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ケーススタディ・オフグリッド・ハウス|CSOH No.08|バレッグス社セカンドハウス

神奈川県三浦市にある株式会社バレッグスの「オフグリッド実験住宅」は、太陽光エネルギーでオフグリッドか可能か実験するべく建設したその名の通りの実験住宅。運用開始から10年ほどが経ち、この10年で見えてきたことや変化などを株式会社バレッグスの代表取締役社長兼グループCEOである大本朋由さま、建築部戸建住宅営業課の渡邉実さま、経営企画室主任デザイナーの工藤綺香さまにお話を伺いました。



建築概要

地域|神奈川県三浦市
竣工年|2014年
設計|株式会社バレッグス/ 渡邉実
構造|木造
階数|2階
敷地面積|454.00㎡
建築面積|90.40㎡
延床面積|180.81㎡


気象条件

□気温
 神奈川県横須賀市には観測所が無いため三浦市のデータを用いる。神奈川県三浦市の気温を平均(2022年)で見ると、最低で6.6度(1月)、最高で26.5度(8月)となる。冬期(1月)の最低・最高気温で見ると、2.7度〜10.6度の幅があった。夏期(8月)の最低・最高気温で見ると、23.8度〜30.6度の幅があった。
 WHO(世界保健機関,World Health Organization)が「住まいと健康に関するガイドライン,WHO HOUSING AND HEALTH GUIDELINES」で定める寒さによる健康被害から居住者を守るための室内温度である18℃以上の勧告値に対して、5月上旬〜10月上旬以外の季節(10月中旬〜4月下旬、5.5ヶ月間)は勧告値を外れる地域となる。

□日照時間
 神奈川県三浦市の日照時間は年間計で2147h(2022年)となる。
 気象庁気象官署別日照時間(1995,2000,2005,2009,2010,2011,2012,2013年より平均を算出、総務省統計局)で見ると、全国56官署(56官署の平均で1890h)のうち横浜(8カ年の平均で2084h)は14番目となり、全国的に見て日照に恵まれた地域であることがわかる。

□風速
 神奈川県三浦市の平均風速(2022年)を見ると、3.0m/s(5月)〜4m/s(4月)までの幅があった。最大風速で見ると、8.4m/s(7月)〜13.9m/s(12月)となり、冬期に風が強い地域であることがわかる。

□風配図
 神奈川県三浦市では、冬期には北北東からの風、夏期には南南西からの風が吹く地域であることがわかる。

神奈川県三浦市の環境特性(気温、日照時間、風速、風配図)

外観および内観

南側前面道路側に傾斜した屋根に太陽光パネルが載る
建物北西側に相模湾に向かう階段がある
海側(北側)前面道路からの見上げ
建物北西側の階段
北側に張り出したデッキから北面の大開口越しに2階リビングを見る
デッキから北側に広がる相模湾を見る
建物西側に設置されたプールは災害時に給水タンクにもなる
東面外壁に設置された給湯器
建物南東角に設置されたプロパンボンベ置き場
建物と離隔して西側に設置された蓄電池庫
蓄電池庫の入口は建物側と反対側の斜面地側(東側)に設けるように指示があったとのこと
蓄電池庫内部
蓄電池庫内のリチウムイオン蓄電池制御盤
整然と並んだ蓄電池
蓄電池制御モニター
蓄電システム制御盤
モニターには発電電力、負荷電力、蓄電池電圧が表示される
蓄電システム制御盤
リビング北側の大開口越しに相模湾を見通す
北側が持ち上げられた片流れ屋根の傾きを著しとした架構
2階北側の和室。壁面上部にエアコンを設置
2階南側階段室および倉庫上部に設置されたエアコン


2階リビングの北側に設置された薪ストーブ
薪ストーブ
バレッグス社の大本社長、渡邊シニアエキスパートと共に

一般図


広域見取図
周辺見取図(真上が北)
配置図兼1階平面図
2階平面図
屋根伏せ図
断面図

空間構成および設備概要

空間構成+設備概要アクソメ図


アクソメ図 北東より俯瞰


アクソメ図 南西より俯瞰

外皮および設備の仕様・性能


システム概要(夏季・冬季システム図)

全体システム図
夏季システム図
冬季システム図

謝辞 
 本リサーチは、(公財)建築技術教育普及センター 令和5年度 建築技術の調査研究又は普及活動を応援する助成「オフグリッド住宅の性能および居住者評価からみたエンヴァイロンメント・デザイン手法に関する研究」(代表:脇坂圭一/静岡理工科大学)の助成を得て進められた。ヒアリングおいては、対象事例の設計者、施工者、所有者各位に多大なご協力を得ました。ここに記して感謝申し上げます。

参加メンバー
 本リサーチは、静岡理工科大学 脇坂圭一研究室に所属する戸塚俊汰(当時・学部4年)、伊藤勢来(当時・学部3年)、梅田怜緒(当時・学部3年)、築地颯(当時・M2)の参画の元、推進されました。また、作図においては、上記に加え、大石蒼佳(当時・学部3年)、ヒアリング文字起こしにおいては、小島千怜(当時・学部1年)も参画しました。

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