世の中で1番尊敬している男、室伏広治の話


 今朝のニュースはびっくりした。室伏長官が難病と戦ってたなんて。かってに病気しない人かと思ってた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/67f04f1c4f518f26f45fbbab4dad098a3d677df4
そんな室伏さんとは、何度かお会いさせていただいたことがある。で、これまたかってに、俺は室伏さんのことを、世の中の男の中で一番尊敬している。今回、病魔と闘いながらも、オリパラ開催に向けて走ってくれていたというニュースをみて思い出したので、男室伏について書こうと思う。

 初めてお会いしたのは、東京2020組織委員会が主催した「若手アスリート参画プロジェクト」という、被災地訪問のイベント。20代前半ぐらいのアスリートを、室伏さんが引き連れて、バスで福島の小学校に乗り込み、みんなで運動会に出場するというものだった。

 室伏さんはこどもたちから大人気。片手に二人ずつこどもを抱えて疾走していた。かっけー。

 問題は帰り道。サービスエリアでのトイレ休憩のとき、室伏さんとバスを降りた。
「何か買いますか?」と聞かれたが、「いえ、特に大丈夫です」と答えた。すると室伏さんは、
「私はすこし買いますね」と言って、肉まんを30個購入した。
 この時の俺はほんとうに愚かでバカだった。
「やば、室伏さんめっちゃ食べるやん。やっぱりあんな弁当じゃ足りないよな」と真剣に思っていた。
 バスに戻った室伏さんは、当然のように購入した肉まんを参加者に配り始めた。
 こういうことか。一流ってこういうことか。自分の小ささを思い知った。恥ずかしい。

 みたいな話を東京に帰ってから後輩にした。その後輩は、陸上部のトレーナーをしていた。で、当時室伏さんも、我が母校、日本大学のグラウンドでトレーニングをしていた。
 「実は、俺も室伏さんの思い出あるんですよ」と言って彼も語り始めた。
 室伏さんは日大のグラウンドを使っていたが、ある日、自腹でめちゃめちゃ高級なトレーニング機器を大学に入れてくれたらしい。そして、学生たちも使っていいよと言ってくれた。
 ところが、納品された初日、さっそく故障した。裏方スタッフであった後輩は、さぞ青ざめたことだろう。これを、どうやって室伏さんに説明する。
 そうは言っても、こんなもの隠してもしかたがない。勇気を出して電話した。それを聞いた室伏さんの第一声は、
 「けが人、いない?」
 いやあ、一流ってそういうことだよな(2回目)。

 ちなみに、怒られたこともある。
それも、何人かのアスリートと一緒に学校を訪問した時の話。
式次第には、まず初めに、準備運動としてラジオ体操を全員でやると書かれていた。
が、当日室伏さんが激怒した。
 「ちょっと待てよ。せっかくアスリートがこどもたちに指導する機会なのに、こんなんじゃアスリートはみんな、練習前にラジオ体操してると思われるじゃないか。それなら俺がストレッチ指導してやる。ラジオ体操が悪いわけじゃない。でも、せっかくトップアスリートがきてるのにもったいないだろ。おまえら、練習の前に毎回ラジオ体操やってんのか、あ?」
 こえー。迫力半端ねー。
 「や、や、や、やってません」
二十歳を超えた10人のアスリートが、直立したまま下を向いた。

 先日、スポーツ長の長官になられた室伏さんと対談させていただく機会があった。
その様子もぜひ見ていただきたい。まさかこの時、もう病気と闘っていたなんて、微
塵も感じさせられなかった。


前編

https://www.youtube.com/watch?v=WPAE6eFX49g


後編


 なんなんだろうか、この男気という言葉だけでは不十分な感じ。まずは1日でも早く元気になってほしい。
なんか、俺も頑張らないとな。


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