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日本工学院専門学校でライブミキシングの実習をしたことがあったのだった。

ミキシングコンソールやスピーカーのカタログのコピーを20年間ぐらい書いていた。その頃はそればかりやっていたと言っていい。

実は楽器は弾くがPAはやったことがないまま書いていたので、メーカーがとあるPA機器の社内研修に入れてくれたことがある。それが蒲田の日本工学院専門学校のホールで行われたものだった。久しぶりのJR蒲田駅を降りて、それを思い出しました。

スピーカーとミキサーの設営、セッティング、そしてFOHのミキシングとステージモニターのミキシング、さらに撤収、運び出しという作業を二日に分けてやったのだった。大変だったけど、楽しかったし、なにより勉強になった。10年以上前のことだが、こうやって思い出に残るぐらいだから、本当にいい体験だった。

何が楽しかったのかというと、メインのFOHのミキサーを操っているときのなんともいえない万能感だ。あの場では私が全ての音を操る司祭であって、自分が一番良いと思う音を全てのお客さんに(この時は誰もいなかったが)聴かせることができる。この音楽的な支配感、万能感は、何にも代え難いもの、官能的とすらいえるようなものだった。いつかまた体験できるだろうか。

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