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敬子
2021年10月23日 07:59
『秋の野に一人立ちて先思う 風の吹くまま あざみのように』雨も上がり、昇っていく太陽に、公園の木々が静かに喜んでいるようだ。落ち葉の中に一つ、ぽつんと立つピンクの花が見えた。強い秋風にも、冷たい雨にも耐えて、咲いている、あざみ。昨夜の露と朝日を浴びて、小さいけどきらきら輝いている。ここ数日、見えない先を考えて、不安と苛立ちでお腹を壊していた私。このあざみのように、今は耐えて
2021年10月21日 08:03
『桃色の皮に秘めたるその想い 尊く強いジャパンブルー』寒暖差のある日が続くと、藍の花が咲き終わり、可愛い桃色の実がなる。成熟すると、黒くて光る小さな種が出来る。この飛んでしまいそうな小さな種から、芽が出て、葉が大きくなり、あの美しい藍色が染まる。日本の芸は、計り知れない努力の元に、シンプルな美しさがある。藍に魅せられたのは40歳を過ぎてからだ。それまではあまり興味がなかった
2021年10月19日 07:50
『色白の君の肌が恋しくて 心も溶け合う根菜シチュー』突然の冬支度だ。昨日まで扇風機を使っていたのに、今日から石油ストーブの登場。畑を見ると、お盆過ぎに蒔いた大根や蕪がおおきくなっている。少し大きめの蕪を一つ、抜いてみた。つるっとした肌が、羨ましくも感じてしまう。食べれば私もそんな肌になれるかな?と思い、寒い夜には根菜シチュー。石油ストーブの上でコトコト煮込む、そ
2021年10月14日 07:55
『ふぞろいのいちじく煮込む 秋の夜 思い出引き出す ひなた味』幼い頃、いちじくが苦手だった。母の友人たちが集まり、いちじくをじゅるじゅると美味しそうに食べていた記憶がある。幼い私には、土の匂いのする、ふにゃふにゃの食感が堪られなくて、大人と一緒に美味しそうには食べられなかった。先日、友人からたくさんのいちじくをもらった。「コンポートなら食べられるよ。美味しいよ〜。」その言葉