導いてくれました。
出演&演出助手の肥田強志くんは大変な役どころながらも全体の色んなケアをしながら、稽古場の空気を常に良くしてくれていました。
私の下について色々動いてくれた辛沙奈ちゃんは、本来なら5月後半に公演予定だったフリーエス舞台で初舞台だったのが今回に延びて…やっとここでの初舞台だねって皆で言ってたのにまた先になってしまった。
いつもニコニコ笑顔で誰よりも気を回して動いてくれて本当に可愛い妹です。
肥田くんの下で動いていた吉渓優太朗くんは、毎日誰よりも早く来て沙奈と一緒に稽古場中の消毒に換気を徹底してやってくれていました。
毎日芝居に悩みながら、一生懸命役に真剣に取り組んでいました。
この座組の皆、本当にお芝居が大好きで
真面目で、優しくて、お客様を大切に思っていました。
お客様に喜んでいただく事だけを夢見て準備を重ねてまいりました。
これは、他のどの団体さまも同じ思いだと思います。
うちの公演は中止となりましたが、同じ時期や来週以降で本番を迎える舞台はたくさんあります。
どうか無事に開幕し、千秋楽を迎えられるようにと切に願います。
楽しみにしていたお客様のその気持ちが叶えられますように。
そして、どうかお願いです。
ひとまとめに『舞台クラスター』という言葉でもってして私達役者を悪として扱わないでいただけたら嬉しいです。。
役者もスタッフ陣も劇場さんも、愛すべき演劇をどう残していくか
どう芝居の火を消さずに乗り越えて行こうかをずっとずっと真摯に考えています。
きっと、他の団体さまもそうです。
推しがいる皆さまへ
推しは推せるうちに推せ
いつまでもあると思うな親とお金と推し
という造語の通り、いつ何があるかわからない時代になってきました。
どうか推しさんへの愛を伝え続けてあげてください。
いつでも待ってるよ、楽しみにしてるよの言葉が私を救ってくれました。
劇場に届いたお花たちや、私にかけてくれる若尾桂子推しの方達の言葉がなんとありがたい事か。
今回は行けないけど舞台成功するよう祈ってるよと声をかけ続けてくれてた人達もいます。
公式からの発表後、すぐに色んな反応をいただいて本当に支えられています。
どうか、好きな人に好きだと伝えてあげてください。
その言葉が、途切れそうになっている心を繋ぎ止める糸になるかもしれないですから。
また笑顔で会える日を信じて。
本当にありがとうございます。ありがとう。