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仮定・前提からいかなる論理式が導かれうるかという問いへ
これまでの内容については、
電流が流れるか流れないか学(電流学)|カピ哲!|note
をご覧ください。
論理学の演繹論理の”プロセス”を動態的に回路図で再現できたら・・・と試みてはみましたが上手くいかず、結果として今回のような手法に至りました。役に立つとか立たないとかは別として、こういったやり方もある、ということを理解いただけたらと思います。
(この手法に何か良い名前を付けたいですが、いいのが浮かびません・・・)
先の章(11.→とはいったい何なのか)において、電流学における証明の一つとして、
前提と結論を→でつなげるとトートロジー回路になることが示される
・・・を挙げた。既にここまで各種公理に関して、回路分析により論理式全体がトートロジーとなることを示してきた。そしてその逆も真であれば前提(となる論理式)と結論(となる論理式)は同値ということになる。
しかしここではちょっと方向性を変えてみよう。
(前提・仮定)→(結論)
において前提・仮定のみが既知のとき、(回路全体がトートロジーという前提条件のもとで)そこからいかなる論理式が”結論”として導かれうるのかを問うのである。“証明”というよりも“計算“と言った方が良いのかもしれない。
手法としては、前提・仮定(厳密には、前提・仮定→、言い換えれば¬前提・仮定)を回路分析し、どういった結論ならば回路全体がトートロジーとなるのかを見極めていく。
回路分析には、これまで以下の手法を用いてきた。
・・・それら分析の結果導かれたトートロジー回路(式)の情報も積極的に用いて行こう。
とりあえず、まずは簡単な事例から。
AとA→Bが前提の場合の結論Xを求めてみよう。流れとしては図34のようになる。
図34 A∧(A→B)→(X)の回路図
![](https://assets.st-note.com/img/1721541835268-INLS0ReLxz.jpg)
・・・そして上記回路のXの部分にどういった論理式を加えれば回路全体がトートロジーとなるのかを考察するのである。回路全体としては(¬A∨¬B∨X)という形になるが、これは実質的に(A∧(A→B))→Xと同じことである。
結果として、以下のものがXに当てはまるものとして挙げられる。
A、B、A∨B、¬A→B、¬B→A
(さらに言えばA∨CとかA∨Dとかでもトートロジーになってしまうが、きりがないので割愛)
論理学における演繹論理(というかMPという公理)は(A∧(A→B))→Bだから、当然上の回答の中にBが含まれている。ただ、AでもA∨Bでも回路全体はトートロジーとなる。
つまり、
① (A∨(A→B))→A
② (A∨(A→B))→B
③ (A∨(A→B))→(A∨B)
④ (A∨(A→B))→(¬A→B)
⑤ (A∨(A→B))→(¬B→A)
すべてがトートロジーということになる。表7で確認しておく。表中①~⑤の番号は、上記式の左側の番号に対応している。
表7 (A∨(A→B))→Xの電流値は?
![](https://assets.st-note.com/img/1721541865095-BPTTpByJUl.jpg?width=1200)
・・・これからもう少し複雑な論理式についても分析してみよう。
このように電流学においては論理式の形式と電流値(論理学で言う真理値)とは常にセットであり切り離すことはできない。健全性や完全性を問う余地もないのである。
・・・そういえばX=A∧Bでもトートロジーになりますね・・・これについては別の記事で