
世に生を得るは事を成すにあり、と自分は考えている
株式会社チェルヴス設立
生死などは取りたてて考えるほどのものではない。
何をするかということだけだと思っている。
世に生を得るは事を成すにあり、と自分は考えている
この言葉は、司馬遼太郎さんが小説『竜馬がゆく』で坂本竜馬に言わせている私の好きな台詞です。
私事ですが、2024年11月14日に地元である秋田県男鹿市で株式会社チェルヴスを設立しました。
この2ヶ月の間は、秋田を拠点に青森、岩手、東京、浜松、大阪とまさに東奔西走。まずはこの会社の目的と方針を探すことに費やしてきました。
ワンピースで言えば海賊王、スラムダンクで言えば全国制覇。
幕末の維新志士であれば倒幕と尊王攘夷。
ウィンストン・チャーチルであれば打倒ナチス。
私とチェルヴスはこの先、何を成すのか。
幸運にも先輩経営者や地元のスタートアップの方々をはじめ、たくさんの人たちに触れることができた2ヶ月間を経て、私が辿り着いた結論は
”脱炭素”と”災害対策支援”
でした。
会社のビジョンには「テクノロジーの力で脱炭素社会を実現し、持続可能な環境を次世代に繋ぐ」を掲げました。
いま私たちの世代が成すべきなのは、地球温暖化を少しでも防ぐこと。そしてその影響で山火事や集中豪雨、干ばつなどの自然災害が起こった際に、被災者が少しでも早く日常生活に戻れる仕組みを作ることだと思います。
とは言え、大学時代そして社会に出てからも物流と貿易分野しか知らない私が”テクノロジー”を掲げるのは勇気が入りましたが、テックなくして目的達成はできないと考えています。
前置きがかなり長くなりましたが、
新たな分野に挑戦することでインプットに時間を要している割りにアウトプットが足りていないと感じ、創業日記としての役割も含めてブログを再開することにしました。
まずは会社と私について少し書きたいと思います。
長文ですが最後までお付き合いください。
社名の意味
社名のチェルヴス(Cervus)とはラテン語で「鹿」という意味です。
会社を登記した男鹿市や男鹿半島を当然意識しているのですが、その男鹿には『赤神と黒神』という伝説があります。
詳細は割愛しますが、男鹿半島の赤神(あかがみ)と青森の竜飛岬の黒神(くろがみ)が十和田湖に住む女神を取り合うお話で、龍を従えて戦う黒神に対して赤神はなんと鹿の群れで応戦するのでした。もちろん強力な戦力を持つ黒神には勝てなかったのですが、最終的に女神は心優しき赤神の元へ向かうのでした。(その後、女神に逃げられた黒神の吹いた溜息が大きすぎて津軽海峡ができたという壮大なエピローグがあります笑)
大きな相手に果敢に立ち向かう姿勢や、試合では負けたものの”女神を勝ち取る”という目的を達成する勝負強さにあやかりたかったので、赤神の使いである「鹿」を社名にさせて頂きました。
『赤神と黒神』の詳しい内容はこちらから!
また、鹿は”延命長寿”や”厄払い”、”金運や財運”を連想させる縁起の良い動物と言われていて、男鹿で起業する社名にピッタリだと自負しています。
ちなみに、赤神神社や赤神と女神が住むと言われる孔雀の窟など、この伝説にまつわるパワースポットがありますので、ご興味のある方はぜひ男鹿に来てください!
男鹿にこだわる理由
他県の先輩経営者から「地元に対する愛情が凄いよね。俺も地方出身だけど、”地元を盛り上げたい!”みたいな想いはほとんど無い(笑)」と言われて、「そういうものか」と感じたことがありました。
ひとつは、ずっと地元を見てきた中で衰退していくスピードが凄まじいこと。その男鹿の衰退に真っ向から挑む先輩起業家がいることが挙げられると思います。
もうひとつは、父親の存在があるかもしれません。
少し暗い話になりますが、私の父は海の事故で46歳の若さでこの世を去りました。
亡くなった日は、私が15歳(中学3年生)の年の12月25日。なので幸せな雰囲気が溢れるクリスマスの街並みも佐藤家には少し微妙な空気が流れる(汗)
たぶん父が存命であれば実家に帰ってくるという選択肢はなく、そうなれば今の妻とは結婚していないし、二人の子供たちが生まれることもなかっただろうし、男鹿で起業することもなかったです。
そういう意味では、私が男鹿で成功することで”父の死にも意味があった”と個人的に思いたいのかもしれません。
そういえば、
去年、中学生になる息子の誕生日に”志高く生きてほしい”という想いを込めて『おーい竜馬』の全巻セットを贈ったことを思い出しました。(いまだに読了していない模様😭)
ちなみに小学校低学年の娘には『北風と太陽』の絵本を。
ちなみにその娘には、『男はつらいよ』でヤクザな兄「寅次郎」を優しく支える、綺麗でしっかり者の妹「さくら」のようになってほしいという想いを込めて同じ名前をつけました。余談。
早いものであと2年で、私も親父が亡くなった年齢(46歳)になります。
奇しくも私が46歳になれば、息子は15歳。
死んだ親父と当時の私の年齢と一緒。これまで、
(ひょっとしたら俺も46歳で・・・?)
と意識しないこともなかったですが、そうはならないことを祈りながら、ただ「あと2年しかない」という危機感と気概を持ちながら日々生きております。
おわりに
冒頭の言葉「世に生を得るは事を成すにあり」。
私は脱炭素や災害対策支援と言った”グローバルな課題”と”地域の発展”を両立することを目指し、そこに残りの人生を賭けます。
これまでは思考が先に来て、考えすぎて動きが鈍くなることが私の悪いクセでしたが、2年という期間を絞ることで、誰かに遠慮したり恥ずかしがっている暇が無くなりました。
これからも定期的に記事を発信していきますので、このブログを読んでくれた人の心に火が灯ったり、沈んでいた気持ちが少し明るくなったり、何かの参考になったりしてくれれば幸いです。
ということで、まずはこの2年間やり切りますので引き続きご指導のほどよろしくお願いします。