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ギブアンドテイクの神髄

昔からギブアンドテイク(give & take)という言葉が嫌いでした。
つい最近まで、この言葉の意味を誤解していたからです。

「これやってあげるから、これやってよ。ギブアンドテイクじゃない」というように交換条件のように使用されている、または使用するものだと理解していたのです。Give & takeは”I give , You take.””You give , I take.”だと思っていたんですね。


「持ちつ持たれつ」
「ウィン&ウィン(win & win)だからいいよね!」
言い出す方の言葉の裏に「取引的なもの」を感じていました。

与えた分だけ受け取れる。受け取った分だけ与えるもの。
これらが同時に行われる場合もあれば、今日は与える(give)側だけど、次は受け取る(take)側になる。だからある意味、先に与えられてしまった場合には、返さないといけない「借り」を持ったように思っていました。


こんなふうに受け取る(take)ということを、見返り(give)とセットで考えていたため、人間関係に取引を挟む冷たい感じが嫌だと個人的にはほとんど使うことのない言葉でした。気持ちや厚意が計られているように思われ、違和感を持っていたのです。



ところが、先日ふとしたことでこの理解が変わりました。“与えるものは受け取る、与えられる”という意味と更新したのです。
つまり”I give , I take.”
または”I give , I given.”
もう一つオマケに「情けは人の為ならず」。

自分がしたいgiveを受け取ってくれる相手がいる時点で、自分は受け取っているのだということ。受け取ってくれる人がいるから、与えることができるということ。その場ですでに、ギブアンドテイク(give & take)は成立しているということ。



これまで心のどこかで、「与えることはいいこと」で、「受け取ることは相手に何かを”させてしまう”」ような、どこか恐縮してしまう認識がありました。

しかし、精神科医で心理学者のアルフレッド・アドラーが言った「人に何かをして喜んでもらえることが自身の喜びに結びつく」
これに依ると100歩譲って取引的な受け取り(take)だったとしても、人の喜びに繋がるgiveの機会をつくる可能性になるわけですね。


giveしてくれることに調子に乗って、give搾取をするのは問題外だし、意図するような人には注意ですが、欲しいものは「欲しい!」と積極的に言ってみるのも、実は相手の喜びづくり、つまり人のためになる可能性があるというのは大きな発見でした。


give&takeは一人の中だけで閉じるものではなく、与えられた(take)側が、その喜びを相手に返すこと(give)もあれば、同じ思いをしてほしいと他の人に違う形で与える(give)こともある循環。「情けは人の為ならず」で、自分に回って受け取る(take)機会もありうるわけですね。

giveもtakeも人がいるからこそ成立するもの。昔あった映画「ペイフォワード」のように、人との関わりが感謝で繋がることで、自分も人間関係も、そして社会も豊かになることを信じています。だからこそ、できることやgiveできることとともに、できないことや望むことを、もっと気楽にできるようになりたいし、そんな関係性づくりを大事にしていきたいと考えています。



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ユニキャリア
岡田慶子(オカダケイコ)

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