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第127弾「犬」

ハーイ!みんな元気?あたしけいご。

127曲目はこれ。犬。毎日曲を作るということは結構大変なもので、ちょいちょいふざけたり短い曲をはさむことで、やっとこさ精神の安寧をはかっています。自分で「やる」と決めたことであって、別に誰かに「やれ」と言われてやっているわけでもないのに、ねえ、あたし、毎日音楽つくっているんだよ。これ、結構すごくない???正気の沙汰じゃなくない???ねえ、お願いだから「すごい」って言って頂戴!!みたいな気持ちになっている。

「犬」 作詞・作曲 Keigo Sakatsume

二位でもワン ビリでもワン 犬

あたしは資本主義の豚だけど、今回は「犬」。昔、モーニング娘。の曲に『サマーナイトタウン』ってのがあって、そのサビに「大キライ、大キライ、大キライ、大スキ、Ah』って歌詞があるの。あたし、この『大』って漢字にちょこんと点をつけて『犬』にして、ひとりで「犬キライ、犬キライ、犬キライ、犬スキ、ワン!ワン!ワーーーーン!おかーさーーーーん!!!!!」とか歌っていたのだけど、そんなことはどうでもいいわね。

全然関係ないけど、昨日から、ごちゃまぜの家に新規入居者が増えました!その名は「りゅーちゃん」!19歳!若い!若い風最高!層の幅、大事!前からちょくちょく一緒に過ごしては音楽をやったり遊んでいたのだけど、本腰をいれて同居(?)することになりました。みんな、いつでもごちゃまぜの家に遊びに来てね!誰でも自由に使える家ということで、家にある食材(というか全部)はFREEで食べたり使ったりできます!誰でも自由に使えるとか言いながら「そこは人間としての不文律を大事にしようよ」とか思ったり実際に言っちゃったりすることもあるけど、あたし以外の住人は、みんないいひとばかりだと思っています!明日明後日は定期演奏会もあります!

ごちゃまぜの家は、こんな感じの雰囲気です。

誕生の経緯はこんな感じ(クラウドファウンディングで生まれました)。

改めて読み直すと「みなさまのご支援あってのごちゃまぜの家なんだよな…あたしはもっと感謝をしなきゃいけないな…謝謝 for the people…」と、毎回身につまされる思いがします。『犬』とか歌っている場合ではないぞ、と。へたなことはできない。へたなことはできない。へたなことはできないと何回も思いながら、同時に「へたなことをやっていきたい」とも思う。あたしは、基本的に倒錯しているから、自分が右に行きたがるときほど、同じ強さで「左だろ」と囁く、リトルけいごが登場する。あっちに行ったり、こっちに行ったり、ころころ変わる自分を昔は「なんて軸のないやつなんだ」とか思ったりもしたければ、いまでは「この、軸がないということこそが、自分という軸なのだ」と快活になることで、精神の安寧をはかっています。

これはちょっと愚痴っぽくなるけど、あたし、頻繁に「あなたは歌がヘタですね」とかディスられる。それは別にいいんだけど(本当はよくない)、たまに「歌はヘタだけどグッときました」みたいな褒め方をされることがある。正直、あたしは「なんて微妙なんだ!」と思っちゃう(とか書きながら、普通にうれしいこともある。要するに『言い方』なのかもしれない)。これって、「あなたは美人じゃないけど、いいことを言いますね」とか「あなたは母子家庭だけど、礼儀正しいですね」とか「あなたは黒人だけど、知識が豊富ですね」って言っていることと、似ていると思う。なんていうか、前提がおかしい。前提のなかに『差別』の匂いがある。これ、不登校のこどもを励ますおとなたちにも、前に感じた。彼らは、不登校を肯定しているようで、心の奥底には『学校にいけるにこしたことはない』という匂いが、ある。こどもって敏感だから、その部分を察知して「ああ、学校にいけない自分は、やっぱりダメな人間なんだ」と思う。言葉よりも、言葉にこめられている前提というか、こころ、気持ち、価値観、そっちを嗅ぎ取ってしまう。

とかなんとか言いながら、あたしも、りゅーちゃんを「若い!素晴らしい!」みたいなことをさっき書いた。あたしだって、平気で差別をしている。これは反省しなければいけない。若かりし頃、あたしは「あなたは若いのに素晴らしいですね」みたいな褒め方をするおとなを、こっそり軽蔑していた。なにかあると「あなたは若いから、これからなんにでもなれるじゃない!」とか言いたがるおとなも、軽蔑していた。なんていうか、そういうことじゃねえんだよ、と思っていた。対等な立場で話している手応えが薄く、多分、そのことに腹を立てていたのだと思う。若いとか、若くないとか、そんなことは、どうでもいい。若かろうが、若くなかろうが、あるのは『いま』だけなんだよ、と。『いま』の話をしているのに、まだ若いからとか、あほなこと言ってんじゃないよ。と。まあ、こういうことを書くとどうしても口が悪くなってしまうから、この辺にしておきます。これ、きっと、あたしだけじゃないと思うのよ。みんな、一回は、こういう言われ方をして「嫌だなあ」と思ったこと、あると思う。だけど、どうしても、それを忘れる。

そういうことを思い出せるのも、コミュニケーションあってこそ。りゅーちゃんは、ごちゃまぜの家(およびAgape)に素晴らしい風を吹かせてくれます。どうしてか、文化的なあれで「年下は、年上の人間からいろいろと学ぶべき」みたいな価値観が根強くあるけど、逆も、絶対あると思う。子育てとかの話を聞いてても、なぜだか「こどもはこう育てろ」みたいな話が多くて、こどもからここを学べ!みたいな話って、あんまり聞かない。だけど、この前あった子育て中のおかあさんから、あたし、こんな話を聞いた。この話にはグッときた。おかあさんは、言いました。「わたしは、こどもから『自由であること』を教えられているような気がします。自分が、遠い昔に忘れてしまっていたものを、こどもを通じて、取り戻させてもらっているような感覚があります」って。なんだか、これ、いいなあって思った。こどもは、自由であることを教えるために、存在している。ああ、いいなあ、と。

音楽も、そうでありたいと思う。基本的には、人間を自由にするものであってほしい。生きていると、どうしても思考や行動が凝り固まって、枠にはまりがちな日々を過ごしてしまう。そんななかで、感性に潤いを与えて、いまよりもちょっと「広く世界を眺められる」視野を開く。沈みかけていた気分を浮上させて、殺伐とした横浜砂漠のオアシスとなり、触れたひとびとの心に『余裕』を生み出す。アウシュビッツ強制収容所の本とか読むと、あんなにもはげしい極限状態に置かれても、最後まで消えることのなかったものが『音楽』と『ユーモア』だったと聞いた。人間を根底から支えるものは、こういう、目には見えないものなのかもしれないなあ、と、あたしは思った。

ユーモアって、逆境を笑い飛ばす力だと思う。音楽は、心を自由にするものだと思う。これがなかったら、あたしは、今頃破滅をしていたと思う。不思議なもので、どんなに気分が落ち込んでいても、ちょっとしたことで爆笑したり、美しい音楽に触れたりすると、一気に気分が軽くなることがある。幸せだとか、不幸だとか、楽しいだとか、切ないだとか、それを決めているのは『心』なんだなって、その時に思う。環境が幸福を決めるんじゃなくて、心の状態が幸福を決めるのよね。それならば、できるだけ、ひとびとがご機嫌でいられるようなことを、今日はちょっといいことが起こりそうだぞと、明日を楽しみに生きていきたいと思えるようなものを、つくりたいと思う。

ホシナナナイト、継続中!是非!(犬が出てきます!)

じゃあ、またね。愛してるわ。バイバイ。

坂爪圭吾 keigosakatsume@gmail.com

【イベント情報】

8月24日&25日(土&日) 15時~16時@神奈川県横浜市「ごちゃまぜの家」

8月31日(土) 13時~@東京都新宿区四谷「シアターウイング」

9月9日(月) 19時半~@東京都吉祥寺「曼荼羅」

○バンドプロフィール紹介

Agape(アガペー=神の愛という意味がある)

2014年2月14日。Guitar & Vocal の坂爪圭吾が、当時同棲していた彼女に振られ、振られた勢いをそのまま活かすかたちで、「ひとは家がないと生きていけないのか」という問いを持ちながら、定まった家がない状況で如何にして生きていくかという実験を開始。

その体験談を綴ったブログ『いばや通信』が、爆発的な人気を博し、結果的に日本全国、世界20ヶ国ほどに、トークイベントなどで招聘されるようになる。「とにかくやばいことだけをやる」というコンセプトに基づいた会社、【合同会社いばや】の代表としてブログや講演活動に専念するなか、“家を熱海に買ってもらう”というゴールを果たした頃に、会社が円満解散。

ホームをレスしてからちょうど5年後。2019年2月14日。イタリアはヴェネツィアで、ある女性を通じて「音楽をやりなさい」という啓示を受けた坂爪圭吾が、日本に帰国後、一日一曲の曲作りに邁進するなか、一人、また一人と毎月メンバーが増えていき、現在5人体制で活動している(今のところ全員無宗教)。

メンバーのほとんどが、“中学校の授業以来”という驚愕のバンド結成状況の中、「ド素人から成長していく姿を公開していくことが、自他共に勇気が出るのではないか」と開き直り、約半年で、およそ百数十曲の音源を作る。それらの楽曲は、「ジャンルはなんですか?」とカテゴライズされないために、様々な趣向が凝らされている。

メンバーそれぞれが、駄目なら駄目なりに、失敗したら失敗したなりの姿を晒していくスタンスで、“技術だけではない何か”を感じてもらえるような演奏を心がけている。

◯メンバー紹介

Guitar & Vocal の坂爪圭吾(34)音楽活動歴約半年で、毎日一曲のペースで創作し、百数十曲の持ち曲のほとんどの作詞作曲を手掛けている。

Bass 保科亮太(31)音楽活動歴約五ヶ月で、「圭吾さんがギターで、ドラムは重そうだから」という理由でベースに挑戦。作詞も手掛けている。

Guitar 竹谷純平 (34)音楽活動歴約四ヶ月で、「誕生日が一番早いのと、唯一の長男だから」という理由でリーダーに抜擢。愛されキャラでありつつ、“アニキ”の愛称で親しまれる。ライブ時のMCと、エレキギターでのソロ演奏に注目。

Keyboard & vocal 稲村彰人 (26)音楽活動歴約三ヶ月で、仲良くしていた先輩たちに、半ば強制的にバンドに加入させられる。が、秘めていた才能が開花。その独自の世界観と歌唱力から、米津玄師さんに対抗しないかたちで人気を獲得している。

Drums 嘉向徹(28)バンド結成前から坂爪たちと親しくしていた、最後の精鋭。メンバー全員が「アガペーのリズム体になるのは、彼しかいない」と断言し、その登場を待ち続けていた。“ドラムというより、大地そのものを叩きたい”という独特の表現は、幼少期から海とさざ波の中で育った背景に起因している。音楽活動歴、堂々の0ヶ月で、初ライブに挑む。

◯バンドからのメッセージ

まずは「1年後、見ててください!」を合言葉に、Agapeを応援してくれているファンと共に成長していきたいと思っています。年齢的にはアラサーですが、まだまだ多感な我々Agapeの音楽を、ぜひリアルで体感していただけたら嬉しいです。


バッチ来い人類!うおおおおお〜!