中国のゼロコロナ解除は何を意味するのか。
・中国では苛烈なゼロコロナ政策が行われていた。
・それにたいして民衆は大規模なデモを行った。
・中国では珍しい体制批判、習主席批判まであった。
・中国共産党はそのデモの拡がりを恐れてゼロコロナの解除に踏み切った
というのがニュースを見ていての私の理解だった。
というかそう理解させるべくストーリーが展開されていた。
しかしYouTubeで非常に信頼している【豊島晋作のテレ東ワールドポリティクス】感染爆発で混乱?習近平支配と「2023年の中国」【豊島晋作のテレ東ワールドポリティクス】(2022年12月19日)
を見ると、北京支局長、上海支局長との会話から、報道で描かれているその景色が中国の一般的な現実とはかなり違うことがよくわかるし、テレビ、報道への自己批判もしていて、とても参考になった。
この番組を見ての感想はこう変わりました
・中国では苛烈なゼロコロナ政策が行われていた。
(これは真実、というか実体はもっと苛烈に中国経済を蝕んだようだ)
・それにたいして民衆は大規模なデモを行った。(これは西側の偏向報道で感覚的には「巣鴨商店街の隅っこでちょっと小さなデモがあったぐらいの感覚」だったそう。しかも中国国内ではまったくデモの報道はされてない)
・中国では珍しい体制批判、習主席批判まであった。
(事実上それはなかったし、多くの中国の人間は上層部を批判しようという気持ちはない、批判するという発想がもう無いのかもしれないとも)
・中国共産党はそのデモの拡がりを恐れてゼロコロナの解除に踏み切った。
(急にゼロコロナから方向転換があったのは事実で、その決定に中央指導部がデモの影響が重く見た可能性はある、その意味で柔軟な対応だ
※今回のデモのあしらいが中国はうまかった。上海での苛烈なデモ鎮圧とは違ってソフトだったのは、中国のデモ参加者を完全に把握している、できるから。街中にカメラがあり、デモ隊の中に当局の人間が紛れ込んでいて撮影もしている。デモの後で警察が来て事情聴取されたらしい。
中国政府はウェイボなどのSNSツールでの発言も監視していて、問題発言があるとアカウントがロックされたりする、とこのテレ東BIZでは言っていたのだった。
今や中国共産党はかつてジョージ・オーウェルのSF小説「1986年」で描かれたビックブラザーそのものだ。
ただしビッグブラザーの元で暮らすことが不幸なのか、幸福なのかは微妙で、ひょっとしたら幸福なのかもしれないと思う。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ビッグ・ブラザー