加工アプリが怖い

久しぶりの記事です。
ずーっと思ってたことがあって、どう書いたら良いのか
どう表現したら誰かをいたずらに傷つけずに自分の思っていることをアウトプットできるのかわからなくて
自分が一番頻繁に更新しているTwitterを書いては消し書いては消しをしていました。
140文字じゃ伝わらないニュアンスなんです。
なのでこれはnoteで。

題名の通りなのですが
私は加工アプリが怖いんです。
数年前までは『写真盛れるー！』って喜んでいたカメラアプリ、その加工はせいぜい肌の色を均一にしたり画面が明るくなったりする程度だった認識なのですが
ここ2年は見るアプリ見るアプリ、最初っからもう勝手に加工されてしまうものになってしまいました。

大きくなる目（しかも輝きプラス）
チークを塗ったようにピンクになる頬
赤くなる唇
突如削られる顎と顔の余白、エラ

これがデフォルト。
写真撮ろーってインカメにしてアプリ起動するとこれがデフォルト。
いやいや誰だ！お前は誰だ！？っていう顔の人が画面には写っているのです。

自分の画面で気持ち悪い自分モドキが写っている違和感に、以前より確実に自撮りから足が遠のきました。
私は職業的に自分の顔を売らなければなので、SNSに載せる告知やブログ記事などにはなるべく自分の写真を載せる努力をしていたのですがアプリで捻じ曲げられた自撮り写真が怖い。おぞましい。気持ち悪い。

誰かと写真を撮ろうとすれば、その使っている人の設定次第でとんでもない宇宙人が画面に浮かび上がってきます。
更には、ただでさえ宇宙人が写っているのにその設定を愛用している本人だけをまた加工をした写真を私に送ってきて

『これ○○さんだけ加工した…？』と思い切って聞くも、『えーー加工なんかしてないよーー？！』と圧力のある笑顔を向けられる加工祭り。

いやいやいやいや何でですか？？？
視力と知性どっかに落としてしまいましたか？？？

もう虚構の中の虚像、どうにでもなれという気分になり
好きに使ってくださいと笑顔を返すしかないのです。

ちょっと肌補正して、ちょっとお目々ぱっちりになるくらいで良かった。
夢があった。
もう、誰かと写真を撮ろうとしても加工アプリじゃ別人になってしまう。
育ての母である幾久子さんと自撮りしようと思っても、画面の中にいるのは色々縮んだり伸ばしたり色を付けられてインコのようになった幾久子さん。
そんな写真を残しておきたくない。

SNSを開けば、ソフトな加工でさり気なく当社比アップされた写真もあれば『この画像の人は現実には存在しません』というとこまで加工された写真も溢れています。
コスプレーヤーさんやアイドルさんは加工までがメイクだし加工されて完成された作品になります！とおっしゃってる方々もいて、なるほどそういう世界なのだな〜と納得する半面
役者は加工そこまでしない方が良いのじゃないだろうか…とどこかザワッとしてしまうのです。

私個人の考えですが役者、俳優は生きてきた道がそのまま芝居に出て、考え方や普段の言動が表情に出て、色んな経験をして引き出しも増えていく職業だと思っているのです。
アイドル女優、アイドル俳優になりたいのなら良いのかもしれないけど…でもお客様と実際に面会などで会ったら『ん？？なんか顔が違う？？？？』と加工がバレるのでは？

いや、この疑問に関しても、【直接会った時間なんてほんの一瞬で、興奮状態だからお客様はこちらの顔なんてちゃんと把握してない・加工した画像を脳で辻褄合わせて記憶を改ざんしてくれる】と言っていた人もいたのでそういうものなのかもしれません。

だけど何だろう…
嘘の自分を見続けて
そこにいる自分を応援してくれる人が増えて
それってリアルじゃない気がしてしまうんです。

そんなことを言ったら外見だけじゃなくてキャラを作ってる人もいるし、プライベートに関しての様々な嘘をついてる人だっているし、リアルなものなんて何1つないのかもしれないけど。

noteに書いてもこのモヤモヤ感が拭えない。
まだ自分の中でちゃんと分析しきれてないのかも。

だけど私が見てきたキャラ作ってる人達もプライベートに関しての様々な嘘をついてる人達も、理由があってそれは筋が通ってる。
人間ぽい泥臭さがあったんです。

加工をバチバチにする人達が怖いと思うのは、加工してないよー！と言い切るタイプが怖いのかもしれません。
明らかに加工した写真を使って『痩せました！』ってうたってる痩せ薬の広告と同じ臭いを感じるからかもしれません。
偽ることをなんとも思わなくなってしまった心が怖いのかもしれません。

私自身はというと、肌補正してくれるアプリで目鼻立ち・輪郭に関する加工を全て切って使っています。
これも肌を加工している事には変わりないので、画像の自分に近付けるよう肌管理にお金を使っています。
いつか肌補正なしでも綺麗な肌になれると良いな。

もしかしたら加工を過剰にする人たちもいつかこの自分になりたい、と思ってる方々がいるかもしれません。
実際、整形アカウントさん達を見るとそういう目標を立ててる人もたくさんいます。
前向きに加工してる人たちがいるのだという事を頭に入れて。

でもやっぱり私は加工アプリが怖い。
アプリで加工をめちゃくちゃ使う人それぞれの心の状態を見てきて、怖い。

役者ならそのまんまの姿を見せてほしい。
男性の自撮りなんか下手で良いんです。
下からあおられて親指みたいな顔になっちゃってる男性役者達の自撮りがなんと愛おしいことか！
ポートレート撮影で誰かに撮ってもらった時に最大限の魅力が発揮される。

加工を普段からしてる人達がポートレート撮影などすると、見慣れた加工の自分と現実の自分とのギャップにテンション下がってしまう人もいるんです。
結果、カメラマンさんを困らせたりも。
何とか撮れたあともフォトショの指定めちゃくちゃして結局別人になっちゃったり。

自分を受け止めて受け入れてリアルに短所は改善していく、長所は伸ばしていく努力を私はしていきたい。

自分を見つめて、客観視して、ちゃんと判断できる人になりたい。

周りに強制することではないけど。

いつか私が宇宙人のような自撮りをSNSに載せ始めたら何か精神状態がおかしくなってると思うのでこの記事を読んだ人は私を止めてください。
よろしくお願いします！