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今週の「CD一枚ちゃんと聴く」。John Pizzarelli/Midnight McCartney Tokyo 2nd Lockdown day23
週に一枚はCDを頭から終わりまでちゃんと聴くという課題をやってみた。
先日書いたエントリーはこちら。
グルーブを深めるためにアルバム単位で音楽を聴く。
https://note.com/keijiikeya/n/n752b7dc8d681
おっさんになると意外とCD一枚分音楽をきちんと通して聴く、ということができないのに驚いたぜ。
選んだのは前から好きだったジャズギタリストでボーカリストのジョン・ピザレリのアルバムで、ポールマッカートニーの曲をジャズカバーしたもの。ジョン・ピザレリとポールは実は関係が深い。ポールマッカートニーのジャズアルバムの時にバックでギターを弾いていたのがジョン・ピザレリだった。どうやら解説によるとポール自身がジョンピザレリにやってみたらどうかと提案したようだった。
感想。
1.まずはポールの曲の完成度がものすごいのだと再確認した。1曲目の「Silly Love Songs」がボサノバ調でこんなにカッコ良くなるとは驚きだった。他にもビッグバンドジャズ風になったり、インストになったりしているが、素晴らしい素材だ。
2. 素材が素晴らしすぎるとアレンジ負けする可能性が大で、ビートルズのカバー曲は死屍累々なわけだが(ジョー・コッカーのwith a little help from my friendなどは珍しい例外)、ジョン・ピザレリのアレンジは実に秀逸で、洒脱で、肩に力が入っていなくて非常にいい感じだった。
3. 知らないアルバムを一枚とおしてちゃんと聴くってのが何年ぶりかわからんぐらいだったが、やっぱり曲順をおって聴くということは大事だと痛感。一曲目から最後の曲までの流れ、途中の曲の置き方などはコース料理の皿の順番みたいだし、ライブの曲順のようでもあって、すくなくとも最初はその順番でその曲に初めて出会うべきだと思ったのだった。
4.ジャズボーカルは私もちょっとやるんだが、ジョン・ピザレリのボーカルは昔からとても好きで、このアルバムでのピザレリの歌声は実に素晴らしいし、ギターのソロなども素晴らしい。
5.よくよく考えてみると、ジャズギターで歌も歌える人ってあんまりいないかなと思った。有名なところではジョージ・ベンソンだが、死ぬほど好きで、自分がギターソロを弾きながらユニゾンでスキャットするスタイルがものすごく好きであることを、今日急に自覚した。
と、グルーブにまでは行き着いていないが、かくもアルバム単位で音楽を聴くことで得るものが大きかったのか、と感動している次第です。