【第23章】いよいよ手術室へ
手術当日の朝は、あっという間に時間が過ぎていき、8時15分には看護師さんが来て手術室へと移動する予定。
8時5分くらいにトイレ行ってこようと思っていたら、一足先に、病室内のトイレに他の方が入られてしまった。
仕方なく、廊下にあるトイレに向かったのだけれど、ナント!点滴つる下げているやつがトイレのドアより高くて入れない。仕方なく、病室内のトイレへ戻ってみたけど、案の定まだ使用中。これは困った。移動時間に間に合わなくなっちゃう。
一瞬、ナースステーション行って下げてもらおうかな…と頭をよぎったけど、忙しいだろうし、こんなことで時間とらせるのは申し訳ないなって思っちゃって結局、病室内のトイレが空くのを待ち8時10分過ぎにようやく空いた!!
急いでトイレへ行くも、急ぎたくても点滴が邪魔で急げない。なんとももどかしい限り。やっと用を足し、ようやく任務完了してトイレを出たら看護師さんがわたしを探していました。
『どこ行ったかと思った~』と言われたので、廊下のトイレに入れなかったことを説明。
看護師さん『わたし、高くしすぎたかしらね。笑』なんて話ながら、2階の手術室待機場へ移動しました。
手術室待機場は『さむ~っっ!!』と思わず声が出るほど冷えていました。そして、身動きできないくらいものすごく細いベッドに横になり、四方カーテンを閉められました。(これ、ストレッチャーだったみたい)
『寒いなぁ。いよいよかぁ。でも思ったほど緊張してないかも。どうなるのかな。』ブツブツと頭の中のお喋りが止まらない。
昨日挨拶にきてくれた、手術室担当のさんが看護師さんが改めて挨拶に来てくれました!『狭いけど大丈夫??』なんて優しく声をかけてくれてなんだかとっても嬉しくて心強かった。
それから5分くらい経ったのかな。『手術室に移動しますね』とベッドごと移動。
わー!初めての手術室!!!
ドラマとかでみるような手術室は、かなり広いけどそれよりは狭かった印象。当たり前か。
そしたら、昨日診察してくれた先生がひょこっと顔を見せてくれて『◯◯さん宜しくお願いしますね』と、仰ってくださいました。
その時の先生の顔、外来や診察の時とは明らかに違ってとっても頼もしかったんです!!(ちょっと失礼かもしれませんが)
その顔みて『あ、大丈夫だ』そう直感で思ってとても安心できました。
そして横向きになっていよいよ麻酔!!
麻酔の種類は下半身麻酔で脊髄くも膜下(腰椎)麻酔。
腰から注射を行い、痛み止めの薬を投与することで、下半身の痛みを遮断する方法となります。(松島病院麻酔に関する説明・同意書より)
パンフレットによると、図1のイラストが載っていたので丸くなって注射するんだなーとは思ってたのですが、看護師さんにけっこうしっかり背中丸められて押さえられて、足に頭がつくんじゃないかってくらい丸まりました。笑
正直、『わーこんなに丸くならなくちゃだめなの??お年寄りとか、これ無理じゃない??』なんて、姿勢に気にとられてて、注射の痛みはそれほどでもなかったように思います。笑
その後は手術を受けるために、看護師さんに手伝ってもらってゆっくりバンザイしてうつ伏せになります。(図2参照)
そう、肛門の手術はうつ伏せで行うんです!!これ、結構衝撃じゃないですか??!
診察は横向きだったので、手術もそうなのかなーって思ってたんですけど、違って衝撃的でした。
バンザイする感じでうつ伏せ横向きなんですけど、顔や胸の下に枕とか入れてくれて、いいあんばいになるように調整してくれます。
はじめ、看護師さんには左向きを誘導されたのですが、どうしても居心地が悪くて。右向きにしたいとお伝えしてそうしてもらいました。
そして右腕に血圧計を巻かれ、2.3分おきに自動で測定するとのこと。右側にはバイタルのモニター(血圧とか)があって、これを見たまま手術できるのかな?と少し期待してたら、頭から目線の位置まで少し重めのカバーをかけられ周囲の状況はほぼ見えなくなりました。モニターチェックできたら楽しかったのになぁと思ったのでちょっと残念でした。
そして頭からかけられたカバーのせいで、先生達の会話も内容が分からないけど声は何となく聞こえる程度となってしまいました。
下半身麻酔や部分麻酔をした方から、『手術中の先生達の会話を聞いていた』なんて聞いていたもんだから、どんな会話をするんたろうって実は少し楽しみにしていたんです。だから聞けなくて残念でした、!
執刀医の先生からは『これ、わかりますか?』と麻酔が効き始めてる何度か痛みチェックを受けました。
触られたり押される感覚とかはまだあったので、なんとも変な感じ。そして【パシャ、パシャ】と、シャッターを切る音がしたので『えー患部の写真撮ってる??それは聞いてないよー』とショックを受けました。
『まぁ、カンファレンスとかでは重要な資料だもんね。証拠写真にもなるもんね。』とか、色々自分で納得できそうなそれっぽい理由を探して納得させて気持ちを落ち着かせていた気がします。。
でも、これは正直かなり複雑でした。
だってお尻の写真ですよ、、、、しかもお尻の穴の写真ですよ、、動揺しない方がどうかと思う案件ですよ。
ショックを受けていることは知らずに、先生方はというと、麻酔が完全に効いたのを確認して手術が始まりました。
何しゃべってるか聞こえると思ってたけど、全然聞こえなかったから少し残念。(全然余裕ある証拠ですね笑)
左上の方には看護師さんがいてくれている。時々、お尻の方から頭の方へぐいぐいと押されて身体が揺れた。
どんな風に手術をしているんだろう。。わたしの好奇心が刺激される。
そんな中、2.3分おきに血圧計が作動して腕がぎゅーっと締め付けられる。今血圧はどのくらいなのかな?気になる。けど、見えない。なんともどかしい時間。
途中、看護師さんが『首の向きかえますね~』と言って、手伝ってもらいながら今度は左向きになりました。
そんなに時間経ってなかったと思うのですが力が入ってたからなのか、結構、首固まっちゃってて動かすとき痛かった。
そしたら先生が『◯◯さん、こんなの取れましたよ~』と、ガーゼに乗せた切りたてのおっきなポリープちゃんと小さな内痔核ちゃんを見せてくれました。
『大きいのが取れましたね!これ、生検に出して念のため調べてもらいますからね』と、液体の入った入れ物に入れてくれていました。
取ったものを見せてくれるんですね。
わたしと繋がったままのポリープちゃんは見たことがあったけど、切り離されてマジマジと見たらクタってなっていました。あれが自分から切り離されたものなんだ…ってなんだか言葉にならない複雑な心境でした。
ポリープちゃんと比べると切り取られた内痔核ちゃんはとても小さくて、凄い差がありました。恐らく3㎜くらいのものと5㎝くらいのもの。
ポリープちゃんがどれだけ大きいかが嫌でも分かっちゃう感じでした。
手術室は部屋が二分割されているようで、区切られた右横の方では、もう一人手術できるようになっている感じだった。
あちらでもそろそろ手術が始まる様子で、看護師さんや先生がテキパキ動いているのがちょっとだけ見えました。
この病院、本当に凄いなぁ。流れ作業といったら聞こえは悪いけど、業務が細分化されててシステムがしっかりしているのを感じるの。
どの先生もどの看護師さんも、そして事務や受付の方など少なくともわたしが関わったスタッフさん全員穏やかでとても優しくて感じ良く対応してくれました。
きっと働く環境がいいんだろうなぁ。そんなことを思っていたら、胸がぎゅっとなってきてなんだか感謝で涙が出そうになっちゃたいました。
手術も無事に終わり『動かなくていいですからね~』と手術台からストレッチャーへ看護師さんが手際よく移動させてくれて、手術室のスタッフから病棟のスタッフへ引き継がれました。
いつも外来で来ている2階のエレベーターからストレッチャーで病室の3階へ移動。こうなってたんだぁと、2階のエレベーター前がカーテンで囲われてた理由に初めて納得しました。
終始、冷静な自分を観察しながら何事もなく無事に手術を終えることができました。
続く
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