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訳しにくいわけではないけれど気になる言葉〜decade

対訳がない言葉

"Decade"は「10年」という意味です。"Decades"と”s”がついたら10年が複数ということなので「数十年」です。
"Three decades"なら"decade"(10年)x "three"(3)=30年。

とてもシンプルな話です。訳し方に困ることはありません。

しかし、私は"decade"という言葉を見るたびに思ってしまうのです・・・。

Century (100年)は「世紀」という言葉があるのに、なぜdecade(10年)という言葉には対訳となる日本語がないのか???

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理由は分かりません💦
分からないまま、"decade"という言葉が出てくると、「10年」と訳すしかないんだな、といつも少しモヤモヤした気持ちになってしまいます。

 Decadeの語源

モヤモヤするときには、モヤモヤの原因となることの背景や成り立ちなど、根本原因を知るとスッキリします。これは英語に限らないのですが原因さえ分かれば、たとえ問題解決はしなくても、かなりスッキリします。因みに私、ストレングスファインダーで「原点思考」が強みとして出てました・・・笑。

というわけで、英語も「なぜ?」というときには、とりあえず語源を調べることにしています。"decade"について調べてみると・・・

 "Decade"の語源は10を意味するギリシャ語の”deka”だそうです。
この "deka"に「群」を表す"-as"という接尾語がついて"dekas"となり、それがフランス語を経由して英語の"decade"になったとのこと。"decade"は現在は殆どの場合、「10年」という年数を表す意味で使われていますが、もともとは「10」という数字そのものを表す言葉だったそうです。そして、"Deca-"という言葉で「10」を表す言葉はいろいろあります。

しかし、「デカ」で私が思い出すのは何といっても「デカメロン」です。10人の男女が一人10話ずつ話す合計100個の物語集で、"deca"(10)+"meron"(日)というタイトルは「十日物語」と日本語に訳されたりもしています。

「デカメロン」を習ったのは高校の世界史の授業です。当時、学校の売店で大きなメロンパンが売っていたのですが、その名も「デカメロン」(!!)先生が一生懸命に「パンじゃないのよ!」と説明してくれたけど、「デカメロン」と聞くと、やっぱり大きなメロンパンを想像してしまい、話が全く頭に入ってこない私たち高校生なのでした。

単位としても存在する"deca"

"Deca"は実は単位としても存在しているそうです。
単位にはキロ(1000)、ミリ(1000分の1)、ナノ(10億分の1)など、いろいろありますが、デカは「10」という単位で立派に(?)存在しているそうです。ただ、例えば「2デカ」と言うより「20」と言ってしまった方が早いので実際はあまり使われないということ。

1リットルの10分の1を示す「デシリットル」の「デシ」も"deca"と同じ語源から派生したラテン語の"decem"です。

それから、今回調べて面白かったのがDecember(12月)というのは「十番目の月」という意味だそうです。これは、その昔ローマ人が春分から一年が始まると考えていたため、1年の始まりは3月で12月は3月から数えて「10番目の月」ということでDecember。「10」という意味を持つ"decem"というラテン語に由来しているそうです。

"Decade"の使い方

さて、日本語には対訳が存在しない"decade"ですが、実は結構便利な言葉です。「長い間」と言いたいときに「decades(数十年)」を使うことがありますが、正確に「数十年」というよりは比喩表現のことも多いです。

「I haven’t seen you for decades」というような使い方ですね。これは直訳すると「もう何十年も会ってない!」となりますが、実際に「何十年も会っていない」というよりは「ホントにご無沙汰」という意味で使うことの方が多いです。

日本語でも物凄く久しぶりなことを冗談で「100年ぶり!」とか言って「あんた、何年生きてんの?」と突っ込まれたりすることありますよね(・・・ないかしら?)。

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