死の準備教育
最近は、上智大の教授であったデーケン先生の本ばかり読んでいます。
素晴らしい本ばかりです。
「死を教える」こちらの本は、昭和61年発行。
がん教育同様、「死の準備教育」(Death Education)が、日本国内や自分が住んでいる地域でもっと普及していくように、私にできることはないだろうかと考えています。
死の準備教育には、グリーフケアも含まれます。
特に少子高齢化、災害、孤独・孤立にまつわる死は、日本社会の課題と考えています。
QOL(クオリティオブライフ)と言われるように、QOD(クオリティオブデス)も、非常に大切なことだと思うのです。
デーケン先生の言葉をご紹介します。
皆さんの心にも、響く何かがありますように。
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まえがき
「死への準備教育」という言葉は、今日の日本人にとって、あまり馴染みのないものと思われます。
死は、日本にかぎらず、どこでも忌み嫌われてきました。だれでも、死を好ましいと思う人はいないでしょう。
だから、できるだけそこから目をそむけるという姿勢を取ってきたのです。
しかし、生きとし生けるものにとって、死は避けられません。
そして死への日常的な思索が私たち人間にとって、無意味なものでは決して無いと思います。
それはまた、老若を問いません。
むしろ、正面から「死を考え」、「死を看取り」そして「死を教える」ことが、私たちの「生」をより豊かに、味わいのあるものにすることを私たちは経験できるのです。
日本では、死への準備教育は、これからの課題です。
とくに、どのような形でそれを行うのか、また、教育の場で、カリキュラムや教育をどのように整備するのか、死にゆく人間に対して、どのような看取りが好ましいのか――それらのあり方を具体的に問うのが今日的なテーマであると考え、この叢書を企画しました。
昭和61年1月
「死を教える」メヂカルフレンド社編集部
著 アルフォンス・デーケン
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