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「分かち合い」が関係性を育む

私は毎年、ビジネス・ブレークスルー大学(BBT大学)の授業のお手伝いをしています。(前職の会社が運営するオンライン大学です)

「自己エネルギー創造講義」という科目で、勝屋 久先生(私はカッチャマンと呼んでます)が担当なさっています。

この講義では、共に学ぶ仲間同士、「分かち合い」をすることで自己理解を深めたり、自分軸を見つけるということに挑戦しています。

「分かち合い」とは
正しいとか間違っているという判断ではなく、今ここにいる、ありのままの自分が感じている、心の動きや感情や、気づきを分かち合うこと

肯定も否定もせず、アドバイスや問題解決もせずに、ただ聴き合う。この分かち合いによって、学び合いの中でとても素敵な関係性がうまれています。授業が終わった後も学生さん同士のつながり、かかわりあいがずっと続いているのです。

カッチャマン、そしてこの授業に出会ってから、私も「議論」や「討論」ではなく、雑談とも違う「分かち合い」のパワーを日々感じるようになりました。と同時に、自分の日常をふりかえり、分かち合わないことによって、色々なことが起きてしまっていることにも気づくようになりました。

分かち合いは豊かな関係性を生み出し、やさしく育んでいきます。

今回は、この分かち合いが関係性をどのように育むのかについて、2つの例をもとに書いていきます。

例1:「本音」の分かち合いから「支え合い」がうまれる

ひとつめの例は、我が家の例です。

私はかつてセミナーをご提供する仕事もしていました。1日セミナーで立ちっぱなし、しゃべりっぱなしのときは、心身とっても疲れてしまって。そんな日は夕食を食べたら睡魔が・・

でもこういうときに限って、夫が「週末どこにいこうか?」とあれこれ話しかけてくるんですよね。
「疲れてるんだけどな・・・」と思いながらも、楽しそうに話してる夫をみると水を刺すような気がして申し訳なく、「うん、ふーん」と生返事。

そんな私の態度をみて、「ねえ、全然話きいてないよね!」と夫はよく怒っていました。そりゃそうですよね・・。

私の気持ちは、楽しげに話している夫に「疲れてるから」というと申し訳ない、みたいな気持ちは確かにあったのですが、もう一段深く潜ってみると、「私が疲れていることを察してほしい、わかってほしい」という期待、甘えの気持ちもあったように思います。

でもこれは私の側の勝手な願いで、しかも申し訳なさとわかってほしい甘えの気持ち、両方ともに夫に伝えていません。私の頭の中だけで考えていたことです。

夫からすれば、夕食後はフリータイムですから、週末のお楽しみ予定を話したいわけです。しかも私が自分のことを何も話さないので、私がどのくらい疲れているかなんて、ましてや話もしたくないレベルで疲れているとは夢にも思わないわけですよね。

だから分かりあうことができず、行き違いが生じて、夫は怒ってしまったのです。私も怒る夫をみて、「疲れてるんだからわかってよ!」みたいなイライラした気持ちになり、険悪ムードに。こんなの誰も誰も幸せじゃありません。

こういうことが度々起きていた我が家ですが、「分かち合い」のパワーを知って、いまは自分の状況をあるがまま夫に分かち合うようになりました。仮にそれで夫が気を悪くする可能性があったとしても、自分の本音を伝えるようにしています。

「今日はセミナーで1日喋りっぱなしで疲れてるから、休みたい。週末の話は明日の朝でもいいかな?」とありのまま、真実と本音を分かち合っています。

すると夫は私の状況を理解し、じゃあ週末のことは明日話そうとなるし、疲れた私を気遣ってくれて夕食の片付けしてくれたりします。

かつては、「夫が気を悪くするのではないか」という心配もあって、自分の気持ちを言わずにいたのですが、実際には夫が気を悪くすることはほぼありません。完全に私の思い込みだったことがわかりました。

この思い込みの影響については、また別記事で詳しく書きます

このように、正直な本音の分かち合いによって、余計なストレスや行き違いが起きないことはもちろん、お互いを分かりあうことで、さらに支え合いというあらたなかかわりが生まれるようになりました。

例2:「状況」の分かち合いで「理解と協力」が得られる

ふたつめの例です。
つい先日、あるレストランで体験しました。

友達と、食べログのレビューも高得点で評判のカレー屋さんに行きました。金曜の夜ということもあり、案の定混み合っていました。

キッチンひとり、フロアにいる店員さんも一人のこぢんまりとした可愛いお店です。久しぶりに会った私たちは、楽しくおしゃべりしながら料理を待っていました。

新しくお客さんが入店してきました。すると店員さんがすかさず、

「いま混み合っていて、料理や飲み物の提供に少しお時間かかりますが、それでもよろしいですしょうか」

とお客さんに状況を伝えていたのです。

あまり時間がないお客さんは、「じゃあまた今度にします」にするでしょうし、時間があって待てるというお客さんはそのまま入店すると思います。店員さんは、あるがまま、今の状況を正直に伝え、それによってお客さんが自分で判断できるようにしていたのです。

お店としては、せっかく来店したお客さんが帰ってしまう可能性もあるわけですが、とても顧客視点にたった誠実な対応だなと感じました。

そのお客さんは結局、じゃあまた今度と帰って行かれたのですが、このような誠実な対応は信頼感を育み、きっと時間があるときにまた来店するのではないかと思います。

このお店ではもうひとつ、エピソードがありました。

とあるテーブルから「すいません」と店員さんが呼ばれました。こういう時よくある対応は「少々お待ちくださいー」だと思うんですが、この店員さんは違いました。

「いまちょうどお料理ができあがったので、冷めないうちにお料理を運んできますね。その後すぐ戻ってきますので、もう少々お待ちください」

とお客さんに伝えていました。

みなさん、どのように感じますか。
丁寧なのはもちろんなのですが、ここまであるがまま分かち合ってもらえると、店員さんの状況がよく理解でき、「なるほど、じゃあ待ちますね」となるのではないでしょうか。

「少々お待ちください」とだけ言われて、ただ待たされる気持ちになるよりも、詳しい状況がわかり、料理を運んだら来てくれると分かれば、待たされる感覚もあまりなくなるのではないでしょうか。

自分の状況をあるがまま分かち合ったことによって、相手に誤解なく気持ちが伝わり、理解と協力が得られるということですね。

自分が正直であれば、相手も正直でいられる

今回は、分かち合いがどのように関係性を育てるのかということについて、2つの例をご紹介しました。

「本音」の分かち合いから「支え合い」が生まれる。
「状況」の分かちあいで「理解と協力」が得られる。

それぞれに共通するのは、正直に自分の感じていること、本音、状況を相手に伝えることで、あらたな関係性が育まれているということです。

私の例では夫、お店の例ではお客さん。
大切な相手ほど、関係性を育てたいと願う相手ほど、自分を偽らず、正直でいること。そうすれば相手も自分を偽らず、正直でいられるんです。その偽らない正直なかかわりあい(今回の場合は分かち合い)が、望む関係性を育てていきます。

分かち合いは、日々のちょっとしたことから実践することができます。

たとえば朝起きて、晴れていて、とっても気分がよければそのことを家族に分かち合ってみてください。機嫌の良さそうなあなたの様子をみて、家族も嬉しくなると思います。

仕事が溜まって正直苦しい、辛いという気持ちを分かち合うのもいいですね。それを聞いた同僚は、「実は自分も・・」と誰にも言えなかった苦しい気持ちを打ち明けるきっかけになるかもしれません。

正直に分かち合うことで、理解しあうことができ、あらたなかかわりがうまれて関係性を育むことができます。

大切な人への正直な分かち合い、ぜひ小さなことからでも試してみてくださいね。


ただ、例1の私のように「こんなことを言うと相手が気を悪くするんじゃないか」と心配になって、何も言わずにやり過ごしてしまったり、本音とは違うことを言ったりすることもあると思います。

こういうときは自分の本音に正直にふるまえていないので、自分らしくない状態。自分も苦しかったり違和感があるはずなのです。

もしもこのような方がおられたら、ぜひ個別相談でお話しをきかせてください。どうすればいいのか、一緒に道筋を見つけましょう。
私はプロコーチとしての守秘義務があります、安心して分かち合っていただけます。

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Voicyのミアビータチャンネルで毎週土曜朝8時のパーソナリティを担当しています。
音声では説明しきれない部分など、Voicy配信後に毎回大幅加筆しているのがこのnoteです。Voicyのほうもお時間がある時にぜひ聴いてみてくださいね。


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小川恵子
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