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「JAMPの視線」No.37(2020年9月13日配信)

次世代の、挑戦する金融へ
日本資産運用基盤グループ メールマガジン【JAMPの視線】

目次
①JAMP 大原啓一の視点
②NewsPicks ダイジェスト
③メディア掲載情報
④インフォメーション

JAMP 大原啓一の視点 2020年9月13日

香港の不安定な政治情勢に加え、自民党次期総裁候補である菅官房長官やSBIHDの北尾代表の発言もあり、ここに来て改めて国際金融都市構想に対する関心が大きく高まっているように感じています。
そのなかで、様々な要人やメディアから議論の対象として、他のアジア諸都市に比べて比較的大きな税負担を是正するための税制改正や海外人材優遇施策、当局登録手続き等の英語化といったことが大きく取り上げられていますが、実際に海外金融機関・運用会社の日本進出や新興運用会社の立上げ支援を現場でお手伝いしている立場から、小さくない違和感を感じています。
もちろん、それら諸点は海外金融機関が日本で資産運用事業等を新しく立ち上げる際のボトルネックになっていることは間違いなく、解決することが国際金融都市としての魅力につながることに異論はないのですが、果たしてそれらを解決しさえすれば十分なのだろうか、それらが本当に重要(致命的)なボトルネックなのだろうかという疑問を持っています。
税負担や言語の問題、その他の教育や不動産等の問題は、いってしまえば海外金融機関にとっては日本進出に係る「コスト」の要素に過ぎず、それら「コスト」を負担してもなお魅力的な「リターン」、つまり事業利潤が期待できれば、「コスト」負担は厭わないはずです。例えば、日本の商社の事業活動をみても、政情が安定しているとは言えない南米やアフリカ、中東諸国等であっても、そこに事業機会があれば、駐在員の危険国手当等を負担したとしても、積極的に展開しています。
私は、日本が国際金融都市として国際的に魅力的であるとみなされないのは、日本で事業を展開したとしても、年金等の機関投資家からの資金受託等が見込まれず、個人金融資産の約1,900兆円にアクセスしようとしても、実際にはまだそれらはリスク性資産に動き出していない現状、「コスト」負担に見合うだけの「リターン」が見込まれないからだと考えています。
従って、国際金融都市としての地位向上に対する関心が高まっているいま、まず最初に手を付けるべきものとしての一案は、年金等の機関投資家がより積極的・開放的な外部運用委託方針を採用し、東京都の国際金融都市構想において「Emerging Managers」と定義されている海外資産運用会社や新興運用会社の活用姿勢を示すような諸施策、必要であれば法制度の改正等を講じるということではないでしょうか。そういう姿勢を政治として示すことで、日本における金融事業利潤に対する海外金融機関の熱い視線が寄せられるように感じています。
この考えは、日本が有する貴重な個人金融資産等をエサに海外金融機関を釣ろうという発想ではないことは延べ添えさせて頂きたいと思います。機関投資家や個人投資家のいずれにとっても、その金融資産ポートフォリオの運用においては、非公開資産を含む様々な投資機会にアクセスし、運用効率を高めることは有益であることは間違いありません。従って、上述の考えは、国際金融都市構想のみならず、日本国民全体の厚生にとっても有益であると考えています。

News Picks ダイジェスト(2020年9月7日~2020年9月13日)

2020年9月7日
【資産運用や事業承継… 地銀でオンライン営業広がる】
大原コメント→
コロナ禍で顧客との接触機会が限定的になるなか、オンライン接点を活用した顧客チャネル戦略の再設計に取り組む金融機関が多く見られますが、目の前の問題に対症療法的に対応するのではなく、顧客に対する付加価値と事業運営の生産性の最大化が重要であるという問題意識を持っています。
過去数か月に顧客接触の形は大きく変化したが、問題はその頻度の減少ではなく、・・・(続きを読む)
https://newspicks.com/news/5209397?ref=user_121187

2020年9月11日
【銀行の自社株買い9割減 株主還元抑え企業支援へ資金】
大原コメント→
コロナ禍の影響を多大に受けている経営環境においては、銀行のみならずいずれの業種においても、株主還元施策は方向転換を余儀なくされざるを得ません。特に、ストック収入では無く、フロー収入に依存する事業モデルを基軸とする企業の場合は、影響が比較的大きく、その程度も大きいように推察しています。
この点、議決権行使助言会社は、株主還元水準やROE水準等について、・・・(続きを読む)
https://newspicks.com/news/5219302?ref=user_121187

メディア掲載情報

■コラム・論考寄稿
弊社代表の大原が日経ヴェリタスに連載コラムの第3回を寄稿しました。
「転換期のリテール金融業界 (3) アドバイスは脱・自前 対面チャネル囲い込み」
https://www.jamplatform.com/news/2020/09/16/1592/

■メディア掲載:「金融ビジネス 最前線の変革者達」
第11回 アドバイザーナビ株式会社 代表 平行秀氏/ 松岡隼士氏
「成長余地が大きいIFA業界の課題解決を目指す」
https://www.jamplatform.com/news/2020/09/10/1573/

インフォメーション

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