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ソリティアルートができるまで【遊戯王Advent Calendar16日目B】
1.はじめに
簡単な自己紹介
どうも、私は慧紀(@Keiki_Pacifis)という者です。
好きなカードは《サイバー・レーザー・ドラゴン》。
あの美麗なイラストと絶妙な出しにくさがたまりません。
もちろんちゃんと専用デッキも組んでいます。
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私がどういう人間かというと、普段イゾルデやイグナイトを使ったソリティアを考案してはTwitterの海に放流する日々を送っている人です。いわゆるソリティア民というやつですね。
例えば100%先攻ワンキルできるデッキを組んだり、
特殊勝利カードで先攻ワンキルしたりしています。
以上、ダイマ終わり。
神企画・アドカレについて
さて、今回は刺身様主催、通算4年目となる年末恒例企画『遊戯王Advent Calendar』の企画記事になります。
1年目から毎年読む側として楽しみにしていたこの企画ですが、今年は書く側としても参加させて頂けることになりました!
企画の詳細についてはこちらの記事をご参照ください。
要は12/25まで日替わりで記事をリレーしていく企画ですね。センスあるライターたちのおもしろ記事を毎日2本も読める神企画です。
今年は記事の内容ごとに2つのサイドに分かれており、Aサイドが読んで楽しい!をモットーとした記事、Bサイドが議論系の記事、もしくは内容がセンシティブになりそうな記事となっています。
そして私はBサイド担当です。本当はAサイドで出そうと思っていたのですが、アドカレの募集が始まったことに気付いた時には既にAサイドの枠が埋まっていました…。
昨日のBサイド担当はクロロフィルさんでした。
マスターデュエルのアクセサリーに関する記事でしたね。
自分はデュエルフィールドは鮮彩な蒼海、メイトはサイバードラゴン・インフィニティを購入して使っていたのですが、アイコンは気に入ったものがなく初期アイコンのままでした。
数か月前から開かなくなってしまって久しいですが、幻煌龍か《サイバー・レーザー・ドラゴン》のアイコンが来たらモチベが上がりそうだなぁ…。
……《レーザー》は流石に来ないだろうなぁ…。
本記事の方向性について
他のBサイドの記事を一通り読ませて頂いたところ、どの記事も尖った(※もちろん褒め言葉です)面白い記事でした。
そのため、初めは自分も無限ループの濫用について語る語気の強いセンシティブお気持ちnoteを書こうとしていたんですが、残念なことに文章がうまくまとまりませんでした。
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ということで(?)、今回の記事は『ソリティアの展開ルートができるまで』です。
![](https://assets.st-note.com/img/1671254984945-PXp7I0UWbq.jpg?width=1200)
Twitterで時々流れてくるようなソリティアの展開ルートがどうやって作られるのかについて、1ソリティア民である自分のやり方を実例を交えて紹介します。
Bサイドらしさが薄いかもしれませんが、広義の構築論ということで許してください…。
2.ソリティア作成の4つのステップ
4つのステップ
では早速本編に入りましょう。
自分はソリティアの作成には大きく分けて以下の4つのステップがあると思っています。
ステップ1:目標設定
「やりたいこと」を決める
ステップ2:カード探索
目標を達成するために使えそうなカードを調べる
ステップ3:仮ルート作成
ギミックを組み合わせ、適当な初動からルートを作る
ステップ4:最適化
無駄なギミックを省き、ルートを仕上げる
それでは各ステップごとに順番に解説していきます。
ステップ1:目標設定
ソリティアを作るうえで最初に必要なのは目標、すなわち「やりたいこと」です。
![](https://assets.st-note.com/img/1671189511110-rV0xF8y0du.png)
ソリティアを作り始めるわけですから、そこには作ろうと思ったきっかけ、何かしらの「やりたいこと」がありますよね。何の気なしに考え始めることもたまにありますが…。
この目標は、例えば「先攻ワンキルしたい」「出しにくいけどロマンがある○○を出しつつ横に妨害を構えたい」など最終盤面に重点を置くものもあれば、「このカード・このギミックをうまく使いたい」など過程に重点を置くものもあります。
目標は具体的に決めておくと展開ルートは考えやすくなります。先攻ワンキルしたいならその手段は何か、妨害を立てるならシンクロなのかリンクなのかそれ以外か、などですね。
展開ルートを考えているうちに目標が変化することもよくあります。
ステップ2:カード検索
・方針を明確に
目標が決まったら、次に必要なのは展開に使用するカード選びです。
ステップ1では目標を立てましたが、これだけではソリティアの方向性が定まりません。
その目標達成に必要なカードやギミックを調べ、ソリティアの方針を明確にするとよいでしょう。
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例えば《エクゾディア》で特殊勝利したいのであれば各種エクゾディアパーツをサーチする必要がありますし、《ダーク・ダイブ・ボンバー》で先攻ワンキルしたいのであれば星40以上のモンスターを用意する必要があります。もちろん、これらのカードにアクセスするためのカードもまた必要です。
このステップでは、展開ルートをどのように組むかを考えながら、使いやすいカードを取捨選択することが重要になります。
・カードの調べ方
では、必要なカードはどのように調べればよいのでしょうか。
2022年12月16日現在、国内で発売済みの遊戯王カードの総種類は12,000種を超えており、その全てを把握するのは非常に困難です。
![](https://assets.st-note.com/img/1671189886103-xK6XSsXITM.png)
よく使うカードに関しては何度も使っているうちに覚えてしまうものですが、基本的には目的に合うカードを公式ツールである遊戯王OCGカードデータベースや遊戯王ニューロンを用いて検索するのが一般的だと思います。
カードデータベースとニューロンは基本的にどちらを使っても良いのですが、PCで利用できるか、攻守の合計値で検索できるか、など細かい違いが存在するため、必要に応じて使い分けることが重要です。
自分はブラウザのページ内検索に対応しているカードデータベースをメインで使い、必要に応じてニューロンを使っています。
なお、カードデータベースでもニューロンでも使えない特殊な検索(《スモール・ワールド》のサーチ元を調べたい、など)については、個人や団体が公開しているオリジナルの検索ツールなどを用いるとよいでしょう。
・先行研究の利用
とはいえ、0からカードの効果を調べルートを作るのはやはり大変なもの。どんなカードが触りやすくどんなカードが触りにくいかなど、初見では判断しにくいことも多くあると思います。
何から手を付けていいかわからない時には、ひとまずTwitterやYouTubeの展開動画、遊戯王Wikiの記述など、先行研究を利用するのも一つの手です。
![](https://assets.st-note.com/img/1671180058110-IOiHWJSyn9.png)
先人のアイデアを知ることで方針が立てやすくなるのはもちろんのこと、既に存在するソリティアと同じもの(あるいはその劣化版)を作ってしまう、いわゆる「車輪の再発明」を防ぐこともでき、無駄がありません。
執筆者が不明である遊戯王Wikiの場合は特に必要ないと思いますが、TwitterやYouTubeの展開動画などから着想を得た場合は先駆者様へのリスペクトを込めてその旨を記載しておくとよいでしょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1671180099163-uAfvG4sprL.png)
ソリティアに著作権もクソもないとは思っていますが、無言でパクられたらちょっと悲しいですからね…。
ステップ3:仮ルート作成
カードを調べて展開の方針がおおまかに固まったら、次は実際に適当な展開ルート(=仮ルート)を作っていきます。
・初動について
さて、展開ルートを考える上で切っても切り離せないのが初動、すなわちどのカードから展開を始めるかです。
ソリティアでよく使われる初動はイゾルデ初動、スクラップ初動、デスガイド初動など色々ありますが、それぞれ展開力や初動の安定性、構築の自由度などが異なります。詳しく触れると長くなるためここでは触れませんが、興味のある方は軽く調べてみることをおすすめします。
![](https://assets.st-note.com/img/1671183222240-pm6pQTAQE5.png?width=1200)
ちなみに、私のおすすめはイグナイトと各種サーチカードにより初動を最大100%にできるうえ、展開力も非常に高いイゾルデ初動です。
イグナイト2枚初動やティアスケ初動など上位展開も多く、拡張性も申し分ありません。
ちょうど先日《竜剣士イグニスP》が登場したことで爆発的な強化を受けており、新たな展開ルートを探し求めて今なお研究が進められています。
界隈の全員を知っているわけではなく、また他のソリティア界隈には明るくないので比較はできませんが、イゾルデ・イグナイト界隈には才ある先駆者ニキが多く、ここ2年くらいは新しい展開ルートがほぼ毎月作られているため展開の勉強もしやすいです。
![](https://assets.st-note.com/img/1671181204365-DoFZ1bzBjH.png?width=1200)
閑話休題。
適当な初動を決めたら、後はステップ2で調べたカードを用いて仮ルートを作っていきます。
行き詰まったら適宜ステップ2に戻り、必要なカードを調べながら展開ルートを完成させていくとよいでしょう。
ステップ4:最適化
仮ルートが完成したら最後に必要になるのが最適化です。
ここでは、ステップ3で作成した粗削りなルートから不要なギミックを省き、無駄のない綺麗なルートにしていきます。
なお、最適化の方向性は構築思想によって異なります。
メインデッキの不純物を減らしたいのか、EXデッキのスロットを確保したいのか、はたまた素引きケアしやすい展開にしたいのか、などですね。
・最適化はどこで切り上げるべきか?
最適化には基本的に終わりがありません。
一度完成したと思った展開ルートを後日見返すと無駄が残っていたということは珍しくありませんし、何日考えても自分ではできなかった最適化を他の人に指摘されるといったこともしばしば起こります。
![](https://assets.st-note.com/img/1671251458810-rr3QVH9TgU.png)
最適化をどこで切り上げるかは非常に難しいですが、コツは「もう少し詰められそうだな」という直感を大事にすることとあせらず数日かけてじっくり考え続けることです。
もう少し詰められそうだと思ったソリティアには大抵穴があります。
一度展開ルートが完成すると満足してそのまま公開してしまいたくなりますが、直感を信じて冷静にルートを確認してみましょう。
![](https://assets.st-note.com/img/1671251543330-QbDvUYpBQo.png)
また、ルート完成直後はそのルートの穴に気づきにくいものです。
あせらず数日かけてルートを精査していくことで、初めは気づかなかった展開プランを発見できることもあります。
3.実例(エクゾディア)
それでは、ここからは実際に自分が作った展開ルートを例に、ルート完成までの経緯を具体的に解説していきます。
キャリアー禁止の影響
今回紹介するのは《ユニオン・キャリアー》禁止後のイゾルデ完全1枚初動エクゾディアワンキルです。
![](https://assets.st-note.com/img/1671182135412-3mrRVdcVPu.png?width=1200)
《キャリアー》禁止前には
・《キャリアー》から《クリッター》経由で《エクゾディア》をサーチ
・残りのエクゾディアパーツを《トレジャー・パンダ》などを用いて墓地へ送る
・《ファイアウォール・ドラゴン》(以後《FWD》)でエクゾディアパーツ2枚をサルベージ
・《プログレオ》で《FWD》を蘇生
・相手ターンに《FWD》で残りのエクゾディアパーツをサルベージ
といった形でエクゾディアを揃えるルートがデッキスロット的に最適解だったと思います。
※自分が知らないだけでより優れたルートがあった/ある可能性も否定できません。
しかし、《キャリアー》は2022年10月改訂で禁止カードに指定され、《封印されしエクゾディア》のサーチの要求値が高くなってしまいました。
今回作成したルートは、そんな《キャリアー》禁止後の新たな展開ルートです。
それでは、ステップ1から順に見て行きましょう。
ステップ1:目標設定
このソリティアを考え始めたきっかけは、《祝福の教会-リチューアル・チャーチ》の②効果で《宣告者の神巫》を蘇生すると、《神巫》の効果で落とせる《虹光の宣告者》の墓地効果と《チャーチ》の①効果で儀式モンスターと儀式魔法が揃うことでした。
![](https://assets.st-note.com/img/1671182341054-pmlh4x7cKh.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1671182192196-3BMhC43GR7.png?width=1200)
《神巫》は星2であるため《スプライト・スプリンド》で墓地へ送ることができ、《チャーチ》は《竜剣士マジェスティP》でサーチできます。
さて、儀式モンスターと儀式魔法が手札に揃うということで、真っ先に思いついたのがエクゾディアでした。
![](https://assets.st-note.com/img/1671182352840-GFspyVPwoS.png?width=1200)
《高等儀式術》を用いることで儀式素材としてエクゾディアパーツ4種を墓地へ送れるため、《トレジャー・パンダ》へのアクセスを考えることなく《エクゾディア》のサーチに専念できます。
こうして、私はエクゾディアワンキルを目標に設定しました。
ステップ2:カード検索
・儀式モンスターの選択
まずは《高等儀式術》で特殊召喚する儀式モンスターから調べ始めました。
星1の封印されしモンスター4種を墓地に送るため、少なくとも星4以上である必要があります。
また、封印されしモンスターを1体以上素引きしてもデッキのイグナイト通常Pモンスター(星3~6)を素材に展開が行えるよう、可能であれば星7~10が望ましいところでした。
以上を踏まえカードデータベースで星7~10の儀式モンスターを検索したところ、最も噛み合っていたのが《輝神鳥ヴェーヌ》でした。
![](https://assets.st-note.com/img/1671182424403-ZFSdW0dujL.png?width=1200)
《ヴェーヌ》はモンスターのリリースに反応して墓地のモンスターをサルベージする効果を持ち、《イゾルデ》で墓地へ送った《剣の煌き》などをトリガーに起動できます。
墓地のエクゾディアパーツをサルベージすることで《ファイアウォール》の負担を軽減できるのも優秀ですね。
・《エクゾディア》墓地送りプラン
次に調べたのが《エクゾディア》へのアクセス手段です。
最初に考えたのは何かしらの手段で墓地へ送り《ヴェーヌ》でサルベージすることでした。
ここで選択肢としてパッと思いついたのは以下の3体。
![](https://assets.st-note.com/img/1671183485594-63zZsNveH8.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1671183486631-ipVnQDaYzg.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1671183487572-UBBDbSkUgn.png?width=1200)
どれも出せなくはないものの素材の調達にひと手間かかるため、最終的に必要になる2相互《FWD》+1の成立にそぐわないと考え没になりました。
・《星刻の魔術師》の発見
ということで他の手段を探すことになります。検索するのが面倒だったためソリティア仲間の友人に何かないかと相談したところ、冗談っぽく提案されたのが《星刻の魔術師》です。
![](https://assets.st-note.com/img/1671178519797-cwn3wwXKyx.png?width=1200)
《星刻》は闇属性の魔法使いをなんでもサーチできる優秀なカードですが、星4魔術師P×2と素材が重く、数か月前までなら使うべくもなかったカードでした。
しかし時は令和。もとい11期終盤。
![](https://assets.st-note.com/img/1671183625251-jnR1W13nss.png?width=1200)
ソリティア適性の高いイグナイトにもオリカみたいな新規カード《竜剣士イグニスP》が配られました。ハリ禁止発表により結構な数のソリティアが死んでお通夜ムードになったイグナイト界隈。
「それでもまだまだ生きてるソリティアもあるし頑張っていこう!」みたいに頑張って気持ちを切り替えた次の日に、この最強カード《イグニスP》が公開。
感情がぐちゃぐちゃになったのはいい思い出です。
《イグニスP》の登場により、イゾルデはイグナイト2枚をPゾーンに用意しつつ任意のPモンスターを《軌跡の魔術師》でサーチする展開ルート、通称「ロックス展開」を手に入れました。
note用
— サイレド (@WABihamut) December 17, 2022
イゾルデ1枚初動・ロックス展開
イゾルデ1枚から
・斜め下2方向のリンクマーカーを持つ《軌跡の魔術師》
・Pスケール2のイグナイト
・Pスケール7のイグナイト、もしくは《竜剣士イグニスP》
・《軌跡》でサーチしたPモンスター
を揃える初動です pic.twitter.com/bV4MXwJRl1
これを使って《調弦の魔術師》をサーチしてP召喚すると星4魔術師Pが2体揃うため、無理なく《星刻》を立てることができます。
![](https://assets.st-note.com/img/1671178576023-OKbig6UFJx.png?width=1200)
・もう全部《星刻》一人でいいんじゃないかな
こうして《星刻》が強そうだとなったわけですが、ここであることに気づきます。
![](https://assets.st-note.com/img/1671182447036-1VZVCsFWPJ.png?width=1200)
イグナイトのP効果で《星刻》の②効果を使用すれば
追加で魔法使いなんでも落とせるな?
《エクゾディア》をサーチできる!と思っていたら、なんか魔法使い専用おろ埋まで内蔵されてました。強すぎない???
魔法使い族が落とせるとなると、真っ先に思いつくのはやはり《神聖魔皇后セレーネ》。
![](https://assets.st-note.com/img/1671182504860-MUzNDuHGk2.png?width=1200)
場と墓地に魔法カードを3枚用意する必要こそありますが、緩い素材から手札か墓地の魔法使い族を特殊召喚できるモンスターです。なぜか名称ターン1がついていません。
そう、《星刻》(魔法使い族なのでセレーネの召喚条件を満たす)と組み合わせると、メインデッキに存在するほぼ全ての魔法使いを1体特殊召喚できることになるわけですね。
《星刻》パイセンマジでパネェっす。
というわけで特殊召喚して強そうな魔法使い族モンスターを調べることになりました。
「《Emトリック・クラウン》でリンク値確保するか?」などと考えながらカードデータベースを見ていたのですが、ここでとあるカードの存在を思い出します。
![](https://assets.st-note.com/img/1671182524325-jQo5ei0sdo.png?width=1200)
そう、《青竜の召喚士》です。
・《高等儀式術》のリストラ
《青竜》はフィールドから墓地へ送られるとドラゴン・戦士・魔法使いのうちいずれかの通常モンスターをサーチできるカードであり、なぜかターン1がついていません。
言うまでもないことですが、「封印されし」モンスター4種は全て魔法使い族の通常モンスターなので当然サーチできます。
そして、先述の通り《セレーネ》の効果には名称ターン1がありません
![](https://assets.st-note.com/img/1671185200831-ld2BHF2naV.png?width=1200)
《高等儀式術》のリストラが決定した瞬間です。
この時点で今回のソリティアの出発点となった《チャーチ》ギミックを使わないことが決定しましたが、流石にここまで来ると《エクゾディア》を揃えたくなったので、目標をエクゾディアワンキルのリペアに変更して続行しました。
・《青竜》の効果を4回起動するには?
さて、封印されしモンスターは4種類存在するため、全て揃えるには《青竜》の効果を4回起動する必要があります。
しかし、遊戯王のルール上《セレーネ》は3枚しか採用できず、《青竜》は3回しか蘇生できません。そのため、何らかの方法でもう1回《青竜》を盤面に出力する必要があるわけです。
先にお話ししておくと、この「4回目の《青竜》の出力方法」が本ソリティアにおける最適化対象です。
・《アカシック・マジシャン》によるバウンス
《セレーネ》の再利用方法として、私が最初に思い付いた方法はセルフバウンスです。
効果使用済みの《セレーネ》をバウンスまたはデッキバウンスによりEXデッキに戻してしまえば、再度リンク召喚して4回目の蘇生を行うことができます。
セルフバウンスのカードとして真っ先に思いついたのは《アカシック・マジシャン》でした。
![](https://assets.st-note.com/img/1671184274736-7EkFlAqqvx.png?width=1200)
リンク召喚成功時にリンク先のモンスターをバウンスできるこのカードはリンク2の魔法使いであるため、《セレーネ》再召喚のためのリンク素材としても適しており、非常に噛み合っているように見えます。
ステップ3:仮ルート作成
以上を踏まえ、
・《イゾルデ》からロックス展開で《調弦》をサーチしP召喚
・《星刻》で《エクゾディア》サーチ&《青竜》墓地送り
・《セレーネ》3体で《青竜》を3回蘇生
・《アカシック》で《セレーネ》をバウンスして再度リンク召喚し、4回目の《セレーネ》で《青竜》を蘇生
という形で方針を立て、仮ルートを作成しました。
note用
— サイレド (@WABihamut) December 16, 2022
イゾルデ初動エクゾディア・仮ルート pic.twitter.com/VbO9iBk1LW
ステップ4:最適化
さて、ここからがソリティアの本番、最適化です。
仮ルートにおいては《アカシック》を用いて《セレーネ》をバウンスしていますが、その影響で盤面のモンスターが減っています。
そのため、《セレーネ》の蘇生に必要なリンク値を確保するために「御巫」と「コードブレイカー」のギミックを使用していました。
しかし、「コードブレイカー」ギミックはメイン1枠EX2枠という決して小さくないデッキスロットを消費してしまいます。
これは《アカシック》のバウンスによるアド損が原因です。
そのため、アド損のないバウンス手段を用意できれば「コードブレイカー」ギミックは不採用にできると考えられます。
以上の考察から、まずはこの「コードブレイカー」ギミックが削れそうだと見て最適化に着手しました。
・《御巫の水舞踏》によるバウンス
《アカシック》に代わるバウンス手段として、最初に目を付けたのが《御巫の水舞踏》です。
![](https://assets.st-note.com/img/1671178917173-0CWA6dIFkX.png?width=1200)
《水舞踏》は「御巫」モンスターをリクルートした後に装備モンスターを手札に戻す効果を持つため、盤面のモンスターを減らすことなくモンスターをセルフバウンスできます。
なんなら《剣の御巫ハレ》の効果で《御巫の火叢舞》をサーチすることでモンスターを1体追加できるため展開力としても申し分ありません。
![](https://assets.st-note.com/img/1671178925117-Kb3uhtgC2Z.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1671182828922-5UFD5dUzL3.png?width=1200)
ではどうやって《水舞踏》にアクセスするのでしょうか。
《水舞踏》は装備魔法であるため、普段なら《イゾルデ》で墓地に送っておいて《焔聖騎士-リナルド》でサルベージするのが定石なのですが、ロックス展開はそのルート上で《デュランダル》しか落とすことができず、《水舞踏》を落としておく余裕がありません。
《紅恋の麗傑-ブラダマンテ》
チューナー・効果モンスター
星1/炎属性/戦士族/攻 500/守 200
このカード名はルール上「焔聖騎士」カードとしても扱う。
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードを手札から捨て、自分フィールドの戦士族モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターが装備可能な装備魔法カード1枚をデッキから選び、そのモンスターに装備する。
(2):装備カードを装備していないこのカードが相手モンスターとの戦闘で破壊され墓地へ送られた時に発動できる。
このカードを特殊召喚し、その相手フィールドのモンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備する。
先程の仮ルートにおいてはイグナイトのP効果で《紅恋の麗傑-ブラダマンテ》をサーチしてそちらの効果でデッキから装備しています。
しかし、《ブラダマンテ》効果による装備対象は戦士族限定となっており、魔法使い族である《セレーネ》には装備させられません。
ここで活躍するのが《リプロドクス》です。
![](https://assets.st-note.com/img/1671178971044-shxSbJKYJs.png?width=1200)
リンク先のモンスターの種族または属性を変更できるこのカードを使うことにより、《セレーネ》を戦士族にして《ブラダマンテ》効果の対象とすることができます。
こうして作られたのが下のルートです。
note用
— サイレド (@WABihamut) December 16, 2022
イゾルデ初動エクゾディア・水舞踏
《星刻》②効果まで省略 pic.twitter.com/MVwiwPcsRI
コードブレイカーギミックは抜けたものの、《セレーネ》のために魔法カード3枚が必要であるため着地前に《火叢舞》を発動する必要があります。そのため無駄にリンクを経由する必要があり、かなり見映えが悪くなってしまいました。
※ここはつい先日公開された新カード《御巫舞踊-迷わし鳥》によりある程度改善される部分ではあります。先にハレに装備しておけば後から墓地効果で蘇生できるのは偉い。
・《憑依覚醒-デーモン・リーパー》による蘇生
さて、こうして《水舞踏》プランも怪しいということになりましたが、《リプロドクス》により新たな道が拓けます。《憑依覚醒-デーモン・リーパー》です。
![](https://assets.st-note.com/img/1671183011959-rsaxtbXlWD.png?width=1200)
自分の場の魔法使いと下級地属性を墓地に送ることでデッキから特殊召喚できる珍しいカードであり、こうして特殊召喚すると墓地から下級を蘇生できます。
このカードの存在自体は頭にはあったものの、展開に下級地属性が絡まないために除外していました。
しかし、《リプロドクス》で星4である《青竜》を地属性に変更すれば、おあつらえ向きに魔法使い族である《星刻》とともに墓地へ送ることで《リーパー》を特殊召喚できます。
すると《リーパー》の蘇生効果と《青竜》のサーチ効果が同時に起動。《セレーネ》を利用することなく4回目の《青竜》の着地に成功するわけです。最強。
note用
— サイレド (@WABihamut) December 17, 2022
イゾルデ初動エクゾディア・リーパー
《星刻》②効果まで省略 pic.twitter.com/uOQm3yxTWE
・最適化の終了
さて、こうしてEXデッキが最小限になり満足しかけたのですが、何かを見落としている気がしたため数時間時間をおいて改めてルートを見返してみました。
…ブラダマンテいらなくね?
上のルートでは《ブラダマンテ》で《妖刀竹光》を用いて魔法2枚を供給していました。これは《水舞踏》プランまでずっと《水舞踏》を持ってきていた名残です。
しかし冷静に考えると、《ブラダマンテ》をサーチしなくてもPゾーンのイグナイト2枚と墓地の《デュランダル》で魔法3という条件は達成していました。無駄に《ブラダマンテ》を経由する必要はありません。
こうして《ブラダマンテ》たちをリストラすることにより、遂にルートが完成しました。最適化終了です。
イゾルデ展開
— サイレド (@WABihamut) November 14, 2022
《聖騎士の追想 イゾルデ》1枚から《封印されしエクゾディア》の効果による特殊勝利(エクゾワンキル)
1本目が使用EX9枠、2本目がメイン1枠削って使用EX10枠です
キャリアー禁止でエクゾ本体に触りにくくなりましたね pic.twitter.com/Sw0UimiE9L
4.終わりに
いかがだったでしょうか?
普段何気なく流れてくるソリティアですが、その完成までにはこういった試行錯誤が隠れているんですよね。
ソリティアは一見難しそうに見えますが、慣れてくるとある程度サクサク作れるようになります。
スマホ1つあればできますし、必要なカードを調べるうちに自然とカードの知識もつきます。
新カードを見たときにソリティアに使えるかどうかも加点対象になり、新カードを見るのがより楽しくなります。
このように良いことずくめで楽しいソリティア、皆さんも是非始めてみてはいかがでしょうか?
新たなイゾルデ使いを私は歓迎します!
さて、明日のBサイド担当はかもめ先生さんです!
構築論を書かれる予定とのこと。どのような記事になるか楽しみですね!
私の動画垢@WABihamutでは不定期で展開動画をツイートしています。
下記リンク先のモーメントの方に全動画をまとめておりますので、興味のある方は是非ご覧ください!
自分で見返しやすいように動画まとめhttps://t.co/uISUSSD8nt
— サイレド (@WABihamut) December 22, 2020
本記事の内容にミスなどを発見された場合、または気になる点があった場合には、このnoteのコメントか質問箱の方までお寄せいただけると幸いです。
それでは今回の記事は以上になります。最後までご覧いただきありがとうございました!