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「JAMPの視線」No.44(2020年11月1日配信)

次世代の、挑戦する金融へ
日本資産運用基盤グループ メールマガジン【JAMPの視線】

目次
①JAMP 大原啓一の視点
②NewsPicks ダイジェスト
③メディア掲載情報
④インフォメーション

JAMP 大原啓一の視点 2020年11月1日

今から20年ほど前、私がまだ大学生だった頃に、「チーズはどこへ消えた?」という本が日本でもベストセラーになりましたが、最近よくその本のことを思い出します。
内容の詳細は忘れてしまったのですが、生活を支えていた膨大なチーズが消えてしまうという「変化」に直面した2人の小人と2匹のネズミの行動を通じ、「変化」をいち早く察し、対応することの重要性や、「変化」とは失うことではなく、新しいものを得ることである等のメッセージを主張していた本だったように記憶しています。
現在、リテール金融業界は、従来型証券・資産運用事業の利潤が消失しつつある等、これまでに無い大きな「変化」に直面する転換期にあり、今まさに私たちはどのような行動を取るべきかという大きな決断を迫られています。
「チーズはどこへ消えた?」の登場人物達が直面した状況以上に難しいのが、チーズが全く消え失せてしまうという明らかな変化ではなく、これまでの事業利潤は引き続き残りつつも、近い将来にはそれらが事業継続困難な程度にまで減少するという一定期間を経ての変化であるということであり、本当に今すぐに行動に移さなければいけないのか、今までの事業を継続していても大丈夫なのでは無いかという迷いを生じさせているように思われます。
実際、私たちがお会いする証券会社や資産運用会社等の経営陣の方々も、「とはいえ、いまの事業もまだ儲かっている」「従業員にいまの事業をやめさせるわけにはいかない」等、次にどのような決断を下すべきかに深く悩まれているように感じます。一方、5年後を考えると、これまでの経営・事業の延長線上では生き残れないということに対しては、異論を唱える方は殆どいらっしゃいません。
目の前の大きな「変化」に対し、どのような打ち手が最適なのか、短期的に困難を覚悟して、その後に確実に果実を得られるのか、そういったことは誰も正確に予見することはできません。ただ、「変化」により適切に対応し、より大きな果実をその後に得られる可能性を高めるためには、早め早めに打ち手を講じ、具体的な行動につなげることであることであり、「慎重に観察し、検討する」という耳障りの良い表現で自らを誤魔化し、決断と行動を先送りすることは、悪手でしかないことは間違いないように思われます。
「チーズはどこへ消えた?」を読んだ当時は20歳前後の学生だった私も、年齢でいうと約2倍の40歳過ぎになり、自分の生活やアイデンティティ等の基礎となる様々なものが積みあがってきたこともあり、「変化」に対する考え方や姿勢も変わってきたように感じます。ただ、これまでの職業人生で下してきた様々な決断を応援してきて下さった方々のお蔭で、「変化」とは基本的にはポジティブなものであるという考え方は、一貫して持ち続けられているように思います。
リテール金融業界に生きるひとりの金融プロフェッショナルとして、経営者として、これからの「変化」を大きな成長の機会としたいと思いますし、日本資産運用基盤グループとして、同様に考えられる金融機関の経営者の皆さまの決断と行動をサポートさせて頂くよう努めてまいります。

News Picks ダイジェスト(2020年10月26日~2020年11月1日)

2020年10月27日
【「数が多すぎる」地銀の再編加速、システム共同化を見直す好機になるか】
大原コメント→
自前でシステムを保有すると事業戦略や独自のサービス開発、地域の特殊性に応じた業務等に柔軟に対応できるというメリットもある一方、付加価値に必ずしも直結しないところに費用・リソースを割かなければならないというデメリットも大きくなります。
例えば、個人向け役務事業で必要となる投信窓販システム(NRIのBESTWAYやDIRのSONAR、NKSOLのBestPartner等)は・・・(続きを読む)
https://newspicks.com/news/5337866?ref=user_121187

2020年10月27日
【投信「残高連動手数料」で試行錯誤 大和、売買多いと有利に】
大原コメント→
昨年秋からのオンライン証券会社が主導する株式売買委託等手数料の無料化の流れのなか、「次はアセットマネジメント事業モデルだ」との掛け声も一部には聞かれますが、実は投信等のアセットマネジメント付加価値もコモディティ化しており、そこでの事業利潤もほぼ消失しつつあります。
本記事でフォーカスされているのは主に投信の購入時手数料というブローカレッジ付加価値の対価の無料化もしくはその体系変更に関する試行錯誤ですが、・・・(続きを読む)
https://newspicks.com/news/5340978?ref=user_121187

2020年10月28日
【米ブラックストーン、日本の富裕層から資金調達】
大原コメント→
同じ日経新聞朝刊の「大手証券の投信手数料『残高連動』で試行錯誤」の記事と根っこは共通であり、従来型証券・資産運用事業のサービス付加価値や事業利潤がほぼ消失しつつあることが背景にあると考えています。
即ち、上場株式等を対象とするブローカレッジ役務や投資運用役務は、情報・金融技術の発展によってコストがほぼゼロになっており、・・・(続きを読む)
https://newspicks.com/news/5340782?ref=user_121187

メディア掲載情報

■メディア掲載:「ニッキン投信情報」での記事掲載
弊社とSCSKとの事業提携を「ニッキン投信情報l」の記事で取り上げて頂きました
https://www.jamplatform.com/news/2020/10/26/1690/

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