見出し画像

「JAMPの視線」No.159(2023年1月15日配信)

次世代の、挑戦する金融へ
日本資産運用基盤グループ メールマガジン【JAMPの視線】

目次
①JAMP 大原啓一の視点
②NewsPicks ダイジェスト
- 代表取締役 大原啓一
- 主任研究員 長澤敏夫
③メディア掲載情報
④金融専門人材募集情報
⑤インフォメーション

JAMP 大原啓一の視点 2023年1月15日

金融機関で働きながら大学で哲学を学んでいるシニアな方と数日前に話していた時に、「日本資産運用基盤の強みは『概念工学』的アプローチを基礎にしているところだよね」と言われ、驚きとともに目からうろこ的な納得感を感じたということがありました。
私が不勉強で知らなかったのですが、「概念工学(Conceptual Engineering)」とは、哲学的方法論の名称であるとともに、メタ哲学的研究のうちで広がりつつある学問領域の名称でもあるそうで、知識や人種、ジェンダーといった既存の概念が何を意味しているのかを問うのみならず、「概念工学」は、これらの既存の概念は必ずしも理想のものとして完成していないという考えのもと、何を意味すべきかをより積極的に問う取組みを表現しているとのことです。
そのシニアな方が仰るには、例えば、弊社が提供するゴールベースアプローチ型ラップ支援ソリューションは、提供するシステム等のソリューションそのものの内容や技術等は特別なものでは無いのだけれども、その手前にある「『資産運用』や『ゴールベースアプローチ』とはそもそもなんぞや、どうあるべきか」という「概念工学」的アプローチでの概念再定義が新鮮で、多くの共感を得ており、提供するソリューションもそこで再定義された新たな概念を正確に実装しているため、金融機関のお客様に評価を頂けているのではないかということです。
確かにそういわれてみると、私は昔から天邪鬼な性格のためか、一般に当然のように用いられている表現や概念等であっても自分で腹落ちしないと気持ち悪く、例えばこの日本資産運用基盤という会社を立ち上げた時も、「そもそも『会社』って何だ、どうあるべきか」「『社長』って、『雇用』って何だ。『株式』って何だ」とかを悶々と考え込んだりしていました。当社のゴールベースアプローチ型ラップ支援ソリューションの開発に際しても、「『資産運用』は『投資』とは異なり、他の主要金融機能同様に本来的にゴールベースであるべきだ」「ゴールベースアプローチに基づくサービスはポートフォリオよりもプランに重きを置くべきだ」等、一般的にどう考えられているかというのは関係なく、自分たちなりに「こうあるべき」を改めて再定義し、それを実装することに注力をするというアプローチを取りました。その過程では、新たな概念を正確に実装するために「投資一任契約内蔵型投信活用スキーム」等の業界的には新たな手法等も開発したりはしましたが、確かに当社のユニークなところはそのような新たな手法等にあるのではなく、その前工程の概念再定義、つまり「概念工学」的アプローチにあるのかもしれません(これはゴールベースアプローチ型ラップ支援ソリューションのみならず、当社の投資信託委託業支援ソリューションや地銀有価証券運用支援ソリューション等でも、言われてみると確かに前工程で「投資信託事業とはどうあるべきか」「地銀の有価証券運用事業とはどうあるべきか」等、そのような概念再定義の作業を行っています)。
ただ、これは見方を変えると、当社がそのような「概念工学」的アプローチをしているというところではなく、金融業界的にそのようなアプローチが求められている局面にあるということも言えるのかもしれません。「資産運用」等のみならず、新しい情報通信技術や金融技術、法制度、社会情勢の変化等を受け、これまで当然のように用いられてきた金融事業に係る諸概念がもはやそのままでは成り立たず、新たな概念への昇華が必要とされている、だからこそ私たちの勝手な再定義の取組みに関心を持って頂けるという土壌ができてきているという見方もできるように思います。
私がここ足もとよく考えているのは、「『地域銀行』を『地域銀行』たらしめているのは何なのか、その観点で『地域銀行』は今後どうあるべきなのだろうか」ということです。地域銀行業界で持ち株会社化の動きが広がり、銀行機能がそのグループ内でひとつの事業という位置づけになるなか、例えば将来的にその地銀グループの売上に占める銀行事業の割合が低下していき、70%、60%、50%、40%と徐々に低下していったとき、どこまで低下するとそのグループは「地域銀行」ではなくなるのか。それともその場合でも「地域銀行」であり続けるのか。仮にある「地域銀行」が自らは銀行免許を返上し、メガバンク等の銀行代理業者として当該地域で銀行機能を提供するという経営判断を行なった場合も、その「地域銀行」は「地域銀行」であり続けるのか、等。そのような思考実験を通し、「『地域銀行』は今後どうあるべきなのだろうか」ということが見えてくるようにも思います。それは金融業界内の他の業態でも同じであろうと思います。
金融業界が大きな変革の局面を迎えているなか、日本資産運用基盤は今後もこのようなアプローチを通じ、金融機関の資産運用事業のあるべき方向性について、金融機関のお客様とともに考え、実行する役割を担ってまいりたいと思います。

News Picks ダイジェスト(代表取締役 大原啓一)

2023年1月13日
【金融庁、全地域銀に実態調査 仕組み債販売で「顧客本位」検証求める】
大原のコメント→
地域銀行等による一般生活者向けの仕組債販売については昨年から問題意識が広がっており、今回の金融庁による実態調査もその一環として驚きはありません。
ただ、今回のニッキン記事(及び日経新聞記事)で私が着目したのは、両紙の記事ともにその他に当局が問題視する商品カテゴリーとして外貨建て保険が言及されている一方、昨年まで出ていたファンドラップへの言及が無くなっていることです。
当局関係者との意見交換においても、「地域銀行等によるファンドラップ販売に問題意識は持っているものの、仕組債等とは異なり、適切に提供すればファンドラップは顧客本位に資する可能性があり、育てていくべきもの」旨の認識を聞くことがありますが、・・・(続きを読む)

2023年1月13日
【池田泉州銀、3年ぶりにさい銭勘定 今宮戎神社「十日戎」】
大原のコメント→
私はまさに大阪市浪速区(「じゃりン子チエ」の舞台の新世界という通天閣の下町)に生まれ育ったので、子供の頃はいつも正月過ぎの「十日戎」、通称「えべっさん」のお祭りを楽しみにしていました。
東京に上京してからは「十日戎」で商売繁盛を願う機会もなくなりましたが、このような記事を読むと、「ああ今年も正月が終わったなあ」という感慨を感じます。
ちなみに初めてつくった銀行口座は池田銀行(現・池田泉州銀行)で、いまも生命保険契約の毎月の引き落とし等でお世話になっています。

News Picks ダイジェスト(主任研究員 長澤敏夫)

2022年1月12日
【〈貯蓄から投資 再起動〉(下)好調の外貨保険、リスクも】
長澤のコメント→
金利の上昇に伴い外貨建て保険の販売が好調とのことですが、記事にあるような平準払いであれば、予定利率については毎月見直されるでしょうから、必ずしも足下の金利が保証されているわけではないものの、ドルコスト平均法による為替レートのリスク分散とともに、金利についても分散されるので、加入時期を選ばないといった点では悪い話ではないのかもしれません。
 しかしながら、記事にもあるように、短期間で解約した場合の契約返戻金については、ほとんど戻ってこないケースもあるようで、その可能性があるのであれば、単純に外貨預金で積み立てた方が良いのではないでしょうか。
 以前、ファミレスで食事をしていたら、隣のテーブルで、若い夫婦と思われる顧客に外貨建て平準払い保険のセールスをする会話が思わず耳に入ってしまい、為替リスクがあるのではと尋ねる顧客に対して、・・・(続きを読む)

2022年1月13日
【金融庁、仕組み債販売を一斉調査】
長澤のコメント→
以前全銀協が加盟行における仕組み債等の販売実態をアンケート調査するとの記事がありましたが、その結果を受けての調査でしょうか。
 ここ数か月で、多くの銀行や証券会社で仕組み債の販売を停止するというニュースが続きましたが、苦情が出ている金融機関と全く出ていない金融機関に分かれているとも聞きます。どのような属性の顧客に販売したのかなどの分析結果に興味が湧きます。
 昨年暮れにQUICKが行った「個人の資産形成に関する意識調査」において、仕組み債の購入理由として「債券なので、株式など他の資産と比べて、リスクが小さく安全そうだと思ったから」と回答した人が一定数いました。退職金や預金から投資を行った人が、仕組み債はいわゆる「債券」のイメージとは違うリスクプロファイルを持っているにも関わらず、・・・(続きを読む)

メディア掲載情報

■メディア掲載:三菱UFJ信託銀行との事業提携に関する記事掲載
日本版FMC事業における三菱UFJ信託銀行との提携がニッキン投信情報で紹介されました。
「日本版FMC機能を提供」

https://www.jamplatform.com/news/2023/01/12/3696/

金融専門人材募集情報

日本資産運用基盤グループが採用をご支援している金融機関の人材募集情報です。 

1)国内系金融機関 - CGO/前職を考慮して検討
https://www.jamplatform.com/hr/job/3674/

 2)金融系コンサルティングファーム - アクチュアリー/~1,800万円https://www.jamplatform.com/hr/job/3702/

3)独立系運用機関 - コンプライアンスオフィサー/~1,000万円(ベース)
https://www.jamplatform.com/hr/job/3254/

 4)本邦金融機関 - 経営企画部門マネージャー/~1,500万円https://www.jamplatform.com/hr/job/3217/

5)外資系金融機関 - 経理部長候補/~2,000万円(インセンティブ別途)https://www.jamplatform.com/hr/job/3491/

 6)大手金融系コンサルティングファーム - クレジットリスクアナリスト/~1,500万円(インセンティブサラリー別途)https://www.jamplatform.com/hr/job/3401/ 

7)外資系金融機関 - ジャパンデスク/~1,200万円(前職の水準を考慮して検討)
https://www.jamplatform.com/hr/job/3421/

8)外資系金融機関 - カントリーマネージャー/前職を考慮して検討
https://www.jamplatform.com/hr/job/3650/

9)本邦大手金融事業法人 - PEを中心とした流動性資産のゲートキーパー/~2,500万円(インセンティブサラリー別途)
https://www.jamplatform.com/hr/job/3346/

10)本邦金融機関 - 運用部門アシスタント/~600万円
https://www.jamplatform.com/hr/job/3692/

ここに掲載している情報以外にも多くの人材採用ご支援をさせて頂いています。
ご関心ある方は https://www.jamplatform.com/hr/ からご登録をお願いします。

インフォメーション

個別のご質問・ご相談会を無料で定期的に開いています。お気軽にお申し込みください。
https://www.jamplatform.com/contact/

■メールマガジン登録
毎週日曜日22時にJAMPメールマガジン「JAMPの視線」を発信しています。
ご興味のある方は是非こちらから登録をお願い致します。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?