一度だけ開かれた悲しみの誕生日パーティー
誕生日が近付いてくると毎年うっすら思い出しては悶々とする出来事がある。
小学校低学年の頃、私は空気の読めなさがスパークして大気圏突入していたのと太っていたのとすぐ駄目なことは駄目だと主張するうざい学級委員長タイプだったので(実際クラス委員とかをやっていた)だいぶクラスメイトから嫌われていた。
心優しき聖母のような何人かの女子たちが相手をしてくれていた為元気いっぱいクラスでガハハ!と笑う私だったが今振り返ると当時は気付いていなかったのだが八割方嫌われていたと思う。恐ろしい話だ。知らぬが仏である。
そんな私は絶望的に客観視ができなかったので、自分の誕生日が近付いたときに誕生日パーティーをしたい!と育ての母の幾久子さんにお願いをしたのである。
誕生日パーティーなんていうのはクラスの人気者がするものである(偏見)人気者でなくてもある程度友達がいてほんわり好かれているような人がやってこそ人が集まるのだ。
なのに私は果敢にも招待状を書き、
クラスの仲良くしてくれている可愛い女子たちと、ワイルドさがある悪ガキ男子何人かを招待することに成功したのだ。これについては多分可愛い女子が来るから俺も行くという打算が働いたのだと思う。打算でも何でも私は気付かないわけで嬉しくキャッキャとしていた。
すると、時々遊んでいた隣のクラスのOちゃんという健康優良児の女の子が誕生日パーティーの事を聞きつけて私も行きたい!と言ってきてくれた。
Oちゃんはかなりの大柄で、よく男子から『デブ』『臭い』など嫌な言葉を吐かれていたのだがそのたびに『なんだとテメェぶっ叩いてやるよ!!!』とサイのようなスピードでその男子を追いかけ回して実際にぶっ叩いて泣かせるという勇敢な女子だったので私は彼女が結構好きだった。
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