「JAMPの視線」No.224(2024年4月14日配信)
目次
①JAMP 大原啓一の視点
②NewsPicks ダイジェスト
- 代表取締役 大原啓一
- 主任研究員 長澤敏夫
③メディア掲載情報
④インフォメーション
私はお酒と同じくらい甘いものが大好きなのですが、そのなかでも特にどら焼きが大好きで、ほとんど毎日のように1日1個はどら焼きを食べています。そんな私が最近ずっとハマっているのが、シャトレーゼの「北海道バターどら焼き」です。過去に食べたことがあったのですが、つい先月末に通勤乗換駅の飯田橋駅のローソンで再会し、そこから毎日欠かさず買っています。「塩気のあるバタークリームと粒あんを組み合わせた和と洋のコラボレーション」は看板に偽りなしの美味しさで、どんなに大変な一日であってもデスクに「北海道バターどら焼き」が待っていると思うと頑張れる、そんな存在です。どら焼き好きの方はおススメするまでもなくご存じだと思いますが、そうでない方もぜひお試し下さい。ちなみに飯田橋駅には大阪が誇る洋菓子のヒロタの販売店もありますが、ヒロタの「贅沢プリン」もぜひ一度お試し頂きたいおススメスイーツです。
さて、日本銀行がマイナス金利政策の解除を決定したことを受け、当面の間は金融緩和政策を維持する姿勢を示してはいるものの、同政策の一環でこれまで購入してきた70兆円強(時価ベース)ものETFの今後の取り扱いについての議論が活発になってきているように見受けられます。同じくこれまで購入してきた国債は償還に伴って残高が減少するのに対し、ETFは売却しない限りは日本銀行のバランスシートに残ってしまうことは関係各所の頭の痛いところかと思いますが、一方で株式市場の上昇で巨額の含み益が生じているのは嬉しい悩みといえるかもしれません。
Nikkei Financial等の報道によると、政府内では少子化対策やこれからの成長産業と期待される半導体関係領域への投資等の財源として活用するプランも検討されているようです。確かにこれからの日本の将来を考えた場合、少子化対策は国の存亡がかかっていますし、成長領域に積極的に投資を行うというのも十分に検討に値すると思います。ただ、私が資産運用業界の人間であるというポジショントークもありますが、政府が足もと「資産運用立国」の旗印を掲げ、インベストメントチェーンの活性化に日本の経済成長の期待を寄せているいま、この「埋蔵金」をより積極的にその目的に使ってほしいという気持ちを強く持っています。
例えばですが、全ての日本国民を対象に日本銀行が保有するETFを分配するのが良いのではないかと考えています(1人あたり約50万円)。その際、受け取るためにはNISA口座の開設を前提とするとNISA口座が一気に広がりますし、そこでETFを初めて保有する人たちがリスク性資産による資産形成・運用に関心を持つことも考えられますので、間接的に預貯金に偏重している家計の金融資産が投資や資産運用に動き出すきっかけになることも期待されます。もちろん、分配したのちにすぐに多くの人々が売却に動くと株式市場にネガティブな影響を及ぼすことも懸念されますので、最低保有期間等を予め設けておいたり、長期保有した場合には追加的な節税メリットを付与する等の仕組みがあっても良いかもしれません。
いずれにせよ、これまで長期的に続いたデフレ環境からの脱却やマイナス金利政策の解除、株式市場の上昇等の経済・金融市場の変化、資産運用立国実現プラン等の政策面の変化等もあり、私たちの日本社会を取り巻く環境が新しい局面を迎えていることは間違いありません。日本銀行の「ETF埋蔵金」もそんなポジティブな変化を後押しするような目的のために効果的に活用されることを祈念しています。
【ネット証券、富裕層囲い込み 収益源を多角化 SBI証券、系列銀の窓口拡充 マネックス証券、営業員2倍に増強】
大原のコメント→
証券売買委託手数料の無料化や投信信託報酬の低価等受け、リテール金融ビジネスの収益性が全般的に低下しているなか、オンライン金融機関が対面接点での付加価値提供に注力しているのは記事の通りかと思います。
ただ、対面接点に付加価値や収益性がまだ残っているのは事実ですが、これまで非対面接点での金融商品・サービスの提供に最適化してきたオンライン金融機関が対面接点での事業運営を軌道に乗せるのは容易ではないと考えます。
取り扱う商品・サービスや事業モデルが非対面接点に最適化されてきたのもさることながら・・・(続きを読む)
【英当局、株式調査・取引の手数料分離規制を撤廃へ】
大原のコメント→
リサーチ機能を利用する手数料を証券売買手数料から分離するアンバンドリングは確かに金融サービスの最終受益者が隠れたコストを負担することを避けるためには理想的に思えますが、実際のビジネスにおいては機能せず、結果的に最終受益者が受ける便益が損なわれるという結果になったのは興味深いと思います。
英国等では同様の理想主義的な観点から独立系アドバイザーによる金融商品の販売手数料の徴収を禁じる規制も導入されていますが、そちらも結果的には個人顧客が受けられるアドバイスが損なわれるという批判も一部にはあると耳にしており、・・・(続きを読む)
https://newspicks.com/news/9844521/?ref=user_121187
【三井住友DSアセットマネジメント、アメリカで日本株アクティブETF上場 国内勢初】
大原のコメント→
米国のリテール市場で販売ネットワークを持たない日系資産運用会社が同市場に参入するにはアクティブETF商品を米国証券取引所に上場するというのは非常に効率的なアプローチだと思われ、今後は他の日系資産運用会社も追随することが期待されます。
このようなアプローチは日本国内のリテール市場に販売ネットワークを持たない海外資産運用会社が日本のリテール市場に参入する際にも同じく有効であると思われ、資産運用立国の文脈で海外資産運用会社を日本に誘致する際には、そのアクティブETF商品をいかにスムーズに東京証券取引所に上場させることができるかという仕組み作りが重要になると思われます。
この点、今回の三井住友DSアセットが利用したようなホワイトラベルETFソリューションが日本でも提供されることが必要不可欠であると思われ、・・・(続きを読む)
【【図解】サイバー藤田も激推し。麻雀は現代人の「必須科目」だ】
大原のコメント→
私は社会人のコミュニケーションツールと言われているゴルフは生まれてから一度もしたことがないのですが、麻雀は社会人になってから概ね欠かさず月に1-2回は嗜んでいます。
ここ数年は通常の4人麻雀ではなく、変形の3人麻雀を楽しむことが多いのですが、それでもやはり金曜日の夜の時間をとりとめのない話をしながら一緒に過ごすと仲良くなりますし、・・・(続きを読む)
【国民の「金融リテラシー」向上のための機構、政府が設立--学びの場を提供へ】
長澤のコメント→
昨年「金融経済教育推進機構」の創設に関する国会での議論を見ていましたが、野党は官僚の天下り先とならないかといった質問が中心で、それはそれで牽制という意味はあるのかもしれませんが、如何に国家戦略として国民の金融リテラシー向上を官民挙げて取り組んでいくのか、といった本質的な議論が十分なされていなかったような気がしました。
今回同機構が正式に設立されましたが、金融経済教育については、20年以上その重要性が指摘され様々な取組みがなされてきたものの、国民の間に十分浸透しているとは言えず、・・・(続きを読む)
【地銀、「想定顧客」記載方法で苦慮か 外貨保険の重要情報シート 生保協が4月に指針改正】
長澤のコメント→
外貨建て一時払い保険の「重要情報シート」における想定顧客層の記載について、設定次第で販売ターゲットが絞り込まれることになると、「自らの首を絞めかねない」(地銀関係者)懸念があるので悩ましいとのことですが、販売対象を絞るための想定顧客層の記述ではなかったのかという疑問が湧いてきました。
生命保険協会では、想定顧客層の記載例として、「まとまった資金を長期にわたり運用しながら、保障を準備したい方」を示したとのことですが、・・・(続きを読む)
■コラム公開:コンプライアンスチームの連載noteの公開
新興・海外資産運用会社の立上げ等の支援を提供している弊社コンプライアンスチームがnoteに第42回目の記事を公開しました。
「「金融商品取引法及び投資信託及び投資法人に関する法律の一部を改正する法律案」の概要について」
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