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「JAMPの視線」No.257(2024年12月1日配信)

次世代の、挑戦する金融へ
日本資産運用基盤グループ メールマガジン【JAMPの視線】

目次
①JAMP 大原啓一の視点
②JAMPメンバーの採用情報
③NewsPicks ダイジェスト
- 代表取締役 大原啓一
- 主任研究員 長澤敏夫
④お知らせ・ニュースリリース
⑤メディア掲載情報
⑥インフォメーション

JAMP 大原啓一の視点 2024年12月1日

 昨日は4歳の次男の幼稚園での学芸発表会のあと、次男とふたりで近所の床屋に散髪に行ってきました。普段は母親っ子なので父親とふたりではなかなか出かけてくれないのですが、散髪の時は私が髪を切ってもらっている間はお店のタブレットPCでYouTubeを好きなだけ楽しめるため、喜んでついてきてくれます。モノでつらないと一緒に出かけることもできないことを寂しく思いつつも、平日はほぼ顔を合わせることもない普段の生活を考えると仕方ないのかもしれません。今年の年末年始のお休みに父親の存在感を取り戻せるように頑張りたいと思います。

 さて、一昨日の夕方にプレスリリースを発出し、ニッキンオンラインでも早速ご紹介頂きましたが、弊社・日本資産運用基盤グループは、株式会社ジャパンインベストメントアドバイザー(以下、「JIA」)と佐賀銀行の子会社である株式会社佐銀キャピタル&コンサルティングからシリーズDラウンドの1stクローズとして5.1億円のエクイティ資金を調達しました。また、JIAとは、双方が有する各種金融機能、スキル及びネットワークを活かすことで資産運用分野全般への新たなソリューションの創造・提供を行っていくための業務提携について、基本合意書を締結しました。

 佐賀銀行グループからのエクイティ資金の調達については、既に公表されているように来年頭から佐賀銀行で弊社がご支援している三井住友DSアセット様のゴールベース型ラップサービスの提供を開始する予定であることから、昨年末にご出資頂いた広島銀行グループや肥後銀行グループと同様に、弊社の資産運用事業「基盤」ソリューションをご使用頂いている地域銀行グループとの連携を資本面でも強化するという意味合いのものであり、ご理解頂きやすいように思います。一方、JIAについては、オペレーティングリースを主業とし、グループ内に証券会社や資産運用会社等を有する金融グループであるものの、弊社との関係についてはイメージがつきにくく、「なぜ、日本資産運用基盤(JAMP)がJIAと?」と疑問に感じられた方が少なくないのではないでしょうか。現に、リリース後にそのような反応を多く頂きました。

 確かに外から日本資産運用基盤のこれまでの活動を応援頂いていた資産運用業界の皆さまや、ベンチャーキャピタルからの資金調達が一般的なスタートアップ業界の皆さまからすると、今回のJIAとの資本業務提携は突然感があり、その狙いがわかりにくいのかもしれません。そこで今回のメルマガでは、弊社がこれから金融・資産運用業界のインフラとしてさらに貢献度を大きくしていくに際して感じている課題について共有させて頂くとともに、JIAとの資本業務提携に企図する考えを説明させて頂きます。

 まず1点目として、財務面・信用面の増強という狙いがあることは比較的ご理解頂きやすいのではないかと思います。

 弊社は、2018年の創業からこれまで金融・資産運用業界の非効率性・低生産性等を解決するための「基盤」ソリューションの開発・提供をゼロベースの仮説から組み立て、試行錯誤をしてきました。足もとはその仮説とソリューションの正しさを具体的な実績として示すことができつつありますが、やはりトライアンドエラーの繰り返しによる成長を前提とするスタートアップ企業ゆえ事業運営・成長資金を外部からエクイティ資金として調達することが重要となります。金融機関の資産運用事業を裏側で支援するインフラの役割を担うのであれば、強固な財務基盤は不可欠です。

 その際、その資金の出し手による信用補強の意味合いも小さくありません。いかにスタートアップ企業がトライアンドエラーを前提とする主体であるとはいえ、金融機関にとって重要な資産運用事業の「基盤」をお任せ頂いていながら、仮説が間違っていたからといって万が一にもギブアップしてしまうようなことがあっては、ソリューションを利用する金融機関としてはたまったものではありません。その意味で、いかに弊社が具体的な実績を示すフェーズに入っているからと言っても、事業運営の信用補強の役割を担ってもらえる資金の出し手を主要株主として迎えることの意味は小さくありません。これまで私たちの事業運営を支えてくれているQUICKをはじめとする既存株主の多くと同様に、JIAもまた金融・資産運用業界で活動するプレイヤーの一員として、地域銀行や信用金庫等の金融機関を顧客・取引先等としており、そのような事業会社に株主として入ってもらうことは、純粋な事業運営・成長資金の調達以上の意味があると考えます。

 また、信用補強の役割を担ってもらえるといっても、日本資産用基盤の重要なバリューのひとつである中立性を損なうようなことがあっては元も子もありません。資産運用事業の「基盤」をお任せ頂くうえで前提となる中立性は、弊社の資本戦略において絶対的に重要視すべきものであり、これまで実施した複数回のエクイティ資金調達ラウンドでもその点には強く拘ってきました。ただ、悩ましいのが、弊社の事業モデルは資産運用事業領域の非常にニッチなところを担うものであるため、金融業界関係者にとってさえも理解が難しく、資金の出し手の中立性を追求すればするほど、弊社の事業モデルへの理解度が得られにくくなってしまうというジレンマがあることであり、これまでもこのジレンマに散々苦しめられてきました。

 この点、JIAはオペレーティングリースを主業とする金融グループとして、グループ内に証券会社や資産運用会社を有するものの、金融・資産運用業界内では中立的な存在であり、日本資産運用基盤の中立性を強化することはあれ、損なう懸念はありません。一方、これまでも過去2年ほど役員レベルでコミュニケーションをさせて頂く機会があったこともあり、後述する弊社の事業モデルの今後の発展可能性に対する提案を頂ける等、私たちの理念や事業モデル、成長可能性等を正確に理解して頂いていると感じます。

 次に、JIAとの資本業務提携に企図する2点目として、資産運用事業「基盤」としての役割の拡大という狙いがあります。

 ご案内の通り、弊社の主要事業のひとつであるゴールベース型資産運用支援事業については、提供開始から約2年半が経過し、ソリューションを直接に利用される証券会社や資産運用会社等のプラットフォーム金融機関も、プラットフォーム金融機関と連携し、個人のお客様にゴールベース型ラップサービスを提案・提供する地域銀行等のアドバイザー機関も、少しずつ広がりつつあります。お手伝いをさせて頂いている個人のお客様の資産運用残高も300億円近くに迫るまで増えてきています。弊社が掲げるゴールベース型資産運用サービスの世界観の枠組みに参加頂ける金融機関のネットワークがこんなにも広がるというのは少し前までは想像もできなかったことであり、世界観や業務、システム等の枠組みの最も重要な根幹のところを担う立場として、とても嬉しく、光栄に感じます。

 一方、この過程で少しずつ顕わになり、最近感じている課題感というか更なる発展可能性も正直なところあります。

 課題感のひとつ目として感じているのは、個人向け資産運用サービスの提供で最も重要な役割を担う地域金融機関の皆さまに対し、日本資産運用基盤としてもっとできることがあるのではないか、もっとさせて頂けるようにならなければならないのではないかということです。弊社は地域銀行や信用金庫等の地域金融機関とも常にコミュニケーションをさせて頂いており、ゴールベース型資産運用サービスの世界観の勉強会等を開催させて頂くことも少なくありません。ところが、いったんゴールベース型ラップサービスの取り扱いを始めて頂くと、当該地域金融機関と弊社は直接の契約関係にはなく、プラットフォーム金融機関を介在してのご支援が基本となり、プラットフォーム金融機関からのお声がけで時おり営業員向けセミナー等を部分的にお手伝いさせて頂くことがあるだけになってしまっています。

 もちろん、地域金融機関のゴールベース型ラップサービスの提案・提供のご支援はプラットフォーム金融機関の役割であり、弊社がしゃしゃり出るべきではないとの考えもあるかもしれません。ただ、傲慢に聞こえると恐縮ですが、現在のゴールベース型ラップサービスの世界観やサービス仕様、業務システム、業務フロー等を設計・運営しているのは弊社であり、いま日本で実務としてのゴールベース型資産運用サービスに最も詳しいのは日本資産運用基盤であるという自負があります。それであれば、地域金融機関の現場のゴールベース型ラップサービス事業運営についても、弊社が地域金融機関と直接の契約関係を構築し、より踏み込んだサポートをさせて頂き、その成長にコミットさせて頂くべきではないだろうか、そんなことを最近強く感じています。

 全国の地域銀行や信用金庫等と強いネットワークを持っているJIAとの連携を通じ、地域金融機関に対してより直接的な支援ソリューションを開発し、提供する。日本にゴールベース型資産運用サービスを定着させ、資産運用業界にとっての新たな成長フロンティアを弊社がより深くコミットして開拓していく、それを通じて弊社の枠組みに参加頂いているプラットフォーム金融機関や地域金融機関の事業成長益につながるというのが、私たちが目指す次のステップです。

 また、課題感のふたつ目として感じているのは、地域金融機関の個人向け資産運用サービス事業は、ゴールベース型ラップサービスだけで十分なのだろうかということです。大手証券会社やプライベートバンクが富裕層向け事業により特化し、資産形成層向けサービス提供はオンライン証券会社等の寡占状況にあるなか、地域金融機関の主戦場はゴールベース型ラップサービスが最も親和性があるアッパーマス層から準富裕層の領域にあることは間違いありません。ただ、だからといって地域金融機関が準富裕層よりも上の顧客層に対するサービス提供を何もしないということはあり得ない。そんなご意見を色々な地域銀行の頭取や経営陣の皆さまからもお聞きしますし、私自身も最近そのように感じます。

 オペレーティングリース商品の開発・提供を通じ、全国の地域銀行や信用金庫等の富裕層向け資産運用事業の支援で実績のあるJIAと連携し、地域金融機関の富裕層向け資産運用事業を支援する新しい「基盤」ソリューションを開発・提供することが、私たちがいま取り組んでいるゴールベース型資産運用サービスの推進の後押しとなり、地域金融機関の皆さまにポテンシャルを最大限発揮して頂けることにもつながるのではないか、そんなビジョンをJIAとの業務提携の先に描いています。

 今回のJIAとの資本業務提携を経て、弊社・日本資産運用基盤グループは、日本の金融・資産運用業界を支える「基盤」として新しいフェーズに入っていきます。今回のメールマガジンで書かせて頂いた課題感への打ち手案のみならず、新たな事業パートナーであるJIAやその他の既存の事業パートナーとともに、これからも日本の金融・資産運用業界の非効率性・低生産性を解決するソリューションの開発・提供に取組み、「資産運用立国」の実現に貢献できるように全力を尽くしたいと思います。引き続きご指導を頂きますよう、よろしくお願いいたします。

(*1) 今回の資金調達及びJIAとの資本業務提携についてのニッキン記事はこちらです。 

(*2) 佐賀銀行でのゴールベース型ラップサービスの取り扱いについての同行リリースはこちらです。 

https://www.sagabank.co.jp/news/release/files/release_20240624-2.pdf

JAMPメンバーの採用情報

■日本資産運用基盤グループでは、事業拡大に伴い一緒に働くメンバーを募集しています。
弊社にご興味のある方、ぜひ働きたいという方はこちらからお申し込みください。
まずはお話だけでも、という方も大歓迎です!

代表の大原とのカジュアル面談でもいいかな、という方ももっとウェルカムです!!

keiichi.ohara@jamplatform.com

News Picks ダイジェスト(代表取締役 大原啓一)

【読売新聞、新たな株価指数を3月立ち上げへ】
大原のコメント→                                      
 個人投資家に人気の「オルカン」等の投信商品もそうであるように、資産運用商品の裏側を支える金融市場指数はほぼほぼ外資系プロバイダーに頼っている現状、いかに資産運用商品の組成・運用を担う資産運用会社が頑張っても、裏側の金融市場指数インフラレイヤーから我が国の金融資産の利潤が海外に流出してしまうということに強い懸念を感じています。
 確かに日本株関連ではTOPIXや日経平均等の日系プロバイダーが提供する指数はありますが、投資家にとってグローバル分散投資が基礎となる以上は、日系プロバイダーがグローバル金融市場指数を提供するということも「資産運用立国」の観点からは必要になると考えています。
 その意味で今回の読売新聞の新たな取り組みは、まずは日本株関連指数のみの提供からとはいえ、日本の資産運用業界にとって前向きなステップだと感じており、応援したいと思います。
 将来的には弊社・日本資産運用基盤グループもグローバル金融市場指数の開発・提供といった新たなインフラレイヤーでの取り組みができるように努めてまいります。

News Picks ダイジェスト(主任研究員 長澤敏夫)

【常陽銀、シニアニーズをキャッチ 専任20人が外訪で開拓】
長澤のコメント→
 個人資産の6割を60歳以上が保有していると言われる中、こうした高齢顧客支援に特化した専任担当者の設置というのは、今後も拡がっていくと思われます。
 もちろん、金融機関も営利企業ですから、担当者は家族信託、遺言作成、不動産の利活用などのサービスの獲得が求められると思いますが、金融商品の販売と違い、時には家族同席のもと、顧客起点でニーズを顕在化させ、サービスの提案につなげていくことは、顧客満足だけでなく、金融機関担当者のやりがいにもつながるのではないかと思います。

【金融庁、生保・損保の「テリトリー制」を廃止へ】
長澤のコメント→
 以前の「顧客の最善の利益」はプリンシプルベースで、「顧客本位の業務運営に関する原則」を採択した金融事業者に求められていたものですが、今回改正金融サービス提供法で、「顧客の最善の利益を勘案した誠実公正義務」がルール化され、こうした顧客の意向を置き去りにするような業界慣行に対して強く言えるようになったのはいいことだと思います。
 一般生活者としては、商品やサービスの内容と関係なく、保険会社から代理店への出向者やこのような「テリトリー制」により、推奨商品が決められていたとは知るすべもなく、BM問題を契機にいろいろわかってきたことは怪我の功名かもしれません。

お知らせ・ニュースリリース

■ジャパンインベストメントアドバイザー等を対象とする第三者割当増資を実施しました

メディア掲載情報

■メディア掲載:ニッキンオンライン
ニッキンオンラインで弊社とジャパンインベストメントアドバイザーの資本業務提携に関する記事が掲載されました。

「JAMP、ラップ事業加速へ JIAと資本提携」

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