拍手よありがとう
…こ・ん・ば・ん・は♡
久しぶりに書こうとすると、どうも照れくさい。昔、久米宏がニュースステーションを突然降板し、数ヶ月後に髭を蓄えてしれっと復活した時と同じように、妙にラフに登場したくなる。
この数ヶ月、世の中はいろいろと動いていたかもしれないが、小生は平常運転で過ごしている。いや、正確にいうと、さざ波はあったような気もして、今も潮が引いていないような感もあるが、そんなことは今はいい。
齢を一つ重ねたことだし、なんか書いてみっか。
先日、これも恥ずかしながら、ささやかながらの誕生日パーティーを某店にて挙行した。と言っても、いつかの貴乃花の超豪華結婚披露宴のように1,000人以上呼べる人望も財力もないため、パートナーと「あたち」とスヌーピーたち、すなわち"暇ないつメン"を呼び寄せて、平日夜に開催する運びとなった。ウィークデーからフィーバーやるんだったら、テッペンまでにはベーターしなきゃいけないぜ。
その店はしゃぶしゃぶと寿司が食べ放題で、鍋好きの自分には最高のシチュエーションだ(寿司は別にいらないが)。昔、ハイヒールモモコが「食べ放題の店に行ったんやったら、原価が高いのを選ばなあかん」とテレビで言っていたことを思い出し、出来るだけ高そうな肉を集中的にチョイスするが、やっぱり白菜、白髪ネギ、水菜のほうが安心する。庶民でよかった。
なぜこの店を選んだのか。もちろん食べ放題で食い倒れたいという欲求が強かったのもあるが、オプション料金ゼロでお誕生日プランがあったことが大きい。どうやら小さなホールケーキも食べられるようだ。ケーキがやってくるためには、任意のタイミングで店員に告げる必要があるらしい。
いつ手を挙げよう。店内にはヤンキーっぽい高校生のグループから、寡黙に食べているファミリー、そして中国からの団体客もやってきて、鍋が醸し出す熱気と共にちょうど良い温度の空気感が漂っていた。
今だ!今しかない!
高校生っぽい女性店員が小さなホールケーキを持ってきた。ケーキを突き刺す線香花火に灯が点っていく。ここで写真撮影かと思いきや、なんと店員が「お祝いするために、他のお客様にも言っていいですか」と提案してくるではないか。ここはネタ取りのために人肌脱ぐしかない。
「お願いします!!!」
次の瞬間、店員が意を決して小さな声を振り絞って「みなさ〜ん、お客様がお誕生日で〜す。お祝いをお願いしま〜す。おめでと~ございま~す」と響き渡らせると、全く知らない人たちが「おめでと〜」と言って大きな拍手をしてくれるではないか。中国からの団体客に至ってはスタンディング・オペレーションで全力でお祝いしてくれて、日常生活では味わえぬメラヴィリオーゾを味わうことが出来た。
誕生日は「生まれてきてくれてありがとう」の日だ。あの時の拍手は素直に嬉しく、生きる活力にも繋がった。料理もおいしかったし、最高の1年にしていきたいものだ。
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