「JAMPの視線」No.259(2024年12月15日配信)
目次
①JAMP 大原啓一の視点
②JAMPメンバーの採用情報
③NewsPicks ダイジェスト
- 代表取締役 大原啓一
- 主任研究員 長澤敏夫
④お知らせ・ニュースリリース
⑤メディア掲載情報
⑥インフォメーション
今週末の我が家は私以外の妻・長男(小学校4年生)・次男(幼稚園年中)がみんな風邪でダウンしており、なかなか寂しい週末でした。幼稚園や小学校でも風邪やインフルエンザが流行っているようで、長男の小学校のクラスは学級閉鎖になっているようです。幸いなことに私は元気なので家族全員が身動き取れないという最悪な状況は避けられましたが、これまでの私のパターンは年末年始の休みになった途端にダウンしてしまい、せっかく帰省してもずっと寝込んで過ごすということがありがちなので、そうならないように気を付けたいと思います。
さて、12月13日(金)に弊社ホームページにて「お知らせ」という形でご報告しましたが、このたび日本資産運用基盤グループはコーポレートロゴをリニューアルしました。これまで使用してきたロゴやコーポレートカラーを一新した背景については、ホームページの「お知らせ」で詳しく述べておりますが、今週のメールマガジンでは、代表である私の個人的な想いをお伝えさせて頂きたいと思います。
2018年5月に私が日本資産運用基盤を創業した時からずっと持ち続けているのは、「資産運用業を通じて日本を豊かにしたい」という想いです。ここには、より良い資産運用サービスを個人・法人のお客様にご利用頂けるようになり、お客様の生活や事業を豊かにするお手伝いをしたいという意味もありますが、それに加えて、これからの日本の経済成長には資産運用業がひとつの大きな産業として確立し、金融機関の資産運用ビジネスの生産性・収益性が高まり、日本のGDPや雇用、税収等にも貢献し、文字通り日本が資産運用業によって豊かになる、そこに貢献したいという意味も同時に込めています。サービスとしても、ビジネスとしても、「資産運用」はより豊かにならなければならない。このような目標を実現するためには、資産運用業界の構造を垂直統合型から水平分業型へと転換し、その「基盤」となる役割を果たしたいと考えてきました。この想いは創業当初から変わっておりません。
そのような考えから、創業当初のコーポレートロゴは、田んぼと稲をモチーフにしたものにしました。「日本を豊かにしたい」という想いを込めるのであれば、日本の豊かさのひとつの象徴である稲穂をロゴに用いたいという考えは、実は前職のマネックス・セゾン・バンガード投資顧問の代表を務めていた頃から持っていました。当時のマネックス・セゾン・バンガードのコーポレートロゴは、また別の豊かさの象徴であるトンボでしたが、同社のゴールベース型ラップサービスのサービスロゴのモチーフに田んぼと稲を用いるというアイデアも持っており、結果的にその案は見送られたものの、どこかで使いたいなという気持ちがずっとありました。そんな経緯もあり、日本資産運用基盤を創業した時、田んぼと稲を表現する正方形4つの組み合わせというシンプルなマークをコーポレートロゴにすることに何の迷いもありませんでした。
その後、事業が進展する中で、コーポレートカラーを緑から濃紺に変更し、信頼感と安定感を伝える工夫を行いました。しかし、ロゴのデザインそのものは変えず、稲を象徴する正方形4つの組み合わせを維持してきました。ただ、このロゴに込めた想いを十分に共有できていなかったため、社員の間でもロゴの背景を知る人は少なかったように思います。
今回、コーポレートロゴをリニューアルすると決めたのは、事業が発展するなかでの強い問題意識が背景にあります。お蔭さまで「日本資産運用基盤」という存在の認知も金融・資産運用業界で高まりつつあることに加え、弊社提供ソリューションの導入実績も増えており、創業当初に目指していた「『基盤』として資産運用業界の発展に貢献する」ということができつつあるという手ごたえを感じています。一方、いまなお、「社名はよく耳にするけれど、実際に何をやっているのかよくわからない」「HPをみてもさっぱりわからない」というご意見を頂くことが多くあり、弊社の取り組みについて十分にご理解頂けていない、時には誤解されていることすらあることに、過去1‐2年ほど強い問題意識を感じてきました。
そのため、公式の「お知らせ」でも述べさせて頂いていますが、今回のシリーズDラウンドの資金調達を機会に、当社の理念や事業内容、具体的なソリューション、金融機関のお客様にとっての付加価値などを体系的に整理し、情報発信を改めて行うため、当社のコーポレート・アイデンティティの取り組みを見直すこととしました。コーポレートロゴのリニューアルはその一環であり、今後数か月ほどかけて、当社コーポレートサイトや各種説明資料等の刷新も漸次進めていく予定です。「日本資産運用基盤はどんな会社なのか」「どんな風に業界の『基盤』として資産運用業の発展に貢献しようとしているのか」「金融機関の皆さまに具体的にどんな風にお役に立てるのか」等、より正確にご理解を頂き、双方向のコミュニケーションを活性化できるよう、この機会に全面的にコーポレート・アイデンティティのあり方を見直したいと考えています。
コーポレートロゴの変更に当たっては、ロゴ作成専門のデザイナーの方にご相談させて頂き、私たちの想いや目指す方向性等を汲んで頂いたロゴ案をいくつかご提示頂きました。どのロゴ案も素晴らしく、捨てがたいものばかりでしたが、最終的に選定した今回の新しいコーポレートロゴは、濃赤(Deep Red)というカラーも含めて、振り返ってみると最初から私の心の中では本命として決まっていたように思います。「お知らせ」で説明させて頂いた通り、「落款」や「印影」をイメージしたロゴマークですが、私は個人的に「日の丸」のイメージも感じ、そこに日本の発展に貢献するという創業来の想いが表現されているようにも感じました。従前のコーポレートロゴとは異なったテイストにはなりますが、私たちがこだわっている想いもあますことなく表現できていると感じたのが、最終的な決め手でした。自分たちごとながら、とても良いコーポレートロゴになったと嬉しく感じています。
なお、実は議論の過程では、「日本資産運用基盤という社名も見直すべきではないか」という意見も社内メンバーから出ました。金融機関から信頼される堅実な社名であるべきだということも理解できるが、とにかく長すぎて一度では覚えてもらえない、政府の外郭団体やNPO法人等と間違われる、いっそのこと金融機関の皆さまに親しみを持って頂いている「JAMP」の略称を活かし、「JAMP株式会社」とかにした方がシンプルでいいんじゃないか。そんな意見も出たりしました。
ただ、私は「日本資産運用基盤」の社名の変更には強く反対しました。この社名は、金融機関の皆さまから信頼される安定感ある堅実なものであるべきだという考えももちろんありますが、何よりも「私たちは資産運用業界の『基盤』になるんだ」「資産運用業界のここでやっていくんだ」という目指す役割・存在へのコミットメントの気持ちを強く込めたものであり、弊社の存在意義の全てを表現したものであるという考えを持っているためです。もしかすると将来的に「日本資産運用基盤グループ」の「グループ」を外し、よりシンプルにする等の可能性はありますが、「日本資産運用基盤」という社名は、コーポレート・アイデンティティのど真ん中だと考えており、今後も変更するつもりはありません。
今週は、コーポレートロゴのリニューアルという皆さまにとってあまりご関心がないであろう話を長々と書き散らかしてしまい、失礼しました。今回のシリーズD資金調達を機に、私たちがコーポレート・アイデンティティの取り組みを見直し、金融・資産運用業界において「基盤」としての役割を担い、日本の資産運用サービス・ビジネスの成長に貢献させて頂きたいという考えを改めてお伝えしたく、この場をお借りしました。今後とも全力で頑張りたいと思いますので、ご指導を頂きますようお願いいたします。
■日本資産運用基盤グループでは、事業拡大に伴い一緒に働くメンバーを募集しています。
弊社にご興味のある方、ぜひ働きたいという方はこちらからお申し込みください。
まずはお話だけでも、という方も大歓迎です!
代表の大原とのカジュアル面談でもいいかな、という方ももっとウェルカムです!!
【【完全図解】たった6年で日本を席巻「PayPay帝国」の全貌】
大原のコメント→
決済手段としてのPayPayが過去数年という短い期間で存在感を大きくしたというのは全く異論がありませんし、凄まじいことだなと感じるものの、これからの展開として全ての金融サービスを提供する総合プラットフォームへ成長するかというと個人的には難しいように予想しています。
以前からNewsPicksコメントでもしばしば述べさせて頂いている通り、主要金融機能のうち資金移転(決済・送金)と資金供与(融資)については、ユーザーが当該金融機能を用いて手当てする資金需要の時期が現在もしくは近い将来であり、専門家のサポートも必要なく、スマホ接点に親和性が高いという特徴を持っていますが、その他の資産運用とリスク移転(保険)については、資金需要の時期が遠い将来であり、スマホ接点に親和性が低いという特徴があります。
従って、PayPayがこれから金融サービスを横展開していくに当たっては、決済金額のチャージ目的で資金供与(融資)機能を提供することへの成長可能性は大きいでしょうが、多くの金融機関が見込んでいる資産運用や保険サービスの提供ということでいうと、PayPayアプリを起点とした成長可能性は小さいというのが私見です。
あり得るとすると、資産運用やリスク移転(保険)についても、比較的近い将来かつテーマが絞った形での機能提供、つまりポイント運用や少額短期保険(損害保険)等であればスマホでも親和性があると思われ、そこでのサービスの広がりはあるように感じます。ただ、その場合には、事業としての収益性に乏しいという別の課題は出てくると考えています。
【投資信託「eMAXIS Slim S&P500」手数料下げ 競争激しく】
大原のコメント→
「安いことはいいことだ、それが顧客本位だ」という誤ったテーゼのもと、金融機関の持続可能な収益性を放棄している流れが良いことだとは決して思いません。
お客様の長期的な資産形成・運用をサポートするためのサービスを提供し、継続的にその技術を向上させるのであれば、金融機関側にも相応の収益性が必要であり、「ボランティア」と金融業界関係者が自虐的に表現する現状は全く真逆な方向に進んでいるように感じます。
私が資産運用業界に飛び込んだ20年強前は、日本の生活者の人生を支えるという意義のある仕事であるとともに、業界としても大きく儲かり、お客様とともに豊かになるという絵姿を思い描いていました。
そこからずいぶんと時間が経ち、「資産運用立国」の旗印が掲げられたことは喜ばしいことですが、お客様に提供する付加価値を向上させることよりも手数料の引き下げに懸命になるデフレスパイラルを意図的に発生させ、お客様の生活が豊かになったかどうかは実感ない一方で、業界としてはもはや儲からない流れにあることは確実になっている状況は果たして誰が望んだものなのだろうかという気がします。
【庶民の味「粉もん」に危機 たこ焼き、お好み焼き店で倒産相次ぐ】
大原のコメント→
2番目の弟が関西でたこ焼き居酒屋チェーン「たこまる」(https://takomaru.com/)を経営しています。頑張って欲しいです。
【NISAの「主役」は誰? 実は意欲的な50代以降 知っ得・お金のトリセツ】
長澤のコメント→
資産所得倍増プランでは、口座数は22年6月末の1,700万から5年間で倍の3,400万を目標にするとしています。足元の口座数は2500万程度かと思われますが、資産運用に興味を持ち、能動的に動く人の口座開設は一巡したのではとの見方もあります。更なる資産運用の裾野の拡がりには、対面でのアドバイスなどにより背中を押す必要があると思われ、老後資金の準備などある程度まとまった金額の運用については特にその傾向があるのではないかと思われます。しかしながら、対面金融機関にとっては、NISAだけでは取引採算が合わないともいわれ、NISAをドアノックツールに使いつつ、いかにクロスセルに結び付けるか悩ましいところかと思います。
【インデックス投信、運用会社収入15分の1 利益なき繁忙へ インデックス投信革命 (中)】
長澤のコメント→
運用会社の委託者報酬と販売会社の代行手数料はほぼ折半という銘柄が多いので、信託報酬率の低下は当然販売会社の収益環境にも影響を与えることになります。コミッション重視からフィー重視へと収益安定化を求めて残高重視の営業をしても、これでは固定費をカバーすることは到底困難かと思います。以前であれば、投資信託が儲からなければ仕組み債へなど他の商品に流れていたものが、それも外貨建て保険とともに売りづらくなっており、対面営業を持続可能とするためには資産運用アドバイスとそこから得られるアドバイスフィーに提供付加価値を見出すしかないものと思われます。
【個人の保有する投資信託「1〜2本」が半数 偏る資産、膨らむリスク インデックス投信革命 (下)】
長澤のコメント→
投信保有が1~2本の投資家が多いという状況は今に始まった話ではなく、10年ほど前に公表された金融庁のレポートをみると1銘柄の人が過半で2銘柄の人を加えると8割近くに達していました。ただ当時は保有している銘柄が売れ筋となっているコスト・リスクの高い商品が多いとされ、その点低コストのインデックス投信が浸透したということは顧客の立場からすると進歩かと思います。
一方、分散投資の観点から、保有銘柄数が少なくてもバランス型であれば分散が効いていると言えますが、記事にあるように海外株インデックス投信を1~2本持っている投資家が多いとすると、相場急変時の損失に心理的に耐えられるか懸念されます。
対面金融機関であれば、分散投資のアドバイスがかなり浸透してきていると思いますが、若年層の場合、一般には投資資金が大きいとは言えず、金融機関側からすると対面でのアドバイスの対象になりにくいセグメントかと思われ、こうした層にはJ-FLEC認定アドバイザーの活用が期待できるのではないかと思われます。
■コーポレートロゴをリニューアルしました
■メディア掲載:ニッキンオンライン
弊社が提供する日本版ファンドマネジメントカンパニーソリューションを用いた資産運用会社の事業効率化・高度化について、ニッキンオンラインでご紹介頂きました。
「信託銀、運用業改革を後押し 外部委託ニーズ取り込む」
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