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「JAMPの視線」No.20(2020年5月17日配信)

次世代の、挑戦する金融へ
日本資産運用基盤グループ メールマガジン【JAMPの視線】

目次
①JAMP 大原啓一の視点
②NewsPicks ダイジェスト
③メディア掲載情報
④インフォメーション

JAMP 大原啓一の視点 2020年5月17日

これまでも何回もお話させて頂いている通り、証券・資産運用業界が大きな変革期を迎える中、新たな時代の個人向けサービス・ビジネスとして、「資産運用アドバイス」が主流になることを私たちは予想しています。また、そこでの事業モデルとして、米国RIAのような小規模投資運用業者による活動が現実的に困難な日本において、証券会社や運用会社等の金商プラットフォーマーが様々な対面アドバイザーを囲い込み、投資一任スキームを活用した資産運用アドバイス付加価値の提供を行うものが広がると考えています。
ここで、資産運用アドバイスの担い手として、IFA(独立系金融アドバイザー)の存在が足もと注目を集めており、様々な金商プラットフォーマーがIFA事業者へのアプローチやその連携方法等について検討を始めているように見受けられます。確かに証券会社等に従属することなく、独立した立場で金融商品仲介業を営むIFA事業者は、新しい資産運用アドバイスの担い手として重要な存在であることは間違いありません。
ただ、現時点では、IFA事業者の数は法人・個人あわせても900事業者弱、アドバイザー(登録外務員)数でも4,000人弱と、業界規模はまだまだ小さい段階にあります。提供する付加価値やサービスモデルも、一部には資産運用アドバイスに注力する事業者も存在するものの、まだ多くはブローカレッジやアセットマネジメント付加価値の提供に留まっており、まだ資産運用アドバイス付加価値の提供を担う主体として確立した存在にはなっているとは言い難い状況にあります。また、金商プラットフォーマーのビジネスとしても、提供付加価値が確立していないことに加え、個々の事業者の事業規模が小さく、今後も新しい事業者が続々と参入してくることが予想されるなか、急いで囲い込む必要性は大きくないとも考えられます。
このようななか、今後数年間の資産運用アドバイス事業領域の拡大期においては、資産運用アドバイスの担い手として存在感を大きくし、金商プラットフォーマーの囲い込み競争の対象となる本命は、地銀や保険・保険代理店であるというのが私たちの考えです。
地域社会において長年の取引関係に基づく信頼感やブランドを他を寄せ付けない程度に保有する地域銀行や、ライフプランニングからの提案に慣れ親しんできた保険・保険代理店チャネルは、全ての地銀や保険・保険代理店が十分な水準に達しているとは言えないにせよ、資産運用アドバイスの担い手として非常に優位な存在であることは間違いないと思います。また、金商プラットフォーマーの囲い込み競争の観点でも、ひとつひとつの対象の事業規模が大きく、一定以上の規模を有する地銀や保険・保険代理店チャネルの数は限られていることから、他社に先手を打って、早め早めに囲い込む必要性は非常に大きいと考えられます。
従って、IFAの役割や存在を過少評価するつもりはないことは改めて強調しつつも、今後数年間の資産運用アドバイスの拡大期においては、サービスの普及という観点でも、ビジネスルールという観点でも、証券・資産運用会社等の金商プラットフォーマーが優先順位高く考えなければならないのは、地銀・保険・保険代理店であると考えています。
但し、これらアドバイザー提供者となり得る主体に共通することは、証券会社出身者が多いIFAとは異なり、いずれも非証券チャネルであるということです。その所属アドバイザーが経済や相場動向、運用商品の中身の詳細について説明することは困難であり、提供する資産運用アドバイスでもその付加価値を期待するべきではありません。カギとなるのは、これまでのように商品性を前面に出したプロダクトアウト型の提案ではなく、お客様ひとりひとりの目的やゴールに基づき、それらの達成を目指すゴールベースアプローチによる伴走型アフターフォローを基軸に据えた資産運用アドバイスとなります。
金商プラットフォーマーが地銀や保険・保険代理店を囲い込み、付加価値提供で連携する際には、これらを実現するスキームやツール等も総合的に提供することが、競争に勝利する必要条件であると確信しています。この囲い込み競争は今後数年間でほぼ決着に至り、勢力図が確定することを予想しています。

News Picks ダイジェスト(2020年5月11日~2020年5月17日)

2020年5月11日
【フィンテックに新風、ゴールドマン遺伝子の運用革命】
大原コメント→
同じFinGATE Baseに入居するsustenキャピタル・マネジメント様がFinTech第2世代として紹介されています。
弊社・日本資産運用基盤は、TAMP(Turnkey Asset Management Platform)として、・・・(続きを読む)
https://newspicks.com/news/4890993?ref=user_121187

2020年5月11日
【地銀、地域超えた展開必要 SBIHD・北尾吉孝社長】
大原コメント→
SBIHDの「第4のメガバンク構想」は、地域銀行がその戦略資産を活用し、強みとする事業成長に集中できるよう、裏側のシステムや金融商品提供、事務、自己資金運用等をプラットフォーム的に支える必要があるという問題意識に基づいていると思われ、その問題意識や取組みに強く共感しています。
一方、この構想についてまだ腹落ちできていないのは、・・・(続きを読む)
https://newspicks.com/news/4891522?ref=user_121187

2020年5月13日
【セゾン投信のコロナの影響は?評判&今後は?中野晴啓氏を質問攻め!】
大原コメント→
証券・資産運用業界が大きく変わるなか、独立系資産運用会社の代表的存在であるセゾン投信もIFAを通じた資産運用アドバイス付加価値の提供を検討しているというニュースがさりげなく披露されていて驚きです。
それにしても・・・(続きを読む)
https://newspicks.com/news/4900441?ref=user_121187

2020年5月14日
【五味氏、福島銀の社外取に=元金融庁長官】
大原コメント→
金融庁OBが監督対象先に再就職することについて、(森前長官のアフラック役員への就任の件のみならず、)否定的な意見もありますが、個人的には官民の知見がこのような形で相互に共有されることは望ましいと考えています。
勿論、官庁主導の天下りが実質的な慣行として運営されていたり、・・・(続きを読む)
https://newspicks.com/news/4900110?ref=user_121187

2020年5月15日
【銀行大激変、ついに「メガバンク」と「エリート銀行員」が消える…!】
大原コメント→
銀行をはじめとする各種金融機関の従来型事業モデルが転換期にあることは間違いないですが、それら金融機関やそこで働く専門人材の提供付加価値に対する需要がなくなるとは考えていません。
ただ、今後の新たな金融事業モデルにおいては、・・・(続きを読む)
https://newspicks.com/news/4904971?ref=user_121187

メディア掲載情報          

■メディア掲載:ニッキン投信情報でのインタビュー記事掲載
「ニッキン投信情報」で代表・大原のインタビュー記事を掲載頂きました。
https://www.jamplatform.com/news/2020/05/11/1260/

■メディア掲載:「IFAビジネスの可能性と課題」の一般公開
昨年度にIFAナビに連載していたコラムが一般公開されました。
https://www.jamplatform.com/news/2020/05/13/1267/

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