見出し画像

「締め切り」に関する英語表現

考えてみたら、ちょっと怖い表現

「締め切り」と言えば、英語だと"deadline"と言いますが、改めて考えてみると"dead"(死)の"line"(線)ということで、ちょっと怖いです・・・。

語源を調べてみると、"deadline"という言葉は1920年ごろにアメリカの新聞業界で使われていた"jargon"(業界用語)だそうです。それ以前では、南北戦争時代の1864年に"do-not-cross"line(絶対に超えてはならない線)という意味で、"deadline"という言葉が戦争捕虜に対して使われていたらしく、原稿の締め切りを「超えたら死んでまう〜!!💦」というくらいのプレッシャーを感じた記者たちの間で「業界用語」として使われ始めたのではないかということです。

いずれにしても、今では英語で「締め切り」と言えば"deadline"は普通に使われます。もともとは「超えたら死んでしまう線」であると考えると、締め切りは絶対に破ってはいけないという気になりますね。(ならない?)

「締め切り」という意味で使われるもう一つの言葉に"due"もあります。"This is due on Monday"(月曜日が締め切りです)のように使われますが、アメリカで大学に通っている頃は宿題の締め切り日について要チェックで耳を澄まして聞いていたのを思い出します。

"due"は「締め切り」や「期限」という意味の他に「〇〇することになっている」というニュアンスで使われる言葉です。例えば、「支払い期限」は"payment due date"などと言いますが、これは事前に合意されている「支払いをすることになっている日」という意味での「期限・締め切り」ですね。

因みに、"due"には「出産予定日」という意味で使われることもあります。「子供が生まれる」という会話の中に、"When is the due date?"(予定日はいつ?)という表現が出てきたりしますが、"due"という単語が「〜することになっている」というニュアンスを含むことから「子供が生まれることになっている日」といういみで"due"という言葉が使われるのでしょう。(注:出産予定日に"deadline"は使いませんので、お気をつけください)

締め切りは嫌だけど

私は子供の頃からギリギリにならないとエンジンが掛からない性分だったので、試験の前も「一夜漬け」ならぬ、朝起きてから必死で勉強し始める「一朝漬け(そんな言葉はない!!)」でした。今でもその癖は抜けきらず、いつも直前でバタバタしています。

その一方で、締め切りがなかったら、いつまでも作業し続けてしまうのだろうと思うこともあり、本の執筆も「まだ足りない」とか「書きたいことが他にもある」など、いろいろな想いを抱えながらも締め切りがあるおかげで「えいや!」と提出して前に進める気もします。そう考えると締め切りは有り難い存在でもありますね。

"deadline"と"due"のニュアンスの違いのおさらいを兼ねて本の出版の例でお話しすると、私にとっての原稿締め切りは"deadline"で、本の出版は"due"という言い方もできそうです。超えても(死にはしないけれど)大変なことになるので厳守しなければならない、原稿の締め切りは"deadline"・・・その日に線が引かれているように、ギリギリであってもその線の前に提出すべきもの。

一方で、出版日は"due date"、つまり「出版」という「起こるべきことが起こる」ために、「〇〇することになっている」というニュアンスの"due"の方がしっくりきます。
出版の日が決まっており、そこに向かって「出版」という「起こるべきことが実現するように」編集者さんや出版に関わる人が「諸々のことをしなくてはならない」というようなニュアンスが感じられるのが"due"という言葉です。(ニュアンスの違い分かるかしら?余計にややこしくなってしまっていたら、ごめんなさい🙏)

Voicyでも同じテーマでお話ししています!




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?