台湾の若きビブラフォニストCHIEN CHIEN LU(魯千千)の“The Path”
中国系のジャズミュージシャンは少なくないが、台湾出身のジェズミュージシャンのアルバムを聴くのは初めてだ。ビブラフォニストCHIEN CHIEN LU(魯千千)の“The Path”だ。
彼女は10歳の時からビブラフォンを含むパーカッションを始め、2008年に台北の朱宗慶打撃楽団に参加した。2015年に台北国立芸術大学を卒業した彼女は、ジャズを学ぶためにアメリカに渡り、フィラデルフィア芸術大学ジャズ科でヴィブラフォンを専攻した後、トランペッター、ジェレミー・ペルトのクインテットに参加した。
コンテンポラリーなメインストリームジャズといえる彼女の初リーダーアルバムのいちばんの聴きどころは、やはりそのジェレミー・ペルトが参加している“Invitation”だろう。アップテンポなこの曲でのペルトとルーの掛け合いは聴き応えがある。(ちなみに、このアルバムでは、ドラムとパーカッションもジェレミー・ペレト・クインテットのメンバーが担当している。)
また、“Blossom in a Stormy Night”は、日本の植民地時代にヒットし、日本でも知られている台湾の代表的な歌謡曲「雨夜花」をアレンジした曲で、東洋的な旋律に懐かしさを覚える。
“Blind Faith”と“The Imaginary Enemy” “The Path”等ではマリンバも叩いており、ビブラフォンとの使い分けの妙が光っている。
CHIEN CHIEN LU(魯千千)、今後も注目していきたいミュージシャンだ。