【本の感想 vol.002】『終止符のない人生』反田恭平さん 2023/05/22
ピアニストとして有名な反田恭平さんの「終止符のない人生」という本を読んだので感想をアウトプットします。
はじめに
著者のプロフィール
反田 恭平さんは2021年10月のショパン国際ピアノコンクールで第2位という快挙を成し遂げ話題になったので、クラシック音楽になじみがない方でもご存じの方は多いのではないでしょうか。
本書にも書かれている反田 恭平さんのプロフィールをamazonより引用します。
本に出合ったきっかけ
私の知り合いで反田さんのファンの方がいたりして、ショパンコンクールで大きな話題になる前からピアニストとして活躍されている方だと知っていました。
また、落合陽一さんの「WEEKLY OCHIAI」という番組で出演されているのを見かけ、ピアニストとしてだけでなく様々な活動をされていることを知り、興味を持っていました。
そんな反田さんが書かれた本ということで今回読んでみたいと思い、この本を手に取りました。
本の概要
反田さんの生い立ちからこれまでの人生について、詳細に書かれています。
また、後半にはご自身の様々な活動を通して得られた経験から、音楽を職業として生きていく方法や、音楽業界の未来についても、語られています。
最後の章は反田さんを支えた「2名の天才」について触れられたうえで、まとめられています。
感想
私の中で印象に残った部分を書いていきます。
才能だけではない、出会いと行動力がチャンスをつかむ
反田さんはピアニストとしての才能があり、それが多くの人との出会いのきっかけになっています。
しかし、ただ才能があっただけではなく、以下2つの要因が素晴らしい出会いを後押ししていたと考えます。
どんな場所でも(たとえお客さんが少ないコンサートでも)手を抜かないモットーが、小さなチャンスを掴むきっかけになっていた
自分の未来を常に描いてしており、チャンスが来た時にすぐ行動できるよう常に準備をしていた
以上のことから、常に未来を描いて、チャンスが来たときすぐ行動できるよう準備をしておくということの大事さを学びました。
ショパンコンクールへ向けた徹底的な研究・準備
世界的なコンクールで評価されるには、技術力だけでは難しいことが書かれています。
反田さんは、コンクールのために技術的はもちろんのこと、それ以外も含めて以下のような準備をされていました。
指先から奏でる音を理想に近づけるために肉体改造(もはやアスリート)
短時間で多くの演奏を聴く審査員の気持ちを想像して、様々な演奏プランを用意し、どんな場面でも最高な演奏プログラムを披露できるよう準備していた
サムライヘアで日本人として審査員を魅了するセルフプロデュース
肉体改造をすると指先から奏でられる音も変わってくる、そこまで突き詰めて技術力・表現力を磨かれているのは衝撃でした。
また、技術力以外にも審査員を魅了するための入念な準備(研究)をされており、そこまで突き詰めた結果、素晴らしい結果につながったのだと理解できました。
自己発信やプラットフォーム活用の重要性
音楽を生業として生きていくにあたり、どんなに優れた技術があっても、誰にも知られていなければ披露できません。
現在は自分で作った作品を表現できるプラットフォームがたくさんあるので、それを活用して自分を発信していくことの重要性が書かれていました。
これは音楽業界にかかわらず、すべての人に響く言葉だと感じました。
最新技術を活用した音楽業界の未来
新型コロナが蔓延し始めたころ、周りに懸念を示されながらも説得し、コンサートの有料配信をいち早く取り入れたエピソードが書かれています。
また、今後のクラシック業界、音楽業界を盛り上げていく取り組みとして、様々な活動を検討されています。例えば
クラシック音楽に特化したスマホアプリ作成
アニメ音楽、映画音楽とクラシックの融合
VR、メタバース、DX等の最新技術を学んで活用することにも言及されており、時代に合わせたやり方を常に探求されていることが伺えました。
前回の私の記事「【本の感想 vol.001】『夢と金』西野亮廣さん」でも書かせていただきましたが、最新技術を学んでそれを活用することの重要さを学びました。
日本教育の課題と重要性
「音楽業界の未来」について書かれている章で、将来は音楽学校を設立したいということも書かれています。
反田さんを含め、私が尊敬している多くの方も、学校・教育について重視されていると感じています。その中の一例ですが、例えば
八木仁平さん:『国語・算数・理科・社会・自己理解』というように自己理解を教育として普及させることについて言及されています。
川原卓巳さん:日本の未来を切り開くプロデューサー集団を作るためにプロデュースの学校を設立されています。
これは、世の中を変えていくためには最終的に教育に行きつくことが多い、つまり日本の教育に課題が多いということが表れているのかなと感じました。
おわりに
本書は、クラシック音楽に興味がある方はもちろんのこと、音楽になじみのない方でも学びの多い本だと感じました。
この記事で興味を持たれた方を含め、お勧めの1冊です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。