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頼り上手が、人と関係性を育てる

個人で仕事されている方以外にも、会社員で副業されている方や医療費控除など税金対策をしている方は、2月は確定申告の時期ですね。

私は2020年に独立してからずっと、確定申告など税金に関することは信頼する税理士の方にお願いしています。

会社員時代、部門のリーダーとして予算管理はしていましたが、経理面は苦手意識があり、毎年かなりの時間を使っていました。

それもあって、独立したとき、特にこの税金関連の部分は専門家に頼ろう、と迷わず決めました。

個人で仕事をしていくときまず考える大切なことは、いかに自分だからこそできることにより多くの時間をあてていくかということ。

苦手分野に向き合うことも大切なことです。
でも私の場合、税金まわりのことは自分でやるよりも、専門家を頼るほうがいいと判断しました。

現在は、税金まわりのことは税理士を、契約書のことなどは弁護士を、webサイトのことはデザイナーと、それぞれ専門家を頼り、自分の時間を自分にしかできないことに充てることができています。

いまはこのように「人に頼る」ということができるようになった私ですが、以前は頼ることがものすごく苦手で、そのせいでしなくていい苦労をしたり、しんどい思いをたくさんしていました。

そこで今回は私のことを例に、「頼る」ということについて書いていきます。


「頼る」ことを阻害する要因

以前の私が人を頼ることが苦手だった理由は3つあります。

1. 完璧主義

「できない自分」が許せず、自分が全てわかっていたい、全部できるようになりたいという気持ちがとてもあり、そのせいで人に頼れませんでした。

また「率先垂範」という言葉も大好きで、人に頼る前にまずは自分ができるようになってから、のような考えも強固に持っていました。

2. 負けず嫌い

人に頼るということは、自分にはできないと白旗をあげるようなものだ。
だから頼ると負け、と思っていました。

今こうして文字にするだけで、なんとこじらせた息苦しい考え方なんだろうと思うのですが(笑)特に30代後半くらいまでの私は、常に負けたくない、勝ちたいという気持ちがありました。

3. 嫌われたくない気持ち

頼ったら相手に嫌がられるんじゃないか、断られたらどうしようということを恐れていた自分もいました。

この恐れる気持ちは逆の立場になった時にも作用していて、誰かから頼み事をされると、どんなに自分が忙しくてもNoと言えませんでした。結果、仕事がパンクして大変な思いをしていました。これも「断って相手に嫌われたらどうしよう」という恐れからくる行動でした。

根底にあった思いこみ

この「完璧主義」「負けず嫌い」「嫌われたくない気持ち」の根底にあったのは、「できない自分は価値がない。だから常にできる自分でいなければならない」という自分に対する強固な思い込みでした。

この、「私はこうに違いない」という思い込みは、人生の実にさまざまなところで影響を及ぼしています。

この思い込みのことについては、以前のブログで「嫌な自分との付き合い方」というテーマで書きました。私を苦しめていたこの思い込みの正体がわかりますので、ご興味がある方は読んでみてください。

頼らざるを得ない状況になり、ようやくわかったこと

人に頼ることがどうしてもできなかった私が変わったきっかけは、突然、問答無用で人に頼らざるを得ない状況になったことでした。

30代の終わりに体調を崩し、3週間休職しなければならなくなりました。体調を崩した原因はいくつかあったのですが、今思えば、人に頼ることができなくて全部自分でやろうとして、無理が祟ったことも一因でした。

自分では何もできなくなって、仕事のことも家のことも、自分以外の誰かにお願いするしかない状況になりました。

このような状況になってもなお「できない自分は価値がない」という恐怖の気持ちはあったものの、選択肢が他になく、断腸の思いでおそるおそるお願いしました。

「あの仕事、私の後を引き継いでほしい」
「私はいまできないから、かわりにやってほしい」

頼んだら負け。
嫌われてしまうんじゃないか。
できないやつだと思われるんじゃないか。

このようにびくびくしながらお願いしたんですが、Noという人は一人もいませんでした。

当時この事態が受けいれられず、心がひねくれまくっていた私は「そりゃこんな状況なら、誰もNoといえないよね」なんて卑屈な気持ちでいたのですが、そうではなかったのです。

完璧でなくても何も起きなかったし、勝ち負けなんて話には一度もならなかったし、誰にも嫌われることはありませんでした。そのとき関わってくれた全ての人が、私のことを心配し、私のお願いを快く引き受けてくれたのです。

とても驚き、そして嬉しく、心から安心しました。だから体調が回復したあとに、私もまっすぐな心でお礼が伝えられました。

このことをきっかけに、人に頼るということが少しずつできるようになっていきました。周囲の人との関係性の質が変わり、なにより自分も楽になっていきました

頼り上手になるための3つのマインド

私の場合は、このようにやむを得ない状況になったことをきっかけに、人に頼るということがどういうことかを知ることができましたが、本当はこんなことが起きる前に人に頼るということができれば一番いいですよね。

かつての私と同じように、頼るということがどうも苦手なリーダーへ、頼り上手になる3つのマインドをご紹介します。

1. リーダーが頼ることは手抜きではない

頼ることは、適材適所で仕事を進めることである、と捉えると、仕事のスピードも質も高めることができます。

ひとりで仕事を抱えて全部自分でやろうとしても、時間やリソースには限りがあって、思うような仕事はできません。

「このリサーチはあの人に頼もう」「あの対応はこの人に頼もう」とチームメンバーを頼って手分けをすれば、結果的に仕事のクオリティを高めることができます。

そして手分けをすることで、自分の時間を他の優先順位の高い仕事に割り当てることができます

2. 頼ることは、相手の成長機会を生み出すこと

「あの人いま忙しそうだから、仕事を頼むと嫌がられるかも」考えるのは、思いやりの気持ちのようで実は、自分中心な考え方とも言えます。

人は、いまやれることをただ繰り返すよりも、難しいことに挑戦するときに成長します

忙しい中でもその仕事に取り組むことで、相手の学びと成長の機会になるのです。

人を育てるリーダーならば「この人ならできる」と相手の成長を信じて思いきって仕事を任せてみたいところですね。

3. できないと言えるリーダーになる

実はこれよくわからないんだ。自分にはできないんだ。これは君の方が得意だよね、とありのままの自分を認め、相手を認めることです。

頼り上手になることで、よりチームの信頼関係が育っていき、みんなでいい仕事ができるようになります。

なんでもかんでも一人でやる、圧倒的大差で一人勝ちすることから卒業し、
チーム全員でチームの成果を目指すリーダーになる
、ということでもあります。

人は関係性の中に生きている

今回は私の例の流れで、組織のリーダーの文脈でお話ししましたが、いま組織のリーダーではない人にも当てはまります。

読んでくださっているみなさんひとりひとりが、自分の人生のリーダーなんです。

どんな人も一人で生きているわけではなく、関係性の中に生きています。

頼ることで関係性が深まっていけば、相手も頼りやすくなります。

助け合って支え合って、関わり合いながら、互いによりよい人生を生きていきたいものですね。


「人生は冒険の旅」「だれもが大器晩成する人生を生きている」と信じ、自らの意思で可能性を開き、人生をリードし続ける大人にエグゼクティブコーチとして伴走しています。

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小川恵子
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