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私の「一ノ関ベイシー」体験
オーディオファンからは「聖地」と言われる一ノ関にあるジャズ喫茶「ベイシー」、私はオーディオファンとはとても言えないが、オーディオに関わる仕事をしているので、機会があれば行ってみたいと思っていた。
とはいえ岩手である。オーディオファンならベイシー詣でに岩手まで行くのだろうが私の場合は、機会があったら、ということで狙っていたところ、数年前だが、一ノ関の先の北上市に仕事で行くことになったので、その往路に寄ろうと思ったのだった。
一回ベイシーに行ったことがあるシェフの友人に聞くと、ベイシーは日によって休む日がバラバラな不定休なので、わざわざ行くなら一度電話をした方がいいというアドバイスがあったので、出張に出る日の朝の駅のホームから、ベイシーに電話をしてみた。それがなかなか出ない。
そしえやっと電話がつながる。
「もしもし」
「あ、今日ベイシーにうかがいたいんですが、やってますか」
「あー、今日はライブだからやってないです、ガチャ」
ガーン。がすでに駅に来ちまってるし、ライブかーと思って調べるとなんと渡辺貞夫のライブではないですか。調べると当日でも入れる様子だったので、オーディオのサウンドはさておき、ナベサダライブにいくことにしたのだった。そして冒頭が一ノ関ベイシーでのライブ前の写真。今なら絶対ダメの「密」空間に年齢層が高めのジャズファンが集い、ナベサダの登場を待っている。PAの用の仮設スピーカーなのか、店のスピーカーだったかあまり記憶がないが(たぶんPA用)開演前のスピーカーからコルトレーンが結構の音量で流れていて、これがベイシーの音か、とも思ったがたぶんいつもとは違うコンディションだしシステムも違うだろう。
そしてライブ、これは御大ナベサダ、ずっと立ったまま吹きまくる。サイドメンも若手でイケイケの演奏であって、オリジナル、ボサやラテン、そしてビバップなどをガンガン繰り出す1時間ステージが2セット、休憩入れてたっぷり2時間半程度、あの美音をじっくりとスタンディングで聴かせてもらった。
私の「一ノ関ベイシー」体験。結局、「聖地」とまで称されるウワサのオーディオの音は聴かずじまいで、ライブのみだったが、それはまぁ、俺らしいよいオチということで、お後がよろしいようで。
その日の朝日新聞の記事はこちら。86歳だったのかー。すごすぎる。
そして「花は咲く」の音色と歌いかたは実に深くて素晴らしいものだった。
https://www.asahi.com/articles/ASM4Q42RZM4QUJUB00Z.htmlhttps://www.asahi.com/articles/ASM4Q42RZM4QUJUB00Z.html
多分その時に撮影された方のブログがこちら。
2019年4月21日(日)ベイシー渡辺貞夫ライブ
https://teragishi.com/jazz_trip-sadao-watanabe/