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【ジャニーズ性加害問題】


[性被害者にどんな症状が現れるか]



『魂の殺人』と言われるほど性的虐待、性的被害の被害者の状態は苛烈だ。
それを理解してもらうため、
とある女性の性被害後の状態を紹介したい。

彼女のあった被害は1回だけ。成人に近い子供がおり、人格形成が終わり、成熟した年齢の人物だがこのような状態になってしまった。

ジャニーズJrたちは人格形成の途中であり性的知識もなく
何回も繰り返し被害にあった、精神的にさらに酷い状態である可能性は否定出来ない。

○フラッシュバック(被害のシーンが蘇る)が起こり生活に支障をきたす。

○ストレスで歯を噛み締めるので、奥歯がくだけた。

○外から男性の声がすると怖いので、全ての窓にダンボールを打ち付けている。

○光や音に過敏になってしまったので真っ暗な中で生活。

○男性を受け付けなくなってしまったので、夫と家の中で出会うと叫んでしまう。

被害前の彼女は活発に趣味を楽しんでいたが、全くの別人のように変わってしまった。

これ程大きなダメージを被害者が受けるのだと言う事を前提に、ジャニーズ性加害問題を理解して頂きたい。

【ここまで35年かかった】


7月24日、7月28日に2日間にわたって国連ビジネス人権作業部会がジャニーズの性被害者の聞き取り調査を行った。

2016年から虐待サバイバーと名乗って活動してきた身としては、日本は外圧がないと体質を変えることが出来ないのかと思うと忸怩たる思いを感じるが。

しかし、
これにより日本人の人権意識や社会システムが変化することを期待したい。

国連ビジネスと人権作業部会の会見の中でジャニーズ性加害問題当事者の会のメンバーはこう述べている。

二本木氏[被害者は恐らく4桁になる、人類史上最悪の性的虐待事件だ]

石丸氏「この問題はもう既に国際問題で、日本人の資質が問われている、日本人は野蛮な国民で性虐待を放置している、この問題をキチンと対応するか否かを世界は見ている」と述べており。

石丸氏は重度の鬱病と診断され精神障害者手帳も取得しており、いまも精神病院に通って服薬を続ける。

国連ビジネスと人権作業部会が、ジャニーズ性加害を事実として認定した時。
35年かかったと平本氏は泣き崩れた。

嘘つきと言われ、金目当てと言われ
それでも性被害を訴え続けた。
それがやっと報われた瞬間だった。

[社会による二次加害]


女性の性被害者たちも病院や警察や司法の場で酷い二次加害にあうが。
ジャニーズ性被害達も二次的な加害にあっている。

『売名行為』
『金目当てなのでは?』
『売れなかった当てつけ』


性被害のトラウマだけでも酷いのに、当時は男性の性被害を罰する法律すらなく声を上げるのは非常に困難だった。

多くのバッシングと誹謗中傷、1988年にフォーリーブスの北公次が性被害を告発したが、
大手メディアは芸能ネタとして人権の問題とは捕えず報道すらしなった。

北氏の動画からはJr達に自分と同じ目にあって欲しくない、その気持ちが伝わってくる。

大手のマスコミがこの問題に沈黙を続けたのも二次加害と言える。

日本の性的虐待や性的加害の問題は非常に根が深い、どれだけその結果が深刻かを社会で共有出来ていれば、もっとマスコミは騒いだだろう。

前記の被害者の症状をみてどれだけ深刻な影響が被害者にあるかを理解いただけたと思う。

まさに『魂の殺人』だ。

[サバイバーが自殺するのは、安楽死を求める人たちと同じ動機]

あるサバイバーは私にこう言った、『生きていたい、死にたいわけじゃないでも。生きていられないぐらいに心の痛みが苦しい』と
彼らが自死を選ぶのは、末期ガンの患者が痛みから逃れるために安楽死を求めるのに近い。

被害者たちはフラッシュバックにより過去の出来事を追体験する、被害の状況が自分の脳裏に蘇り当時と変わらない苦しみが続く。
過去の出来事を過去にできないのだ。

フラッシュバックが起こるのは、心のこの場所に傷があるから対処してね、という無意識層からのメッセージなのだが。

その対処を十分にできる場。
日本社会の中にそれを語り、心の膿を出す場所がほとんどない。

俳優の服部吉次氏もその1人、長きに渡って誰にも話すことは出来なかったと言う。

決して性被害を語ってはいけない呪いが日本にはあった、多くの人々が性被害を語ることが出来なかった、今回の事件によってそれが変わるだろう。

被害者たちの言葉が、その流れが社会を変え、あらゆる暴力を許さない社会システムが少しずつ進み被害を語れる人々が増えるだろう。

鍾乳洞の中の石筍がゆっくりと育つように、1人1人と私もその流れの一滴だ。

【再演】とは?-加害者と被害者が雪だるま式に増える仕組み


アメリカの研究者エイブルによると、1人の性犯罪者はなんと
平均で380人もの被害者を出すと言われている。

齋藤章佳 著『小児性愛-それは愛ではない』より

性被害にあった人は【再演】と言う反応を起こす。
【再演】とは自分が受けた被害をほかの人間に繰り返す事を言う。

関西の施設で実際にあった事だが。
10代前半の苛烈な性虐待を受けた少年は、自分の入った施設の子供たちに、自分が受けたのと同じ加害を繰り返していた。
被害者の何%でも【再演】が起こったらねずみ算式に加害者と被害者が増える仕組みなのだ。

たった1億人しかいない日本で世界中の1/4、約25%の精神病院があるのは性被害を黙って見逃し続け。

【再演】を放置してきた日本社会によって引き起こされた結果だとは言えないだろうか?

[かつての被害者が加害者に]


ジャニー喜多川の姉、メリー喜多川は
『ジャニーは病気だから』と言って彼の行為を隠蔽し続けた。

ジャニー喜多川もかつての被害者であり【再演】を起こし数千人に及ぶ被害者を出し続けていたのだ。

TOKIOの山口達也氏が性的加害を、未成年の女性タレントに行っていたのは記憶に新しい。
山口達也はアルコール依存症であり、また性加害をおこなった。
かつての被害者が加害者になる。
山口達也もまた【再演】をしたとは言えないだろうか?

この【再演】に対処することは大人の責任であり、社会全体の責任とはいえないだろうか?

日本は自殺率が高いが、それは、トラウマケアを怠って来たからとは言えないだろうか?

この流れ、加害者と被害者が増え続ける仕組みを止めなければならない
それが我々日本社会の責任であり未来の子供たちへの責務だ。

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