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プロフィールを書くのが辛かった

私はフリーランスを含めた転職が10回以上です。それを以前のnoteで、「転職のプロ」と僭越ながらいいましたが、大変なことはあります。

数年前も、人材紹介会社に登録するために履歴書、職務経歴書を書いたことがあるのですが、本当に大変でした。

まず、履歴書

1.行数が足らない
 新卒の時、そして転職経験が片手の数の頃には、卒業した小学校から書いたような記憶がありますが、そんなことをしたらスペースは転職5回ぐらいで詰まってしまいます。

入学したから卒業するわけでしょうと思いながら、休学や留年していないことを表わすために「学校名入学/学校名卒業」を書きました。その後の職歴も「入社/自己都合による退職」と対で。

2000年くらいまでは、確か履歴書も手書きが主流だったと思います。また言いますが、本当に大変でした。なんてったって書くことがたくさんあります。誤字脱字しないよう、精神を集中して書いていました。修正液や修正テープという補修もありましたが、それだって2か所程度なら片目つぶれても3か所以上は注意力散漫系に見えるのではないかと心配になって書き直したりするので、実は毎回3枚は書きました。思い出すだけで気が重いです、もう腱鞘炎になりそうなくらい大変でした。

その後、PCを使って書いていくことになったってとにかく行数が足らないわけです。なので、その頃からは学歴を高校卒業から書き始め、入学年は書かないようにし、転籍についてはグループ内転籍のような形で記載して行数を節約していました。

2.趣味、特技、個性をこんな狭い箇所に書けない
趣味とは楽しみ。私が楽しんでいることはたくさんあります。日頃から素朴に「趣味は?」と聞かれるのに困っているのに、知らない人に対して、これら3つの回答を2cm幅くらいのところに書かなきゃいけないわけです。枠、小さすぎると思うんですよね。いや、そもそも採用において趣味なんて、ついでで聞いているだけでそれくらいの扱いってことなんでしょうかね…。

それに個性って、何を書いたらいいのか、正直なところ、わからないです。
自己認識の個性と、他者から見える個性って違うわけだし、環境下でそれら個性の発揮は変化すると思っている私からしたら、初対面の人の自己認識だけを文字で知ってどうしますか?って思っちゃうわけです。


次に、職務経歴書


さらにこれが大変。
数十年前にやってたことは「終わったことは、全ていい思い出」になってるし、記録もしていません。いつ入社して、いつ退社したか、数十年前の年月を遡って計算するのも大変なのに、当時していたことを記載するなんて相当な苦労でした。

何をどう書くのかと困って友人のを参考までにと見せてもらったら、“どんな組織でどんなチームに属していて、どんな立ち位置で何をして、成果として何を成したか”が書いてありました。そんななかでも「自らの働きでどう事業を成長・拡大して成功したか」は、数字が大事とのことですが、私には記憶もなければ記録もありません。

とはいえ空欄というわけにもいかないので、おぼろげな記憶を辿って何とか枠を埋めましたが、当時一緒に働いていたメンバーが見たら、「もっとあるじゃないですか!」って言ってくれるか、「盛り過ぎです!」って言われるか、なんてドキドキしいながら完成した記憶があります。


書類選考さえ通れば…


「書類選考さえ通れば…面談に進めば、どういう人か理解しもらえて、その経験も企業で絶対に求められるはずなんですよ。しかし…こちらも力不足でスミマセン」

電話口で、人材紹介会社のシニアマネージャーが、こう言いました。当時書いた履歴書、職務経歴書で、人材紹介会社を通して私がエントリーした会社は5社ほどだったでしょうか。そして、面談まで行ったのが1社。業種も職種も、さらに言えば職位も選ばないとこちらは言っているのに、書類さえも通らないのはなぜなんだろうと不思議に思って聞いてみると、そのマネージャーは言いにくそうに教えてくれました。「企業さんでは、3回以上の転職歴はエントリーすら受けつけてもらえないのが一般的なことなんですよ」

結果、この人材紹介会社をとおしての内定は1つとしてなかったので、今となっては面談まで繋がれば採用になっていたのか、そもそもは体のいい慰めだったのか確かめる余地もありません。しかし、当時の私の書いた履歴書、職務経歴書では、私という人間はうまく伝わらなかったのだということだけは疑うまでもありません。


履歴書と職務経歴書で何を見ているのか


確かに職務経歴書は、その人の実績を見るのに大切です。履歴書より重要だと理解しています。採用側としては、どんな環境で力を発揮してきた人か、どんなスキルや経験を持っているのかを知るための貴重な情報です。私も採用側に立った時には、目の前の人がどんなふうに動いてきたか、これらから推察していました。

ただ、これら履歴書と職務経歴書だけでの書類選考では、人となりがわからないです。実績だって、本当かどうか確かめようがありません。


「趣味:キノコ狩り」で採用


採用側に立っていた当時、人となりをうかがい知るためにも、定量的な経歴だけでなく、もう少し定性的なことも知る方法がないかを考えていました。そこでの解決策の一つは、文字の並びから気になったら面談に進むというものでした。

あるときマネージャーであった私は、福島から応募してきた「趣味:キノコ狩り」というグラフィックデザイナーに興味を持って、面談に進みました。

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もちろん、その他の自学自習の作品なども見ての判断です。人から笑われることも多いという「キノコ狩り」を一人で探求していく姿勢は、自律した志向のメンバーとして、またその説明を通したコミュニケーション力もいい!と判断し、採用をしました。

入社後の彼は、独自の視点をもって仕事に向かい、先輩たちを凌駕するほどにまで力をつけ、今もある会社でプレイイングマネージャーとして活躍しています。


みんなプロフィールをどう書いているの?


「会えばわかる」で面談をしていたら、採用側も応募側も時間がいくらあっても足らずで大変です。でも、これらフォーマットベースの書類では、自分を表現できないし、逆の立場では相手を知る、理解することが難しいと薄々感じていました。

では、どういうプロフィールだったらいいのか。上記の「キノコ狩り」の彼のプロフィールを例に挙げてみます。
実はこの彼、応募時は建築設計事務所で働いていました。でも、デザインの仕事がしたいと自力で勉強し、作品を制作し、ウェブサイトにその作品を掲載して閲覧できるようにして応募してきていました。
当時の組織のデザイナーのリーダーにこれらの作品を見せると、独学レベルとは思えないセンスとクオリティだとの評価。私はその裏付けの上に、「趣味:キノコ狩り」なんて書く、ユニークさに惹かれて面談に臨みました。

その人のユニークさ、そしてやりたい思いとそれができる背景を伝えること。プロフィールは過去の実績や経験を列挙するだけではもったいないと考えています。仕事で鍛えた実力は、その人ならではの感性や特性とセットで、違う分野でも活かせると思うからです。これまで経験してきた違う分野だったとしても、それは踊る舞台が違うだけで、さほど遠い話でもないと思います。こういうことがしたい、そこに背景があれば、人はいつからでもその未来に生きていける、私はそう思っています。

人が未来へ持つポテンシャル。
それが、「未来型プロフィール」の誕生に繋がりました。

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