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第121弾「ブス」

ハーイ!みんな元気?あたしけいご。

121曲目はこれ。ブス。あたし史上最短35秒の楽曲です。生きていると、思わず「ブス」とか「死ね」とか「クソヤロー」とか、言いたくなることあるわよね。でも、そんな言葉を言ってしまうとカドが立っちゃうから、多くの場合は引っ込めますよね、罵声を。でも、たまには外側に出していかないと罵声が自分の内側に蓄積して臓器が破壊されちゃったりするから、適度に『出す』のは、大事ですよね。その、お手伝いをさせていただきたい。とかなんとか言っちゃって、ただ「ブス」と言いたかったので歌いました。

「ブス」 作詞・作曲 Keigo Sakatsume

ブスなんて言っちゃダメ

でも 言いたい 
いま 言いたい

うるせえ、ブス。

あたしは、とりわけ女性に対して腹立ったときは「うるせえ、ブス」って心の中で罵倒して怒りを鎮火することがあります。だけど、他の人は「あたしは『クソヤロー』って思っています」とか「自分はこっそり『死ね死ねビーム』を出しています」とか、みんな、言わないだけでいろいろなこと思っているみたい。あたしは、こういう言葉を(こどもがうんことかちんことか言って騒いでいる感じで)楽しいと思っちゃうから、なんだかキャッキャしてしまう。この曲では『ブス』って言っちゃっているけど、過去に『バカ』って30回くらい言っちゃっている曲を作りました。第6弾。さよならフォロワー。あたしが音楽活動をはじめた途端に「あなたにはがっかりしました」とか捨てセリフを残して去る人々に向けた、あたりなりのレクイエムです。

他にも『うんこ』って叫んでいる曲もあります。さすがにタイトルをうんこにするのもどうかと思ったので、少しだけ濁して『うなばうあー』にしました。うなばうあーとは『うんこなばばあ』の略称(?)です。自分が腹立った時、愛とか、感謝とか、そういう言葉で押し殺そうとするとまじで自分が押し殺されてしまうので、時には、しっかりと「うんこ」とか言っちゃうこと、大事だとおもう。怒ることはよくないとか、悪口をいうことはよくないとされているけど、あたし、悪口を言わないひとをどこか「信用できない」って感じる。もちろん、真の意味で優れているひとは悪口なんか全然言わないけど、本当はいろいろ思っているのに、良い部分しか出さないひとは「嘘くさいな」って思っちゃう。だから、まずは、自分から出していこう、と。

全然関係ないけど、いま、ごちゃまぜの家に20歳のめっちゃいい感じの女性が遊びにきてくれています。彼女が素晴らしくて、高校を1ヶ月で辞めてから、これまで(まだ20歳なのに)33個もバイトを経験したらしいの。でもね、バイト先で、例えば「こういうときにありがとうと言ってください。こういうときにすみませんと言ってください」って言われることが超絶苦しくて、転々とした。つい最近までは東南アジアの先住民と一緒に暮らしていたみたいで(これはりゅーちゃんと非常に似通っている)、狩猟採集民族の「家を持たない暮らし。獲物がいるところの水辺で眠る、移動生活」に刺激を受け、日本で生き辛さを感じる自分は、文明から離れた奥地で暮らすか、思想や哲学で言葉にしていかない限り生きていくことは難しいだろうと思う、とか、言うのよ。すごい、爽やかな真顔で。すごい、健やかな真顔で。

バイト33個はすごい。あたしも、26歳迄に30個くらいバイトをした。でも、20歳の時期は5個か6個程度だった。正直「負けた」と思った。気持ちいいほどの完敗。彼女のテーマが「(服とかも欲しいから)精神をすり減らさないで、お金を稼ぐこと」だって聞いたときは、わあ、いいテーマだなあと思った。誰だって、そうあれたらと思うテーマだと思う。引きこもりの経験もある彼女は、こんなことを話した。「不登校とかになると、専門家みたいなひとが『あなたは既存の教育システムに不満があるのよね』とか、言う。自分も、最初はその言葉を真に受けて『そうかもしれない』とか思っていたけど、違うな、と思った。多くの人にとって、学校にいくことが普通で、学校にいかないことは普通ではないことになる。でも、あたしにとっては、学校に行き続けるということが『普通ではない』ことだった。だから、あたしは、あたしの自然に従ったのだと思う」って。これ、いい言葉だと思った。

バイトを辞めた理由を聞いたら、よかった。受付の仕事をしていたときは「流れている音楽がうるさかった」から、そして「控え室とかから聞こえてくる会話が嫌だった」から、辞めた。なんか、これ聞いたとき「超わっかるー!!」って思った。聞く人が聞いたら「ふざけるな!その程度のことでやめるなんて、現実社会を生きていけると思うな!」とか、言うのかもしれない。でも、これ、すごいわかる。あたしも、変な音楽が流れている環境に長時間置かれると精神が異常をきたすから(あとはテレビがついている環境も無理)、働ける場所なんて途端に激減する。勝手にシンパシーを抱いてしまったあたしは、勝手に、彼女の未来に期待をしてしまった。果たして、彼女はこれからどんな人生を送るのだろう。ワクワク。どうせなら、めちゃめちゃやっちゃってほしいなとか、思っちゃう。社会不適合者って言葉もあるけれど、適応するより『開墾』するほうが、絶対面白いと思う。カルティベートしまくってほしい。あたしも、カルティベート、する。がんがる。おー。

彼女に聞かれた。昔から書くことが好きだったのですか?って。あたしは「うーん、好きって言うより、書かないと死ぬから書いてました」って答えた。好きとか、そういう簡単な言葉では表現できないものが、書くことにはある。あたしは、昔から、自分の気持ちをひとに伝えることが苦手だったから、話しても、話しても、ああ、また伝わらなかったなあって思うことが多かった。だから、あたしは、話し言葉の代わりに『書き言葉』を綴るようになった。日記とか、メモ帳とか、ノートの片隅に、誰にも届かない自分の本音を書き続けていた。それが、功を奏して、いまは「書くことによって生きることができている」状態になっている。いまも、昔も、あたしの命は『書くこと』によって、繋がれてきたと言っても過言ではない(や、過言か)。

彼女も、言葉に興味があると話す。彼女いわく「あたしは、自分の気持ちを言葉にするのが苦手で、なんで学校を辞めたのかとか、聞かれてもすぐに答えることができない。あとから『あ、こういうことだったのかな』ってわかることはあるけど、突然聞かれても『自分の野生が信号を発したから』とかしか、言えない。だから、自分の気持ちを言語化するということに、興味がある」とのこと。なんかね、もう、すごいいいなあって思った。とりわけ、あたしは言葉が好きだから(あ、好きって言ってるじゃん。あたしはやっぱり言葉が『好き』なんだな)、自分が好きだと思うものを、同じように好きになろうとしてくれるひとの存在は、うれしい。自分が大切だと思うものを、同じように大切に扱おうとしてくれるひとの存在は、うれしいものだと感じた(というか、自分の野生が信号を発したという表現が、超絶好い)。

言葉を書く。歌を歌う。そのことに反響がある。反響があることはうれしい。自分が思っていることが『自分だけが思っていること』ではなかったことを知る。昔は、本音って「話せば話すほど、孤独になるもの」だと思っていた。なかなか伝わらないから、本音を話して伝わらなかったかなしみを覚えるくらいなら、表面的な部分で調子をあわせていたほうが、楽だったりした時期もあった。でも、やっぱり「全然楽なんかじゃなかった」のだと思う。表面的な友達が増えても、こころの一部はさみしいまま。だから、まずは、自分が自分の友達になることよね。自分が自分の本音に、耳を傾けてあげることよね。って、曲名の『ブス』と全然関係ない話になっちゃったけど、あたしは「ブス」とか「バカ」とか「うんこ」とか、口に出してあげることで、自分に寄り添ってあげているのかもしれない、などと思いました。

じゃあ、またね。愛してるわ。バイバイ。

坂爪圭吾 keigosakatsume@gmail.com

【イベント情報】

8月17日(土) 19-21時@神奈川県横浜市「ごちゃまぜの家」

8月24日&25日(土&日) 15時~16時@神奈川県横浜市「ごちゃまぜの家」

8月31日(土) 13時~@東京都新宿区四谷「シアターウイング」

9月9日(月) 19時半~@東京都吉祥寺「曼荼羅」

○バンドプロフィール紹介

Agape(アガペー=神の愛という意味がある)

2014年2月14日。Guitar & Vocal の坂爪圭吾が、当時同棲していた彼女に振られ、振られた勢いをそのまま活かすかたちで、「ひとは家がないと生きていけないのか」という問いを持ちながら、定まった家がない状況で如何にして生きていくかという実験を開始。

その体験談を綴ったブログ『いばや通信』が、爆発的な人気を博し、結果的に日本全国、世界20ヶ国ほどに、トークイベントなどで招聘されるようになる。「とにかくやばいことだけをやる」というコンセプトに基づいた会社、【合同会社いばや】の代表としてブログや講演活動に専念するなか、“家を熱海に買ってもらう”というゴールを果たした頃に、会社が円満解散。

ホームをレスしてからちょうど5年後。2019年2月14日。イタリアはヴェネツィアで、ある女性を通じて「音楽をやりなさい」という啓示を受けた坂爪圭吾が、日本に帰国後、一日一曲の曲作りに邁進するなか、一人、また一人と毎月メンバーが増えていき、現在5人体制で活動している(今のところ全員無宗教)。

メンバーのほとんどが、“中学校の授業以来”という驚愕のバンド結成状況の中、「ド素人から成長していく姿を公開していくことが、自他共に勇気が出るのではないか」と開き直り、約半年で、およそ百数十曲の音源を作る。それらの楽曲は、「ジャンルはなんですか?」とカテゴライズされないために、様々な趣向が凝らされている。

メンバーそれぞれが、駄目なら駄目なりに、失敗したら失敗したなりの姿を晒していくスタンスで、“技術だけではない何か”を感じてもらえるような演奏を心がけている。

◯メンバー紹介

Guitar & Vocal の坂爪圭吾(34)音楽活動歴約半年で、毎日一曲のペースで創作し、百数十曲の持ち曲のほとんどの作詞作曲を手掛けている。

Bass 保科亮太(31)音楽活動歴約五ヶ月で、「圭吾さんがギターで、ドラムは重そうだから」という理由でベースに挑戦。作詞も手掛けている。

Guitar 竹谷純平 (34)音楽活動歴約四ヶ月で、「誕生日が一番早いのと、唯一の長男だから」という理由でリーダーに抜擢。愛されキャラでありつつ、“アニキ”の愛称で親しまれる。ライブ時のMCと、エレキギターでのソロ演奏に注目。

Keyboard & vocal 稲村彰人 (26)音楽活動歴約三ヶ月で、仲良くしていた先輩たちに、半ば強制的にバンドに加入させられる。が、秘めていた才能が開花。その独自の世界観と歌唱力から、米津玄師さんに対抗しないかたちで人気を獲得している。

Drums 嘉向徹(28)バンド結成前から坂爪たちと親しくしていた、最後の精鋭。メンバー全員が「アガペーのリズム体になるのは、彼しかいない」と断言し、その登場を待ち続けていた。“ドラムというより、大地そのものを叩きたい”という独特の表現は、幼少期から海とさざ波の中で育った背景に起因している。音楽活動歴、堂々の0ヶ月で、初ライブに挑む。

◯バンドからのメッセージ

まずは「1年後、見ててください!」を合言葉に、Agapeを応援してくれているファンと共に成長していきたいと思っています。年齢的にはアラサーですが、まだまだ多感な我々Agapeの音楽を、ぜひリアルで体感していただけたら嬉しいです。




バッチ来い人類!うおおおおお〜!