柿の実は残った ー冬日の散歩道ー
あの日は冬日だった
最低気温は摂氏0度未満の日
窓から空を眺める
眩しい冬日と透き通った青空を見る
冬日を浴びに行くにした
冬の野山は面白い
張り詰めた気配
澄み切った空
誰にも邪魔されたくない
自分だけの楽しみ
いつもの場所へ
唸る風を耳に入れつつ空を拝める
今にも天まで突き抜けていけそうな青空
柿の実は未だに残っている
誰かを待っているように佇んでいる
今にも落ちてくるのではないか
来るのを待っていてくれたのか
全身で柿の実を受け止めろとでも言うのか
柿の実の洗礼を受けた暁には
柿の実になってしまうのか
もしそうなったとして
野山に何をしてやれるだろう