超芸術トマソン「荻窪の空中純粋ドア」
ここには誰かいるのか。
いるとしたらどうやって入ったのか。
いるとしたら、どうやってでるのか
出る時にいちいち梯子を出すのか。
出かける時に出した梯子はどうするのか。
友人が遊びに来る。
上から梯子を出して登る。
部屋で呑む。
帰る時、酔っ払った友人は梯子を無事に下りれるのか。
新聞受けがある。
毎朝、新聞を投げることに熟練した新聞配達人が、
下から見事にあの新聞受けにスポっと投げ込むのか。
鍵が二重になっている。
頑丈なセーフティが施されているが、
このドアを開けようと試みた空き巣がいるのだろうか
それとも、一度も開けられたことのないドアの
純粋性を示すためのシンボルなのだろうか。
もしもこれがどこでもドアであったとする。
とすると、これは開けて踏み出した途端に、
下に落ちて大けがをするという
「不幸のどこでもドア」なのかもしれない。
※どこでもドアを開けたときはいきなり足を踏み出さず、
よくドアの向こう側を確認することをお勧めする。
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