バキュームカーと仕事観
こんばんは。単身赴任7年目のKEIJIです。
今日は小学生の時の出来事より、仕事観について書きました。
バキュームカー。
浄化槽を持たない施設や家庭に定期的にきて、トイレから出た汚物を汲み取っていく特殊車輛だ。若い方は知らないだろうし、殆ど見られなくなった。
私が小学校低学年のある日、友だちと下校している時のこと、
A「てめぇ何やってんだよ、早くやれよ! 何回言ったら覚えるんだよ!」
B「すみません、、、」
A「ほんとにいい加減にしろよな!」
B「…(涙目)」
子供ながらに二人の関係はすぐに理解できた。
ベテランと最近入ったばかりの新人さん。
しかしこの新人さん、思い出すに、歳にしたら40歳後半〜50歳位。
背が低く、ヒゲ面で冴えない感じ。ベテランが明らかに歳下だった。
新人さん、半ベソをかきながら、ベテランに絶対服従状態だった。
私はちょっと見ていたが、友だちもいたので、その場を後にした。
帰宅してから、あの新人オジサンのことが気になってたまらなかった。
ひたすら罵倒され、泣きながら仕事をしているオジサン。
あのオジサンにも家族がいるかもしれない。子供にあんな姿見られたら、どうするんだろう。
私の父はいわゆるサラリーマンだった。
毎朝、ネクタイ、スーツ姿で颯爽と仕事に向かっていた。
仕事ってそういうものだと思い込んでいた。
でも、このオジサンを目撃して以来、世の中にはいろいろな仕事があるんだなと、子供ながらに認識したような気がする。
それから暫く、この一件は忘れていた。
しかし自分が仕事をするようになり、この貴重な経験が私の仕事観に大きく影響しているように思える。
私自身はネクタイ、スーツのサラリーマンだ。でも世の中にはいろいろな仕事があり、職種や収入に関係なく、自分の仕事に責任を持っているのだ。
例えばお店で店員さんがちょっとしたミスをしても、私は簡単に怒らない。私も含めて誰にだって間違いはあるので。
また少しでも良い対応をしてもらった時は、必ず「ありがとう」と伝えることにしている。その一言で、店員さんのやる気が増せばいいなと思って。
バキュームカーのオジサンのその後はもちろん知らない。私との年齢差を考えると、もうその人生を終えているかもしれない。でもあのオジサンに会えたことが、私の仕事観を形成する一助になったことは間違いない。
オジサン、ありがとう!
(終わり)