このriver、Tripだね…NATURAL
今月からCHAGE and ASKAの名曲たちがサブスクで聴けるようになった。いつしか読んだネット記事でASKAはサブスク解禁に前向きではない見解を強く示していて、山下達郎と共にサブスクでは永遠に聴けないものだと思っていただけに、素直に嬉しい。この英断よ、ありがとう。
私にとってのチャゲアス(C&A)は、サザンオールスターズ、THE YELLOW MONKEYと共に敬愛してやまないアーティストであり、人生で最初に買ったシングルCDは『YAH YAH YAH』だった。小6の時、ミスチルの『【es】〜Theme of es〜』とチャゲアスの『Something There』が同じ日に発売され、CDショップにて延々と悩み続けて、結局チャゲアスを買ったこともある(何のアピールだ)。
かつて小生はサザン、チャゲアス、イエモンの違いをこう評した。
火曜日(2013/9/17)の夜にこんなこと書いてないで早く歯磨いて寝ろよというご意見はさておいて、点と点をスナップショップで魅せていくサザンとは対照的に、線をパノラマで繋げてフィルムで酔わせていくチャゲアスの名曲について、現代人諸君はどこまで味わえているのだろう。ん?活動休止した時から急速冷凍したままだって?それはあまりにももったいなさ過ぎる。
衝撃的だった一曲に『なぜに君は帰らない』がある。
CDTVのようにサビだけが数秒間流れる番組を見ただけでも、強烈に耳に絡みつくメロディラインも驚愕だが、ここは最初からよーく聞いてみたい。
スタートと同時にラグジュアリーな緞帳が上がっていき、最初のAメロこそ通常運転なものの、やがて100km/hの高め安定クルーズコントロールに乗せて、2番サビまで疾走していく。
一般的な曲構成であれば、2番サビが終わると、たいていは間奏が入って、ネクタイを締め直すクラッチタイムが続き、最後に"追いサビ"で〆て音符たちはフェイドアウトしていく。ところがこの曲は2番サビが終わってもアクセルをひたすら踏み続け、Cメロ最後の「♪心の路地から駆け出して来る」で200km/hになり、以後も漸増しつつ"追いサビ"へ突入しちゃうのだ(こんな曲聞いたことないだ)。
映像作品でいえば『Trip』(CONCERT MOVIE GUYS)を挙げたい。原曲とは違うラテンっぽいイントロから始まったと思ったらASKAの無敵なスキャットで一気に秋の夜空へ。まだ歌い出していないのに一つの物語が終わるという奇跡を目の当たりにして、間奏では相対性理論に抗いながら時空が不規則に揺れ動き、虚を衝かれたようで動悸が止まらない。
"音"の弾け方の振れ幅がとんでもなく広い…それがCHAGE and ASKAの唯一無二な魅力だ。もし彼らの音楽に今まであまり縁がなかったならば、とにかく今すぐサブスクをONにして聞いてほしい。そして、迷わずにSAY YESと一緒に言おうじゃないか!
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