自分や世界を高いレベルで認識しよう~悟りはあなたの脳をどのように変えるのか
本記事は「『悟り』はあなたの脳をどのように変えるのか 脳科学で「悟り」を解明する!」のアウトプットです。
瞑想によって発想力が高まるということで、学校教育や経営者の間で意図的に用いられています。
この本を読んで、そういった現象に自分なりに解釈を与えることが出来ました。別途、瞑想のワークショップで聞いた説明では、瞑想によってストレスを感じることが少なると聞いていました。それに加えて、認識のレベルを上げることで、先入観をはじめとする脳の余計な活動を抑えているということです。悟りに近づくということは、生物的に進化することにも近いので、それ以外にもいろいろあるのだと思いますが。
悟りの基本的要素
1.一体感やつながりの感覚
2.信じがたいほど強烈な体験であること
3.明瞭な感覚と根本的に新たな認識
4.明け渡しの感覚、自発的コントロールの喪失
5.自分の信条や人生観、目的意識などが突然、恒久的に変わってしまった感覚
・これらの要素の解釈は人によって大きな違いがある。例えば1.では、神とのつながりを感じた人もいれば、すべての現実そのものとのつながりを感じた人もいる。
・悟りを体験すると、よりスピリチュアルになり、自分が信じてきた宗教の協議の超越を促す=他人をより受け入れやすくなる=理論上は異なる信条を受け入れている人(異なる宗教や文化にオープンな人)は悟りに到達しやすい。
・1-4のいずれかを体験することを「小さな悟り」と呼ぶ(脳のアハ体験のようなもの)。
→悟りを求めている人や、「小さな悟り」を多く経験している人ほど、5.の恒久的な変化を伴う「大きな悟り」を得やすい。
・東洋の「悟り」では1-5に加えて「自意識の喪失」という特徴もある。
信条という先入観が脳に与える影響は悟りを阻害する
ハーバード大学の研究者たちによると、信条は3つに分類できる。
1.事実
2.嗜好
3.イデオロギー
誰でも無意識のうちに、他人の信条ではなく自分の信条こそが真実だという先入観を持っている。先入観には前頭葉と頭頂葉の活動の増加が関わっている。悟りの体験はその領域の活動を減少させる。
許容力、思いやりを持つことが、先入観を抑制し、自己変革を起こしやすくある。また、それは脳の主要な部位の体積を増やし、より効率よく働かせることにもつながる。(悟りを抜きにしても、先入観でがちがちになっている人はそれだけで脳の大部分を使っており損している)
オープンであるかどうかの傾向には、所得や性別は無関係。一神教を信仰している人より多神教の人の方がオープン、無神論者はその中間。
悟りを体験しているときに、脳で起きていること
前頭葉と頭頂葉の活動がいったん増大したあと、急激に減少した被験者ほど「悟り」の5要素の多くを含む体験を述べる傾向があったという。
・人が悟りを求めて特別な修行をする場合、黙想的な省察に集中したり瞑想を始めると、まずは前頭葉の活動が活発になる。増加が大きいほど、明瞭さも増し、自分の行動や振る舞いを意識的に行え、コントロールしやすく感じるようになる。
・人が熱心に祈ったり、瞑想や精神修行に没頭していると、前頭葉と頭頂葉の神経活動が突然急低下することがある。その瞬間に、我々の実験の被験者は驚異的な認識のシフトや意識の一体化を体験しやすいのだ。これが悟り体験の重要な要素だ。
・もし前頭葉と頭頂葉の活動の増大で人が自分の行動をコントロールしやすくなるなら、逆に前頭葉と頭頂葉の活動が低下すれば、明け渡す気分になりやすくなるのだろう。これが悟りのもうひとつの重要な要素だ。
脳はどうやって悟りにたどりつくのか
人の認識レベルは以下のように分類できる。
※意識がなくても認識は出来るが、認識なしには意識は持てない
レベル1:本能的認識(感覚と感情の情報処理、生存に向けた動機)
レベル2:習慣的反応(学習、記憶の形成と呼び出し、無意識の行動)
レベル3:意図的な意思決定(言語と気持ちに基づく情報処理、意識的な目的希求)
レベル4:クリエイティブな想像(マインドのうつろい、白日夢、自由な連想による幻想)
レベル5:自省的認識(自身と他者に対する直感的、非判断的、象徴的な情報処理)
レベル6:悟りの実現=自己変革的認識(より深い意味と目的を提供する、人生を変える洞察)
人は起きている間、つねに2,3,4の認識の段階を行ったり来たりしている。しかし、私たちが自分の認識のなかに意図せずに浮かんでくる感情や思考、夢想を観察することを意図的に心がければ、レベル5の認識に移ることができる。(瞑想
異なる段階をどうシフトするかについて理解が深まるほど、悟りを体験しやすくなる。
以下のようなステップがおすすめ。
①意欲(変化に対する意欲)→全く異なる考え方を受け入れる準備。オープンになる。
②準備(マインドとすべての筋肉をリラックスさせること)→身体的、精神的なストレスは悟りを阻害する。ストレッチや呼吸法。
③参画(繰り返しの運動や音を作り出すか、または特定のポーズをとるか)→習慣的な考え方や行動をストップし、脳がリラックスして想像力を発揮するのを妨げない。
④明け渡し(判断や期待もせずにその活動自体に明け渡し)
⑤回顧(思考と感覚のすべてを判断を下そうとせずにマインドフルに観察すればよい)
悟りの体験をシェアすると、他人も同様の体験を引き起こすことがある。
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