「ひじ、外に曲がらず」
「ひじ、外に曲がらず」
「手は自由に動くようだけれども、
肘から外には決して曲げることはできない。
自由とは何でも好き勝手なことをすることではない。」
鈴木大拙氏のお言葉です。
本当はもっと深い意味があると思うのですが、
私は直観的に、自分の剣道のことを思い浮かべました。
それは、竹刀を振り上げる時の動作です。
一般的に竹刀の持ち方は、横から握るのではなくて、上から握ります。
そして、打突の瞬間にぞうきんを絞るように内側にぎゅっします。
そのように竹刀を持つと、肘はやや内側に向きます。
そうすると上方向には肘が曲げにくい状態になるので、
それを補うために肩で竹刀を振り上げようとします。
極端にいうと、
肘を伸ばしたまま、肩の力で打つことになります。
(だから肩を痛める。)
肘は外には曲がらないのだから、
肘は内側を上向きにして、振りかぶる方向には自由にします。
手首だけ返して上から握ります。
これで、自由を得た肘は、肩の力と連動して、
しなやかな打ちを作り出すことが出来るのです。
これであなたも高段者です。
つまり、
肘が外に曲がらないのと同じように、
理にかなっていないことは出来ません。
理にかなっていないことをやろうとすれば、
どこかに無理が出るのです。
(だから早く気づけ、と私の肩は訴えていたのです。
今頃になってやっと気づきました。)
「剣道は剣の理法の修練による人間形成の道である。」
なるほど。