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3月1日 アスレチックスvsエンゼルスよりレポート

 とうとう3月が始まり、ベースボール・シーズンの到来を感じる中で、早速の『大谷翔平選手vs藤浪晋太郎選手』の投げ合いとなった今日のオープン戦。感想も交えながら、ざっくりと今日の試合を振り返って、その後、エンゼルスのネビン監督やコーチ、選手のコメントを見ていきましょう。


1.ゲームの流れ

 今日の試合は、アスレチックスのホーム戦として行われたので、中継もアスレチックス側の番組のみという状況でした。日本と同じように、このゲームで最も注目されたのは『大谷vs藤浪』。2人がブルペンで並んで投球練習をするシーンで放送が始まりました。

 実況席もこの2人の経歴の話をしたりして盛り上がる中、藤浪投手が投じた注目の初球は、エンゼルスの1番打者フレッチャーのインコースに。藤浪投手が苦しんできた制球難が早速現れて、ぶつけられるのではとヒヤヒヤしましたが、2球目からは落ち着いて、スプリッターでフレッチャーを三振に。その後はレンヒーフォの打球が足に当たるアクシデントがあったものの、落ち着いて後続を断ち、無失点の立ち上がりでした。

 一方、大谷翔平選手の立ち上がりは、昨年度も大谷選手が何度も対戦したアスレチックスの1番打者、ベテランのトニー・ケンプ選手との対戦で始まりました。3球目のボールを良い当たりで捉えられるも、センター正面のセンターフライに。アウトになった後、ケンプが少し笑いながらベンチに帰る姿が放送され、なんとなくですが、そのシーンから野球のシーズンの始まりを感じました。今シーズンもアスレチックス戦で、ケンプの姿は何度も見ることになるでしょうし、公式戦での大谷選手との対戦も楽しみです!

 大谷選手が簡単に初回を3者凡退で終えた後、2回の表には、藤浪選手が3連続の四球。大量点にもなりそうな感じでしたが、コーチとマウンドで話した後は、ホワイトフィールドを見逃しの三振、ソトを内野ゴロでダブルプレーに切って、無失点。このように、一度崩れたリズム・制球を立て直せるかどうかが、藤浪選手の今シーズンの鍵となるでしょうか。

 一方の大谷選手も、2回の先頭打者のアギラーを歩かせてしまいます。が、制球を乱すことはなく、三振→ダブルプレーと危なげない投球。この辺りは流石の落ち着きで、お手本のような投球でした!大谷選手は元々は2イニングの投球予定だったそうですが、球数も多くなかったため、3回もマウンドに上がり、2人と対戦したところでマウンドを降りました。

 最終的な日本人選手2人の成績は、大谷選手は2回と3分の1イニングを投げ、被安打0で、2奪三振、2四球。藤浪投手は2イニングを投げて被安打1、3四球に3奪三振。両者とも無失点という結果で、この時期には十分な出来で、良い調整になったと思います。

 ゲームはその後、エンゼルスが先制し、さらに効果的に追加点を奪って、エンゼルス11-5アスレチックスで、エンゼルスの勝利となりました。オープン戦なので勝敗はどうでも良いことですが、シーズン公式戦でも起こり得る、『大谷vs藤浪』が、より楽しみになるようなゲームだったと思います。

 特に、アスレチックス中継の解説の方が、「オオタニはシーズン中盤くらいの出来に近いように見えます」と、お手上げといった感じで笑いながらおっしゃっていたのは印象に残りました。昨年、大谷選手は投手としてアスレチックスと4回対戦だったそうですが、今年はスケジュール上で直接対決が減ったので、大谷投手が見れる機会は少なくなるかも、と。『大谷vs藤浪』の直接対決があることを、今から願っておきましょうか。


2. 勝手に、エンゼルスMVP

 さて、落ち着いて、危なげない投球を見せてくれた大谷翔平選手の他に、今日の試合で注目するべき活躍を見せたエンゼルスの選手は誰でしょうか?勝手に今日のMVPを選ばせていただきます。今日のMVPは、大谷選手のキャッチャーを務め、4回には逆方向にホームランを放ってパワーを見せつけてくれた、キャッチャーのローガン・オホッピ!

 後章で、ネビン監督のコメントにも触れますが、まだ開幕戦のキャッチャーを誰が務めるかは決まっていないとのこと。そんな中で見せてくれた1発は、エンゼルスファンが期待を抱かずにはいられない、すごいホームランでした。風は吹いていなかったとのことで、純粋なパワーで持っていったようです。豪快に逆方向のライトスタンドにホームランをぶち込んで、次の3打席目も相手の好プレーでアウトにはなったものの、強烈なライナーを放っていました。3打席で1安打1HR、1四球という結果だったオホッピが、オープン戦でこれからどんな結果を残すのか、楽しみです!(ホームランの映像は、Twitterでも紹介しておくので、ぜひ見てみてください!)


3. 藤浪晋太郎選手に関する実況席・選手・コーチのコメントまとめ

 3三振を奪い、力を見せつけたものの、3四球と課題も残った藤浪投手。現地の実況や選手・コーチのコメントはどのようなものだったのか、見ていきたいと思います。

 まずは、実況席のやり取りを。
解説「もしフジナミが今日緊張しないのであれば、彼は人間ではないですよ。(=緊張して当然です。)」
実況「制御できてるように見えたし、ピッチクロックにもしっかり対応できていましたね。」
解説「3連続四球で塁を埋めてしまいましたが、そうした逆境を体験できたのも良かったのではないでしょうか。そう言う状況の中で、どう戦い抜くかが大事ですから。特にデビュー戦で、しかもオオタニが相手投手と言う中での投球でしたからね。」

 実況席のお二人が、おっしゃる通りですよね。1戦目としては十分な出来だったと思います。藤浪投手のキャッチャーを務めたランゲリアーズ捕手は、「彼のボールを受けるたびに、彼と同じように考えるようになってきていると思います。同じ気持ちで打者に対して向かっていくようになってきて、今日はとてもスムーズでした。」とコメントされていました。

 また、アスレチックスのエマソン投手コーチは「世界でもトップな選手の1人のショウヘイが相手の投手だったからね。フジもスペシャルな選手になりたいと思っているし、彼はこのキャンプで、それを他の人にも自分自身にも証明しようと頑張っている。彼が毎日頑張るのを見るのは楽しいよ。」とコメントされています。少しずつ、チームメイトや首脳陣とも信頼関係を築きつつある藤浪投手。今シーズンが、藤浪選手の飛躍の年となるように期待したいです!


4. 大谷翔平選手に関する、ネビン監督・コーチのコメントまとめ

 さて、皆さんお待ちかねの、大谷翔平選手に関するコメントまとめです。まずは、上記でも触れた、大谷選手のキャッチャーについて。上述したように、オホッピが今日、大谷選手の捕手を務めたけれど、今後もこの二人がペアで行くと決まっているわけではないそうです。

 ネビン監督はこれについて、「今日のペアが開幕戦と何か関係があるわけではないよ。信じて。」と。さらに、これまでの大谷選手の経歴的にもスタッシとの協働がお互い快適だろうとしながらも、大谷選手はマット・サイスとも良い関係を築いているとして、「3人のキャッチャー全員に、ショウヘイが快適に投げられるレベルに達して欲しいし、ショウヘイにも快適に感じて欲しい。」とコメントされています。とは言っても、結局スタッシが開幕はキャッチャーを務めるだろうというのが大半の予想だとは思いますが、オホッピが今日のような活躍を見せてくれれば、分からないですよね。これからが楽しみです。

 次に、大谷選手のピッチクロックと、ピッチコムへの対応について。ネビン監督、ワイズ投手コーチ共に、大谷選手はピッチクロックの中でうまく投げたと評価されているようです。ピッチコムの使用も良かったと。ワイズコーチは、大谷選手が思う以上に、もう少し時間を取っても大丈夫な時もあったとコメント。

 ネビン監督は、大谷選手とピッチクロックについて、次のようなコメントをされています。
『バッターボックスの中にいて、相手投手がノーラン・ライアンのような速いペースで投げてきたら、「次は何が来るんだ?」って動揺するよね。ショウヘイには、そうした存在感・貫禄のようなものがあると思う。』
『試合が早く進むようになって打者もそれに慣れてくると、いくつか変更点が出てくるように思う。ショウヘイには打者の自信を無くさせるような威圧感があって、それがなくなるわけではないけれど、今まで通りとは行かないだろうし、ショウヘイ自身の投球スタイルも少し変わるだろう。』

 実際、テレビの画面越しにみている分には、何の問題もなく投げているように見えました。大谷選手ご本人も、「少し急ぐことはあっても、そんなに問題ではない」という旨のコメントをされておられるようですし(英語で書かれた記事を見たので、仰った日本語とは少し違うかもしれませんが)、特に心配はなさそうですかね。シーズン中にツーシームを覚えたりと、適応能力も抜群な大谷選手のことなので、この先もうまく対応されていかれると思います。そうしたルールへの対応だけでなく、投手として打者として、今年はどんな風に進化していくのか、今シーズンも楽しみに、皆さんと応援していきたいです!


おわりに
 初めての記事投稿、さらにはスプリングトレーニングにも関わらず大注目の『大谷vs藤浪』ということで、書くことも多くて、膨大な量になってしまいました…。今シーズンはこうした形で、noteもうまく活用しながらやっていきたいと考えています。走りながら色々と修正できたら、と考えていますので、お付き合いくださると幸いです。感想やコメントも、Twitter等でお待ちしています!それでは、今後とも、今シーズンも、よろしくお願い致します! KK


参考にさせていただいた記事一覧
OUG PADILLA記者『Angels’ Shohei Ohtani ‘satisfied’ with spring debut on mound”』The Orange County Register.
https://www.ocregister.com/2023/02/28/angels-shohei-ohtani-satisfied-with-spring-debut-on-mound/

SARAH VALENZUELA記者『Shohei Ohtani’s first appearance on the mound with pitch clock goes smoothly』The Los Angeles Times
https://www.latimes.com/sports/angels/story/2023-02-28/shohei-ohtani-angels-pitch-clock-phil-nevin

Martín Gallegos記者『Fujinami goes toe-to-toe with Ohtani in A's debut』 MLB.com
https://www.mlb.com/news/shintaro-fujinami-spring-athletics-shohei-ohtani?partnerID=mlbapp-iOS_article-share


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高山恵佳(KK)
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