ポチと熊を追う
この写真は、藤原さんの聞き取りから生まれたものです。藤原さんは、国見峠付近で、熊の猟をしていました。
「鼻をこう振って。風が吹くと匂いがする。何か風がくるなと、すると、だあだあだあだあと洞をずっと上がっていく、風が具合ようくると上がっていって、風がそれると、匂いが来ないようになる。すると、匂いがないので、あちこち歩いて、匂いのするところ、探しとるわ。飛び上がったりして」
猟は犬が全て、犬がふっと匂いをかいでいる。でも、匂いを運んでいるのは風なので、風がないと匂いがせず、犬も動かない。風が吹いた瞬間の犬の躍動感が伝わってきました。そして、犬が躍動していたのは、伊吹山や国見峠周辺です。犬はポチ。猟は犬が全てだという。生まれたときから変わっていたポチは、お母さんのもと、肉をなぶり、猟をおぼえます。相棒のポチと過ごした藤原さんの時間が感じられて好きな聞き取りです。
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