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「JAMPの視線」No.145(2022年10月9日配信)

次世代の、挑戦する金融へ
日本資産運用基盤グループ メールマガジン【JAMPの視線】

目次
①JAMP 大原啓一の視点
②NewsPicks ダイジェスト
- 代表取締役 大原啓一
- 主任研究員 長澤敏夫
③お知らせ・ニュースリリース
④メディア掲載情報
⑤金融専門人材募集情報
⑥インフォメーション

JAMP 大原啓一の視点 2022年10月9日

2022年度下期が開始した先週10月3日、しずぎんFG(静岡銀行が中核)やいよぎんHD(伊予銀行)、ちゅうぎんFG(中国銀行)、あいちFG(愛知銀行・中京銀行)といった地域銀行グループの持ち株会社が発足しました。このうちあいちFG以外は地域銀行の一行単独での持ち株会社体制への移行であり、2020年10月に広島銀行のひろぎんHDへの移行を皮切りに、一行単独でも積極的に持ち株会社体制を活用しようとする地域銀行グループの経営戦略が広がりつつあるように見受けられます。
このような動きの背景にある大きな要因は、従来型の銀行事業モデルの行き詰まりとそこからの転換があることは否定できないと思います。よく言われることではありますが、一般事業法人がマクロで資金余剰に転じ、借入れ需要が大きく減退するという構造変化に加え、足もとは超低金利環境が継続しており、これまで銀行経営を支えてきた預貸モデルは限界を迎えており、他に安定的な代替収益源を持たない地域銀行はその存続が危ぶまれるという厳しい状況にあります。日本社会において地域銀行が果たしてきた機能の必要性・重要性が低下してきている表れであると言えるかもしれません。
ただ、これは私がいつも繰り返し申し上げていることではありますが、そのことは、地域銀行が地方の法人や一般生活者に提供できる付加価値が無いということや地域銀行の存在意義が無いということを意味するものではないことは、今日ここでも改めて強く主張したいと思います。
例えば、借入れ需要が無い法人であっても、特にコロナ禍に対応する制度融資で多額の負債を背負う企業にとっては、資本の需要は強く見込まれ、資本調達を直接・間接に支援する金融機関の存在価値は非常に大きいことは言うまでもありません。また、個人領域でも、高齢化が進む一方、公的年金制度のみに頼ることが難しい状況になりつつあるなか、一般生活者が自助努力で将来の生活に必要な資産形成を行なう際、適切なコンサルティングや資産形成・運用手段の利用、継続的なサポート等に対するニーズは今後より一層に大きくなっていくでしょう。地域金融機関が提供し得る金融サービスを銀行の預貸に限定せず、顧客となる法人や生活者のニーズを基礎に考えた場合、幅広い金融サービスに対するニーズは、引き続き強くあることに変わりないように思います。
また、地域金融のみならず、地方経済の活性化という観点においても、その基盤を構築・運営し得る主体として、地域銀行の存在は欠かせないと考えます。これも言うまでもないことですが、地方経済が直面する問題に対応し、その活性化を実現するためには、地方公共団体を中心とする「官」の取組みだけでは不十分であり、「民」の立場での取組みが中心となることが不可欠です。地方の経済主体というと、電力・ガスや電鉄等の企業も少なからずありますが、それらが幅広い経済主体の活動を支える基盤を構築できるかというとなかなか限界があり、そこで主役になるのはやはり地域銀行になるであろうことは異論が少ないのではないかと思います。
地域銀行グループが営むことができる事業領域が拡大できるような法整備が進むなか、地域銀行グループの持ち株会社の傘下の事業子会社の数や種類も増えていくように予想します。日本のGDPの約6割は地方経済が創出しており、「地方創生は課題ではなく、希望」(日本人材機構の小城前社長)です。多くの地域銀行/地域銀行グループが掲げる「地域金融の活性化」「地域経済への貢献」等のパーパスに整合するような付加価値の探索や提供を通じ、新たな時代の地域銀行が地方創生と成長の要として、その存在感を高めていくことを信じています。弊社も微力ながらその新たな取組みのお役に立てるように努めてまいりたいと思います。

News Picks ダイジェスト(代表取締役 大原啓一)

2022年10月5日
【ETF手数料、ブラックロック半値に 運用会社が消耗戦】
大原のコメント→
投資信託(ETF含む)商品は数が飽和しており、新規商品開発の限界効用や商品あたりの提供付加価値は急激に低下しているため、資産運用会社にとっての収益性は非常に厳しい状況になっています。
このような運用報酬の引き下げが全体のパイ拡大につながればまだ正当化もできるでしょうが、特に個人生活者の資産運用の手段として浸透するほどの提供付加価値の拡大に踏み込めていない現状、限られたパイを前提に単純に利ざやを縮小しているだけのチキンレースの様相を呈してしまっています。
これからの資産運用会社のビジネスとして、個人生活者のライフプランをサポートするような資産運用コンサルティングの工程にまで踏み込むような付加価値提供が求められ、その打ち手として、・・・(続きを読む)
https://newspicks.com/news/7642567?ref=user_121187

News Picks ダイジェスト(主任研究員 長澤敏夫)

2022年10月7日
【野村・大和、仕組み債販売停止】
長澤のコメント→
銀行や地銀系証券会社などリスクの高い商品を比較的望まない顧客層を抱える金融機関に続き、野村証券や大和証券などの大手証券会社まで仕組債の販売を当面停止するとの判断を下したことにより、他の中堅以下の証券会社や、残りの地銀系証券会社にも販売停止の動きは波及していくものと思われます。
 こうした中、「仕組み債の収益に依存していた金融機関や仲介業者は立ちゆかなくなる」との金融庁関係者の発言が書かれていますが、実際地銀系証券会社では、8~9割の収益を仕組み債に依存していると推定される先もあります。今まで横並びで仕組み債を販売していた証券会社にとって、・・・(続きを読む)
https://newspicks.com/news/7650957?ref=user_6551307

お知らせ・ニュースリリース

■地域銀行の有価証券運用事業に関するWebセミナー開催
足もとの地域銀行の有価証券運用事業の困難とその対応の方向性についてのWebセミナー動画を公開しました。
「地域銀行の有価証券運用事業の課題 -パラダイムシフトにどう対応するか-」
https://www.youtube.com/watch?v=DWmfoS7O134

■ゴールベース型ラップに関する勉強会開催
ゴールベースアプローチ型ラップについてのWeb勉強会動画を公開しました。
「お客様に必要とされる真の『資産運用サービス』とは~ゴールベースアプローチ型ラップがいま求められる理由~」
https://www.jamplatform.com/news/2022/08/22/3230/

■Webセミナー登壇のお知らせ(1)
弊社代表の大原と主任研究員の長澤が、株式会社想研が主催する金融専門家向けWebセミナーに登壇を致します。FMプロフェッショナル会員(登録無料)向けのオンデマンド形式の配信もされておりますので、下記リンクからご確認ください。
https://media.finasee.jp/common/static/seminar-lp2205/

■Webセミナー登壇のお知らせ(2)
弊社代表の大原が、帝京平成大学の沼田優子教授とともに、株式会社想研が主催する金融専門家向けWebセミナーに登壇し、「法人IFA社長アンケート2022」の結果をもとにしたIFA業界の成長可能性と今後の課題についてお話をさせて頂きます。FMプロフェッショナル会員(登録無料)向けのオンデマンド形式の配信となり、2022年10月21日(金)16:00 ~ 10月30日(日)23:59までの配信予定です。
https://media.finasee.jp/common/static/seminar-lp2205/

メディア掲載情報

■メディア寄稿:ニッキンONLINEでの連載開始
「ニッキンONLINE」で弊社金融ビジネスアナリストの直井の連載、第1回目が公開されました。。
「バンカーを輝かせる業績評価 第1回 金融庁レポートの意味」
https://www.jamplatform.com/news/2022/10/03/3284/

■メディア寄稿:ニッキン投信へのコラム寄稿
代表の大原が「ニッキン投信情報」の「提言」コーナーに匿名コラムを寄稿しました。
「仕組債販売を巡る不思議な議論」
https://www.jamplatform.com/news/2022/10/05/3289/

金融専門人材募集情報

日本資産運用基盤グループが採用をご支援している金融機関の人材募集情報です

1)大手外資系金融機関 - RM部門マネージャー/想定~2,000万円(賞与別途)
https://www.jamplatform.com/hr/job/2897/

2)外資系運用機関 - オペレーションマネージャー/~800万円(ベース)
https://www.jamplatform.com/hr/job/3295/

3)独立系運用機関 - コンプライアンスオフィサー/~1,000万円(ベース)
https://www.jamplatform.com/hr/job/3254/

4)本邦金融機関 - 経営企画部門マネージャー/~1,500万円
https://www.jamplatform.com/hr/job/3217/

5)大手外資系金融機関 - ITセクションプロジェクトマネージャー/想定~2,000万円(賞与別途)
https://www.jamplatform.com/hr/job/2939/

6)大手外資系金融機関 - コンプライアンスヘッド/~1,500万円(ベース)
https://www.jamplatform.com/hr/job/3223/

7)大手日系金融機関 - ファンドアナリスト/想定~1,500万円(賞与別途)
https://www.jamplatform.com/hr/job/2956/

8)大手金融機関 - アナリスト育成担当マネージャー/~1,200万円(賞与別途)
https://www.jamplatform.com/hr/job/3201/

9)本邦大手金融機関 - 不動産投資アドバイザー/給与は前職を考慮して検討
https://www.jamplatform.com/hr/job/3266/

10)邦銀系運用機関 - ファンドマネージャー/~1,200万円(賞与別途)
https://www.jamplatform.com/hr/job/3268/

ここに掲載している情報以外にも多くの人材採用ご支援をさせて頂いています
ご関心ある方は https://www.jamplatform.com/hr/ からご登録をお願いします

インフォメーション

個別のご質問・ご相談会を無料で定期的に開いています。お気軽にお申し込みください。
https://www.jamplatform.com/contact/

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