マネージャーの育成【ルーチン作業編】
いつでも他のポジションにジャンプできるように、自分のポジションを任せられる人をできるだけ早く育成することが、自分にとっても、組織にとっても、任される人にとっても、必要なことではないかと思います。
1, ルーチン作業の移行
さて、まずはじめたのは日・週・月・年次のルーチン作業を移行させること。ルーチン作業を「行う→覚える→作業の背景を理解する」という流れの中で部署の仕事の全体像も見えてきます。年次のルーチンも含むので最低1年はかかる移行作業ですが先日ようやく全て完了しましたので、自分にしか出来ないルーチン作業は1つも残っていません。
1,1 ルーチン作業は教えてもらった瞬間にマニュアル化
自分がそのルーチン作業を担当することになる瞬間があると思いますが、全ての作業に引継書やマニュアル、手引きがあるわけではありません。私の場合、多くは「口頭による引き継ぎ」でした。そこで教わると同時にマニュアルを作成するわけです。もうこの段階で自分の次の人への引き継ぎ作業が始まっています。こうして全てのルーチン作業でマニュアルを作成していました。
1.2 マニュアル作成でのポイントは「主語」を明確に
日本人は普段の会話も「主語なし」でコミュニケーションすることが多いように思います。会話であれば前後の文脈で判断できたり聞き返したりすることができますが、文章でのマニュアルではそうもいかないので、主語を意識して作成します。同じエクセルファイルの同じシートであれば文中でも同じ単語で表現する。文脈から分かりそうでもきちんと主語をつける。人名・ファイル名・システム名・機能項目名・ボタン名・用紙名・・・、とにかく主語・名詞はそろえることを意識しました。
1.3 マニュアルは作り込みすぎない
ちゃんとしたマニュアルを作成しようとすると大変億劫です。億劫なことは続きません。そこでマニュアルを作成するときは、Macのメモアプリでさくっと作ってしまします。全体のフォーマットを気にしすぎたりしないことがマニュアルを作り続けるコツです。
1.4 検索性を高める
Macのメモアプリで作成しているのはもう一つ理由があって、検索窓にキーワードを入れるとすぐに表示できるからです。Wordなどで作成しても検索は出来るのですが、メモアプリ内で検索する方が圧倒的に速いですし、iPhoneにもタイムリーに同期されているのがいいですね。わざわざMacを開かなくてもいいですし、私は出勤・出張なども基本手ぶらでiPhoneしか持っていないので、出先での対応もしやすいです。
1.5 日・週・月・年次のルーチン作業はエクセルで一覧にしておく
各ルーチン作業は、エクセルで項目と実施予定時期を一覧にしておき、実施したものは作業日を入力をして、抜け漏れが無いようにしておきます。また、エクセルのコメント機能を使って項目をクリックすると作業マニュアルが表示されるようにしておきます。このエクセルをそのまま月次のマネジメント会議に提出して報告書の代わりにしたり、引き継ぎ時のルーチン作業年間スケジュール表にしたりも出来ます。
1.6 マニュアルだけ見て作業出来るか試す
ルーチン作業を引き継ぐときは、作業の趣旨と概要を説明した後、具体的な作業は、まずマニュアルだけ渡してでやらせてみます。そうすることで、マニュアル自体きちんと他の人に理解できるレベルになっているか判断できますし、自分も引き継がれる側も時間短縮になります。
1.7 ルーチン作業は持ち続けない
最初の内は、仕事を覚える上でもマネージャー自らルーチン作業を持ってもいいですが、いつまでも持ち続けてはいけないと思います。マネージャーはその作業から得られるアウトプットを「活用」することの方が重要だからです。どこかのタイミングで作業自体はさらに部下へ引き継いでいくように意識させる必要があります。