ヤクザの娘と付き合っていた時の話をしよう。
もう時効でしょう。
またハタチそこそこの頃だったと記憶している。
いろいろな女性と付き合った中でも、強烈なインパクトがあって、今でも覚えているのが、親がヤクザでその奥さんは後妻で銀座のホステス上がり。
その当時の彼女と結婚していれば、義理の父母となっていた。
その彼女のお父さんは、下っ端とかでなく組長。
若いので、「そんなの関係ねーぇ」とばかりに彼女との交際が始まった。
彼女は至って普通な人だった。
そういう家庭って想像するしかないわけで、実際はどんな家庭環境かは普通は知る由もない。
一言で言えば、これが意外と厳しく躾られている。
もっと甘やかれて育っているのかと思った。
彼女と会う時は、門限なんかも厳しくて夜はこっそり抜け出して来てくれて、会ったりしていた。
それはそれで楽しかった。
でも、若いので、そういう人たちの行動パターンや考え方なんて分かりようがない。
普通なデートをしたり、本当に普通なデートを重ねた日々でよく今でも覚えている。
そんな中、突然ある出来事が起こった。
自室にいると、不穏な車の車列が近づいてくる音がする。
まさか、自室にまで来ないよなーと思っていた矢先。自室のアパートの駐車場にそれらの車列が止まる音がした。
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