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お前はお前のファンになれ。
新潟で開催されたトークイベントに出た時、参加者の女子高生から「私は不登校で家で本を読んでいることが多いのですが、坂爪さんの話を聞いていたら体を動かしたくてたまらなくなったので走って帰ります!じゃ!」と言われた。大阪で開催されたライブに出た時、参加者の若い男性から「実はライブの途中に帰りました」と後から連絡をもらった。最初はオーディエンスとして演奏を楽しんでいたのだが、だんだんと「なんで俺は客席側にいるんだ」と疑問が湧き出して、ハイリスクノーリターンという曲を聞いた時にいてもたってもいられなくなり、そのままライブ会場を飛び出して走って帰った、と。私は「いいね」と思った。こういう反応をもらった時に、なによりも「いいね」と思う。
時折「坂爪さんのファンです」と言われることがある。私は「俺のファンになるな。お前はお前のファンになれ」と思う。嫌な言い方だが、他人の物語に感動している暇があったら、自分の物語に感動してくれと思う。他者はあくまでも併走者であり、主役はお前だ。人生に命を賭けてくれ。誰かが命を賭けた諸々を、安全な場所からああだこうだと言うのは趣味じゃない。好きな映画を五回見たとか、そんなことはどうでもいいんだよ。トトロを五十回見るより、一回森に行け。スラムダンクを五万回見るより、スラムダンクを一回しろ。ファンってなんだ。お前はお前のファンになれ。推しってなんだ。お前はお前の推しになれ。自分を推せない代わりに誰かを推すだなんて情けない。パワースポットを巡るな。お前がパワースポットになれ。
他人の言葉や他人の映画、他人の物語や他人のゴシップで、神聖な自分を汚している場合じゃないんだよ。俺は俺の言葉と俺の歌に世界で一番元気を貰い、笑い、世界で一番励まされる。俺には俺がいるように、お前にはお前がいる。お前を一番勇気づけるものはお前だ。お前の気持ちを代弁できる人間はいない。お前の気持ちはお前にしか分からない。それを叫べ。それを歌え。腹にあるものを全部ぶちまけて、お前は最高だって言ってやれ。お前の内側から出た言葉が、一番お前に寄り添うだろう。お前の内側から出た音楽が、一番お前を鼓舞するだろう。いつまでもただのファンでいることは、師に報いる道ではない。お前はお前の血を流せ。その血で書け。その血をもって、お前だけの言葉を書け。その血で書け。お前だけの物語を書け。
うまくやろうと思うのではなく「失敗してやろう。傷ついてやろう。ダメになってやろう」と思いながら、挑む。生きようと思うのではなく「よし、死のう」と思いながら、生身をぶつけていく。求めているものは、成功じゃない。体験であり、挑戦だ。俺はグルメなんだよ。この星にある、いろいろな味を喰らいたいんだよ。いいも悪いも、酸いも甘いも、辛味も滋味も、中途半端にうまい料理よりも、死ぬほどまずい料理の方が面白いんだよ。どこにでもある無難な店より、最悪な店の方が笑えるんだよ。お会いした時に交通費をお渡ししますと言われて、実際に行ったら誰も来ないなんてザラだよ。そういうの、全部込みでやってるんだよ。ダメでもいいんだよ。バツでもマルなんだよ。大丈夫じゃないことも含めて、大丈夫なんだよ。面白ければ、楽しければ、なんでもありなんだよ。
ダメならダメな方が面白いって世界があるんだよ。それがステージだ。ステージの上ではコンプレックスが武器になる。できることではなくて、できないことを見てもらう。俺はこんなにもできない、こんなにもできない人間がこうして生きて歌って叫んで踊って存在をしている、その凄さ、うまいとか、偉いとか、知識があるとか、感心できるポイントなんて一つもない、褒められるところなんて一つもないのに、思わず声が出たり、たまらなく嬉しくなったり、走り出したり、胸が打たれて、涙が出る、これだよ。これが「生きている」ってことなんだよ。なんでもいいんだよ、なんでもいいから、それに触れた人間が生きてやるぜってなってくれたら大成功。よっしゃ、ラッキー。俺はそれがやりたかったんだって思う。だから、お前はお前のファンになれ。俺を推すな。自分を推せ。俺を好きになった、自分の感性を推せ。自分のセンスを推せ。俺を好きになったお前のセンスは間違っていない。俺は俺の血を流す。お前もお前の血を流せ。リアルで会ったらハイタッチしよう。言葉は要らない。これから東京に行く。
圭吾さん
こんにちは
お詫びとお礼のつもりで送りつけましたのに
かえって愛のある贈り物を圭吾さんから頂いて
とてもとても嬉しいです
ありがとうございます
送る時、健康な人なら徒歩5分くらいで着く郵便局への道を、3時間かけて歩きました
ヘルパーさんに頼めば簡単だけど、どうしても、自分で送りたかったので歩きました
帰って来たら、玄関で倒れ伏して
這いつくばってベッドまで行って
今も、くたくたですが、とても心地の好い疲れで気持ちはハッピーです
圭吾さん
多くの気付きと、幸せな時間を、ありがとうございました
生かされてるうちは、懸命に生きます
本当にありがとうございました!
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おおまかな予定
12月13日(水)東京都渋谷区界隈
以降、FREE!(呼ばれた場所に行きます)
連絡先・坂爪圭吾
LINE ID ibaya
keigosakatsume@gmail.com
SCHEDULE https://tinyurl.com/2y6ch66z
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