30代からのドライブStyle
週末の楽しみといえば何といってもドライブだ。土曜日は遠くのとこへ、日曜日はやや近場へ、お気に入りのBGMと共に我が愛車はどこまでも走り続けてゆく。おっと、BluetoothとWi-Fiテザリングでカーナビの情報感度を最強レベルに高めておくことも忘れずに。
本格的にドライブを楽しむようになったのは実は30代に入ってからだ。運転免許を取得したのは26歳なので、どちらかというと遅咲きの部類に入る。
都会で暮らしていると、そもそも自家用車の必要性を感じない。それに道もややこしくて難易度が高いため、ますます乗る気になれず、20代後半で東京に住んでいた際、運転したことはただの一度たりともなかった。
転機になったのは、30代に入って山形へ転勤したことだ。今までは少し歩けば必ず駅が存在し、徒歩圏内にコンビニやスーパーもあって、車を所有していないことに起因する不便さは特段なかったものの、地方へ行くと状況が一気に急転する。…車を運転できないと、仕事の幅が極端に狭まるし、生活の視野も狭小になり、だんだん毎日に飽きがやってきてしまう。
そこで休日にレンタカーを借りてみた。仕事で日々運転していたため、一般的な道路ならば特に不自由することなく走ることができ、目的地を設定して県内を冒険してみると、結構楽しいではないか。相変わらずバックや縦列駐車に難ありだし、狭い道も苦手だけど、そろそろ車を買ってみよう!
某ディーラーで言い値100%で中古車を買い、田舎では不要と思われるビーコンまで装着した。さあ、夢にまで見たカーライフがスタートだ。マリオカートに溺れる必要はもうなく、愛車を"あいなめ"しちゃおうではないか。初日は県内の道の駅を限界まで回り、興奮冷めやらぬまま自宅駐車場へと戻ってきた。
当時住んでいたアパートの駐車場は、駐車スペースのサイドに柱があり、道路へ出るまでのアプローチラインは一車線分しかなかった。今からすればどうってこったないのだが、当時の自分にとってはかなりのハイレベル案件
。付け焼き刃でインプットした知識で無事に駐めることはできるか。
残念だが、悲劇は起こってしまった。バックでうまく入れ込むことが出来ず、次の瞬間にバキバキバキとものすごく不快な、スズメバチのボバリング音を補聴器で聞いているような、トラウマエフェクトが聞こえてきてしまう。
リアドアが壁にめり込んでいて、自力での原状回復は困難だったため、近くに住んでいた後輩を呼び出し、無理やり運転してもらってなんとか脱出できた。「天国から地獄」という言葉はまさにこの瞬間のためにある。
その後、トラウマが原因でしばらく運転できず、保険会社からはひき逃げ犯のように扱われ、苦難の日々を歩んでいたが、練習に練習を重ねると、だんだん魅力にハマっていき、今ではどんな道でもオールOKな長距離ドライバーへとクラスチェンジできた。
30代からでも全然遅くない。さぁ、運転しよう!
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