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「JAMPの視線」No.114(2022年3月6日配信)

次世代の、挑戦する金融へ
日本資産運用基盤グループ メールマガジン【JAMPの視線】

目次
①JAMP 大原啓一の視点
②NewsPicks ダイジェスト
- 代表取締役 大原啓一
- 主任研究員 長澤敏夫
③金融専門人材募集情報
④インフォメーション

JAMP 大原啓一の視点 2022年3月6日

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先週3月3日夕方に弊社事業パートナーであるQUICKと「ゴールベースアプローチセミナー〜資産運用アドバイス新時代〜」というタイトルのWebセミナーを開催し、証券会社や資産運用会社、地域銀行等の金融関係者の皆さまを中心に200名以上にご参加頂きました。セミナーの資料や録画動画、イベントレポート等は後日に弊社HP等で共有させて頂きたいと思いますが、今回から何回かに分けて、本セミナーでお話させて頂いたことや、頂いたご質問に感じたこと等をご紹介させて頂きます。
本Webセミナーでは、「真のゴールベースアプローチとは何ぞや」というテーマを掲げ、そのWhatやWhy、How等を整理させて頂いたのですが、その前提・導入部分で「そもそも資産運用サービスって何でしたっけ?」というお話をさせて頂きました。以前から申し上げている通り、私は、最近はゴールベースアプローチがさも新しい概念として注目されるようになってきてはいるものの、そもそも資産運用サービスは原則としてゴールの達成を目的としており、その意味で資産運用サービスはすべからくゴールベースアプローチを基礎としているはずではないか、という問題意識を持っています。
金融の主要機能には「資金移転(決済・送金等)」「資金供与(融資等)」「リスク移転(保険)」「資産運用」の4つがありますが、これらのうち「資産運用」のみは、遠い将来の資金需要に対する金融機能であるために将来の資金需要金額の推計が容易ではないことに加え、利用開始した直後から商品価値が変動を始めるため、利用者はひとりでは当該金融機能を適切に利用するのは困難であり、当初のみならず、継続的にも専門家のサポートを必要とするという特徴を持っています。即ち、遠い将来のゴールを達成するまで、ゴールベースアプローチの考えに基づく継続的なサポートを必要とするというのが、本来の「資産運用サービス」であると考えられます(これに対し、保険商品は、将来の資金需要金額の推計は容易ではないものの、商品価値(支払われる保険金)は変動しないことが一般的であるため、当初の利用開始時のみサポートは必要なものの、お客様の状況やライフプランが変わらなければ、その後のサポートはあまり必要ないという特徴があります)。
一方、「資産運用」とは似て非なるものとして、「投資」があります。この「投資」は、私は将来の具体的な資金需要に対する備えを目的とする金融機能ではなく、特段の具体的な資金需要を伴わずに現時点の余裕資金の値上がり益を目的として行なうものであると区別して定義しています。従って、「投資」サービスとは、ゴールベースアプローチの考えに基づかないサービスであると整理をしています。
こうした我ながら理屈っぽいと感じる整理(恐縮です)に基づき、今回のセミナーの冒頭で何を申し上げたかというと、私たち金融機関は、これまで一般生活者のお客様に対して、「人生には資産運用が必要ですよ!」と声高に言ってはきたものの、本当にそこで必要とされる「資産運用サービス」を提供してきたのだろうか、単なる「投資サービス」を提供してきたに過ぎず、結果としてお客様ニーズに応えられていないからこそ、日本では個人や家庭の資産運用が広がっていないのではないかということです。主要金融機能である「リスク移転(保険)」の商品である生命保険をみてみると、その必要性がしっかりと理解されているからこそ、その利用率は非常に高い水準にあります。資産運用が広がっていないのは、お客様の金融リテラシーに原因があるわけではなく、私たちが本当の「資産運用サービス」を提供してこなかったからではないか、そんな問題意識を持っています。
従って、私は、足もとのゴールベースアプローチ型サービスへの関心の高まりや金融機関の取組みは、別の表現でいうと、ようやく金融機関が本当の「資産運用サービス」をお客様に提供するように事業モデルを変えつつあるという風にもとらえています。ゴールベースアプローチにご関心をお持ち頂いている金融機関の皆さまにも、ゴールベースアプローチの考え方は決して新しい特別なものではなく、本来あるべき「資産運用サービス」の原点に立ち返るものであるという私見をひとつのご参考までにご理解頂ければ嬉しく存じます。

News Picks ダイジェスト(代表取締役 大原啓一)

2022年2月25日
【JPX、仮想通貨交換業者のDAMSに3億円超出資】
大原のコメント→
公的な金融インフラを運営するとはいえ、日本取引所グループも利益獲得を目的とする株式会社形態の事業会社である以上、新たな成長領域での事業拡大の取組みを積極的に行うのは当然かと思います。
一方、暗号資産取引所系のスタートアップが上場を認められないのは、日本取引所グループ子会社の東京証券取引所が暗号資産の本質的価値に懐疑的であるためというメディア記事を見たこともあり、・・・(続きを読む)
https://newspicks.com/news/6743484?ref=user_121187

2022年2月28日
【コストにこだわり残高2兆円 インデックス投信eMAXIS Slimの次の一手】
大原のコメント→
本サービス(商品)のユーザーである個人投資家としてはeMAXIS Slimシリーズに代表される低コストファンドは非常に魅力的であることは同意なのですが、長期的にそれが本当に「お客様本位」なのかという点については、個人的には少し疑問を持っています。・・・(続きを読む)
https://newspicks.com/news/6751211?ref=user_121187

2022年3月4日
【銀行とフィンテック、金融データ連携足踏み】
大原のコメント→
FinTech企業と金融機関のAPI接続に関して、金融機関側が高額のAPI接続料を課すことについて批判めいた論調が一部あることについて、以前より少し違和感を感じていました。
顧客との長年にわたる取引関係や信頼に基づいて集積した情報やそのデータベース等は金融機関の戦略資産であり、それをAPIを通じて外部企業に使用させるのであれば、API開発やその他コストに加え、・・・(続きを読む)
https://newspicks.com/news/6771508?ref=user_121187

2022年3月4日
【経団連、新興育成で提言 「スタートアップ庁」創設、27年に起業10万社】
大原のコメント→
スタートアップ企業の増加や成長が株式市場の成長や新規雇用の創出等に貢献することが期待される一方、スタートアップ企業への投資がGDP比で諸外国に比べて低い水準にあり、ボトルネックの解消が重要であるとの考えは同意です。
一方、そのボトルネックの解消に政府がどのように関与すべきか/できるかというのは慎重に検討した方が良いように思います。スタートアップ企業の目利きやその成長支援は政府よりも民間企業の方が優位にあると思われ、・・・(続きを読む)
https://newspicks.com/news/6772204?ref=user_121187

News Picks ダイジェスト(主任研究員 長澤敏夫)

2022年3月4日
【あおぞら銀の投信販売、ノーロードで急回復】
長澤のコメント→
販売額の約7割を占める商品群の販売手数料をノーロード化して、信託報酬を柱とする収益構造への転換を目指し残高重視の評価体系に変えたところ販売額が大幅に増加したとのことです。収益的にも、販売手数料の落ち込みを信託報酬の増加がカバーしたことに加え、販売手数料のかかる投信も売れるようになり、・・・(続きを読む)
https://newspicks.com/news/6771890?ref=user_6551307

2022年3月5日
【みずほや大和、「仕組み債」コスト開示へ 日証協が指針】
長澤のコメント→
ついに日証協が仕組債の手数料開示を促す指針を出すとのことです。強制力はないとはいえ、投資家は各社の仕組債の発行条件を比較するでしょうから、その際、特定の会社だけ手数料は開示していないということになれば、そのようなところは選ばれにくくなり、結局開示に動かざるを得なくなるのではないでしょうか。
 仕組債は、内包するオプションのプレミアムを組成・販売する金融機関と投資家で分けている、すなわち、「手数料の高さ」と「投資家が負うリスクに対してリターンが低すぎること」は表裏一体(綱引き)の関係になります。リスクに見合ったリターンであれば、商品の仕組みを十分理解した上で購入するのであれば、・・・(続きを読む)
https://newspicks.com/news/6776374?ref=user_6551307

金融専門人材募集情報

日本資産運用基盤グループが採用をご支援している金融機関の人材募集情報です

1)外資系PEファンド - PEファンドオペレーションマネージャー/想定~1,300万円(賞与別途)
https://www.jamplatform.com/hr/job/2882/

2)大手金融機関 - 企業戦略部門マネージャー/想定~2,000万円(賞与別途)
https://www.jamplatform.com/hr/job/2798/

3)大手資産運用会社 - 人事マネージャー/800~1,200万円
https://www.jamplatform.com/hr/job/2663/

4)マルチアセットの運用業務 - チーフファンドマネージャー/前職を考慮して検討
https://www.jamplatform.com/hr/job/2665/

5)大手コンサルティングファーム - リスクアドバイザリーコンサルタント/~1,500万円
https://www.jamplatform.com/hr/job/2599/

6)大手生命保険会社 - 運用部門マネージャー/~1,400万円
https://www.jamplatform.com/hr/job/2569/

7)日系金融機関 - セールスマーケティングマネージャー/前職を考慮して検討
https://www.jamplatform.com/hr/job/2884/

8)大手日系金融機関 - ストラクチャードファイナンス(営業)業務/想定~2,000万円(賞与別途)
https://www.jamplatform.com/hr/job/2840/

9)金融機関経験者を求める大手事業法人 - 経理部長/想定~1,800万円(賞与別途)
https://www.jamplatform.com/hr/job/2864/

10)大手外資系金融機関 - グローバルRMマネージャー/想定~3,000万円(賞与別途)
https://www.jamplatform.com/hr/job/2763/

ここに掲載している情報以外にも多くの人材採用ご支援をさせて頂いています
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インフォメーション

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